帰りたい

黒いヘアゴムを買おうとして、それじゃだめだよと可愛い髪留めを渡された。
これは、自分に似合わないと思う。だか先輩は、こういう小物から変えてかないとね〜なんて言いながらもう別のアクセサリーコーナーへ行ってしまった。
可愛くしてくださいと頼んだ昨日の自分を裏切りたくないが、これは絶対に似合わない。だって、ピンクだしハートだしキラキラしてるし、これは可愛い子がつけるから似合うわけであって、自分はつける資格がない。よし、戻そうと決めた矢先にコラっとチョップされた。
苦し紛れに視界の端にあった髪飾りをガシッと掴んで見せた。このリボン可愛いいです!青と白のストライプでこっちの方が自分に似合ってます!ナチャラルですよ!夏ですし!と必死に訴えた。二つの髪飾りを見比べた先輩は、まぁいいでしょうと言って向かいのお店に入って行った。慌ててレジに並び会計を済ませてあとを追いかけた。

#小説 #短編 #可愛く

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