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アマテラス

あなたに出逢えたあの日のことを
私は今でも覚えている
まるで劇中劇のような
出来すぎた科白を喋って

紅葉の舞う空の下
あなたは心を掃き清めていた
誰よりも美しく
誰よりも哀しく

泥に咲く睡蓮の美しさを
私は初めて知った
あなたにとっては何でもない優しさが
私には必然に思えたから

拓け 拓け くらがり道を
胸に灯した炎を思い出して

まだ空が蒼く見えているうちに
もっと もっと 瞳をひらこう

あてもない虹を目指して
私たちは幾千の道を征く
いわば第六感と呼ばれる
微かな予感だけを信じて

若草の芽ぐむ夏の原
あなたは夢を生き還らせた
誰よりも鮮やかに
誰よりも靱やかに

淀に散る桜の花の復活を
私は初めて知った
あなたにとっては何でもないことわりが
私には奇跡に思えたから

拓け 拓け くらがり道を
天に轟く光を集めて

まだ空が蒼く見えているうちに
もっと もっと 瞳をひらこう

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