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いわゆる仕事観

心の隅で「私はこれがあまり得意ではないな(好きではないな)」と思いながら長いこと仕事をしている人は多い。好きや得意なんて変わっていくものだし、それでもやり続けるということに「尊さみ」が生じるのは事実だが、その状況をどれだけ正当化したところでその人にストレスを与え続けるので、結果的にそんな自分を正当化したまま状況自体を破壊する(ことで自身を解放する)ような人もいる。自分に「尊さみ」ではなくまっとうな尊厳を与えながら仕事をするのは大事だ。(2024.5.2)

公私混同という言葉が「生きるように働く」ことを妨げ、私(わたくし)を滅して仕事に殉ずることを命じている。(2023.12.4)

好きなことを仕事にするという言い方は解像度が低い。好きなことには嫌いなことや苦しいことが混じっていて、それも含めて引き受けてやれるかということでしかない。また、好きなことを一度選ばなかったからといって全部捨てたわけではない。本当に好きなことは人生の途中で再浮上してくる。(2022.11.11)

そんな仕事じゃ将来食っていけんわっていう大人が多いけど、生きようとする力があればなんとか食いつないでいけることのほうがずっとリアリティがある。なぜそっちを言わない?(2022.6.9)

仕事は情熱を傾けて魂込めて誰かに必要とされたくてやるんだけど、同時にこんなこと大したことじゃない自惚れるなという冷めたところがあったほうが結果的にいい仕事ができる。(2023.11.17)

シンプルに質を高めるという努力をいつの間にか諦めて、即席の効果をねらって見てくれの印象操作ばかりを乱発するようになり、いつまでも突破口は開けないままに運動が止まらなくなっているというビジネスモデルの多さ。(2024.4.23)

私の仕事はあくまで観察にとどまるのであとは好きにしてもらったらいいんです。他人にこうしてほしいとか基本ない。こうなってると小うるさく指摘するのみで。(2022.10.26)

日々の仕事について社会的意義を語り出すとどうしても虚飾が張り付いてくるので、目の前の現実に反応できる状態こそを保持したい。(2023.9.27)

ネットコミュニケーションにありがちな文脈を無視した否認や断罪が、実際のビジネス社会にも根を下ろしつつある。そこでは、現場-時間-個人 の中に極めて複雑な判断が交錯しているという「わかりにくさ」が見過ごされ、表面的な理屈だけで大事なことが踏み潰され、それが「正しいこと」とされている。(2023.11.8)

やりたいことが仕事になったが、「起業したい」と思ったことは一度もない。(2022.9.4)

生活のため、仕事のためと言いながら不本意なことを受け入れるのは仕方がないとして、それに対して居直るだけでなく、それを拡げて仲間を増やし多勢で正当化しようとするから世間はおかしくなるし、誰もそれをツッコめなくなる。一生その不本意さにうじうじとし続けたいのに、なかなかそうはならない。(2022.7.7)

人の言ってることをそのまま受け取って、その通りにやって、そしてなんとかお茶を濁す。そういう人と仕事をしないことが大事。(2023.9.16)

千葉雅也さんのサイゼのツイートに対する意見の中には、数字が効率化に寄与してるのに!というコメントが散見されたが、せっかく効率化した時間に新たな仕事がぶち込まれて全然楽にならないのが労働者の悲哀であって、コメントする人たちは、そういう労働者自らによる経営者目線の内面化がいかに彼らを奴隷労働に駆り立てるかがわかっていない。(2022.10.9)

とにかく人間の関係性に心をくだいて、その上でその先はあなた自分でやってねという仕事をしていると思う。でもだからといって自分自身が関係性ばかりに囚われているようではダメになることがわかる。(2023.3.21)

宅配の方が玄関から去って扉を閉めるときに、しばらく待って鍵を閉めるか、音がしないように鍵を閉める…鍵を閉める音が聞こえたら悲しくなるかもしれないから…という話をして驚かれたことがあるが、こういう神経が微細すぎる感じ(優しいと言わないでもらいたい)を仕事に生かすのは苦しい時がある。(2023.3.21)

いい仕事をしている人たちに共通点があるとすれば、いい仕事をしたいという自分自身の目的や意志以上に、外的な作用によって結果的にそうなった部分が自分の仕事を仕事たらしめていることに自覚的であることだ。(2022.12.15)

宗像誉支夫さんが私の本を「優しさの中にある狂気」と語ってくださったが、私自身にとっても相手の仕事の中に忍ばせられた狂気を感じるというのは大事というか、ほとんど不可欠な要素だと気づいた。仕事をしているとどうしてもある過剰さに向かっていくところがあり、そこにその人の仕事が自ずと現れる。その現われが面白い。私にとってバンタンが魅力的なのもアイドルの枠を超えてそういう過剰さとしての狂気が表出しているところだ。(2022.10.22)


生活工房で行われた「どう?就活」イベントの収録動画です。
「仕事」についてたくさんお話ししました。

私は普段「子供」「教育」「親子」のような枠組で話をする機会が多いのですが、本イベントでは西村佳哲さんのやわらかいナビゲーションによって、日ごろ私が具体的にどのような教室を運営し、子供たちとどのような関係づくりをしているか、その仕事をどう捉えているかについて、子どもたちの生の声も紹介しながらお話ししています。 他の方々(川内有緒さん、北川史織さん 、小川立夫さん)の記録も面白いものばかりですので、ぜひお時間あるときに楽しみにご覧ください。小見出しがついていて非常に見やすい設定になっていて、映像の質も高く、スタッフの皆さんが素晴らしいお仕事をなさっているからこその動画だと感じます。当日、会場に来てくださった皆様も改めてありがとうございました。(2024.4.20)


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