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占いは生き物である|西洋占星術

こんばんは、灯です。
初学者の方には特にわかっていただけるかなと思うのですが、占いを勉強し始めたとき、いろいろな占術や様々な技法が押し寄せてきて、息苦しく(アップアップ)なったりしませんでしたか?

古来より占いは人々の生活の中にあり、土地土地で、時代時代で、新たな占術が生まれたり、新たな技法が生まれたりと、変遷を辿りながら現代まで脈々と受け継がれてきました。
言ってしまえばそれは「言葉」のようなもの。

三年前の流行語を覚えていますか?
見れば思い出す程度、ではないですか?
逆に、いつの流行語だったか覚えてなくても、一般に定着した言葉もありますよね。
「ガチ」とか「推し活」とか。
今の時代まで残ってはいないけど当時を象徴する「チョベリグ」とか「密です」とか。

言葉は生き物なので、誤用が広まった結果、辞書に載って「正しい意味」になることも多々あります。
一般的に「敷居が高い」は「(高級店だから)入るのに勇気がいる」という意味で使われますが、元々の意味としては「合わせる顔がない」に近いです。

同じことが占いにも言えると思っていて、「現時点で一般的に広まっている認識が、覆される未来もあるかもしれない」のです。

たとえば古典占星術では月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星の7天体がメインです。
当時は土星以遠の天体(トランスサタニアン)を認識できず、なので当然トラサタに対して言及することはありません。

一方、現代占星術ではトラサタを含む10天体がメインで、トラサタの重要性(特に個人天体とのアスペクトがある場合)を説いている方はたくさんいらっしゃるかと思います。

これらの占術を見比べて、「昔からある占術だから古典占星術のほうが正しい」と思うでしょうか?
それとも「現代占星術のほうが新しい占術だから正しい」と思うでしょうか?
私は、どちらも正しいと思います。

古典占星術において「トラサタの存在に気づいていない」というのは、重要な意味を持つと思います。
当時は土星こそ最後の天体であり、人生における「ラスボス」だった。
その空気感は現代占星術にも反映されていますよね。

現代占星術においては、「トラサタの存在に気づいた」ことが重要な意味を持ちます。
天王星は水瓶座、海王星は魚座、冥王星は蠍座と、それぞれルーラーにも就任するほど厚待遇。
とはいえトラサタを個人的に扱うことは難しい、というのが一般的な認識かと思います。

ところで冥王星には「牡羊座のルーラー説」があるのをご存知ですか?
今でこそ冥王星は蠍座のルーラーとして知られていますが、そもそも蠍座のルーラーは火星であり、冥王星が発見される前は、蠍座だけでなく牡羊座も火星がルールしていました。
根底として火星と冥王星は似ている、という仮説も成り立ちます。

「天王星が水瓶座で海王星が魚座と、順番通りだったのに冥王星でいきなり蠍座に飛ぶのはおかしいのでは?」という理論なのでしょう。
未来のことはわかりませんが、「冥王星が牡羊座のルーラーになる」未来もあるのかもしれない。
そう思うとなんだかワクワクしてきませんか?

現時点で正しいとされる技法が未来永劫正しいとは限らないわけです。
その正しさはあくまでその時点での正しさで、それが間違いになるわけではありませんが、別の正しいが生まれる可能性はだいぶんにあるのです。

これも流行語と同じで、たくさんの人が認識して意図的に使う(≒集合無意識)ことによって起きる変革だと思います。
結局のところ、どんなに立派な学者さんが正しい何かを説明しても、広く一般に認識されなければ本当の意味での「正しいこと」にはならないのです。

私は「天体は土星まで」という古典占星術的な考えも理解したうえで、現代占星術的に「トラサタも見る」ようにしています。
これは現時点での見方なので未来のことはわかりません。

西洋占星術に限らず、今後、あまたの占いたちがどういう変遷を辿るのか、一般の人間の一人として楽しみにしております。

本日はお読みいただき、ありがとうございました。

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