所変われば評判も変わる。

あるチームのリーダーAさんは、のんびり屋というかマイペースというか、とにかく「う~ん、どうしよう~」とグズグズ悩んでいることの多い人。「えぇ~、できないよぉ~~~」と、しょっちゅう泣き言を言っています。Aさんは以前は隣の営業所のリーダーで、当時の評判はあまりよくありませんでした。私も電話で話すことが多かったですが、いつもめちゃくちゃイライラしていました。


先日、そんなAさんが率いるチームの人と会って話す機会がありました。その人に、

「Aさんどうですか?いっつもグズグズ言ってて、イライラしません?」

と聞いたら、意外な答えが返ってきました。


「全然イライラしないよ。むしろ、Aさんがリーダーで本当によかった。あのゆるーい感じに、僕たちはみんな救われてる。もしリーダーがもっと厳しい感じの人だったら、とっくに誰か精神を病んでると思うよ。リーダーがAさんだから、僕たちは大変な状況でも明るく乗り越えてこれた。」


もうね、これを聞いて、自分の視野の狭さを恥じました。


人はどうしても、わかりやすく成果を出している人ばかり評価してしまいます。営業成績のいい人や、行き詰まった状況を一転させる提案ができる人、リーダーとして頼もしい人など。こういう人は、どこにいっても大体うまくやっていけます。


Aさんは、こういうわかりやすく成果を出している人たちとは真逆の人です。営業成績がいいわけじゃないし、行き詰まった状況を行き詰まったまま「どうしよぉぉぉ…」なんて言う人ですし、全然頼もしくありません。


でも、チームメンバーにとっては心を安定させるのになくてはならない存在になっています。それは、誰にでもできることではありません。少なくとも、私にはできないことです。もしこのチームのリーダーがAさんでなければ、チームのパフォーマンスはもっと低かったかもしれません。


現状、問題だらけのチームではあります。なので、改善に向けて行動できる人が最近このチームに異動してきました。癒やし系ポジションのリーダーと新しく異動してきた人とが、いい化学反応を起こせればいいな、と思っています。


キビキビしている人、ゆっくりしている人、営業成績のいい人、悪い人、改革派と、保守派。こういったキャラクターは、単体で良い・悪いを決められないものです。ヒトの体の中に善玉コレステロールも悪玉コレステロールもどちらも必要なのと同じように、組織にはAさんのような人も必要です。もちろん、悪玉コレステロールも多すぎると困るのと一緒で、Aさんみたいな人ばかりでは困るんですけどね笑


所変われば評価も変わる、適材適所ですね。効率的な人員配置で、限りある人材をフル活用できる組織でありたいです。

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