戸画美角

何でもは書けない、書けることだけ。最近は #ショートショートnote杯 。オチがスッキ…

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何でもは書けない、書けることだけ。最近は #ショートショートnote杯 。オチがスッキリしたショートショート・短編小説を書くことが多いです。 カクヨム: https://kakuyomu.jp/users/togabikaku

マガジン

  • 完走した人たち|ショートショートnote杯

    ショートショートnote杯で固定のお題である全10個を完走した人たちの感想記事。

  • 小説の感想・レビュー

    読了した小説の感想・レビューなどです。

  • 短編集

    短編小説・ショートショート。

  • 410字のショートショート

    #ショートショートnote杯 と同じく、410字以内で完成されたショートショート作品。

  • 私の小説の書き方など

    私が小説やショートショートをどのように書いているか、など。

最近の記事

  • 固定された記事

私の作品まとめ|ショートショートnote杯|戸画美角

#ショートショートnote杯 の応募作品のまとめです。 ◆ 決められたお題計10個のお題を完走済みです。 しゃべるピアノ 1億円の低カロリー 株式会社リストラ アナログバイリンガル 違法の冷蔵庫 数学ギョウザ コロコロ変わる名探偵 空飛ぶストレート 金持ちジュリエット 君に贈る火星の 1つの短編小説として編纂したバージョンもあります。お好みでどうぞです。 * ◆ 自由お題締切まで1週間というところで自由お題を書き始めました。 だんだん高くなるコップ 東と西のス

    • あとがき・雑記|ある山岳地帯での話

      著者による、あとがき・雑記です。 あとがきやはり私はあとがきというやつが好きなようで、最近はむしろあとがきを書きたいがために、本編を書いているのではないかという、一種の倒錯した状態に陥っている気がしなくもありませんが、それで何か問題があるのかと聞かれれば、実のところ何一つ困ってはおらず、むしろそれで創作意欲が掻き立てられるのであれば、それはむしろ望ましい状態ではないかという気もしてきており、これは世の作家も真似するべきではないかという、おそらくはおよそ現実と乖離した妄想が頭

      • 彼女がエスパーだったころ|感想・レビュー ★3.5

        読了したので感想です。 まえがき氏の作品は、 『超動く家にて』 『偶然の聖地』 『盤上の夜』 『エクソダス症候群』 『ヨハネスブルグの天使たち』 に続いて6冊目です。 氏の代表作とされるものは、だいたい読み終えた形になるでしょうか。 うち、後半の4冊についてはレビュー記事を書いています。 短くまとめるとスプーン曲げなどの疑似科学(超常現象)を題材にした、6編の短編から構成されるSF短編小説。 著者らしいアイディアや洞察・哲学がしっかりと含まれており、SF

        • ある山岳地帯での話|短編小説|5,272字

           立山黒部アルペンルート。  富山と長野を結ぶ、その山岳観光ルートは世界有数であり、外国人を含めて多くの観光客が訪れる。自然を満喫できる春から秋にかけてはもちろんのこと、自然がその姿を完全に隠す、冬の時期においても、バスの高さを超える雪の壁を眺めることができ、その圧倒的な景観は絶え間なく観光客を呼び寄せていた。  それは草木が眠りにつく準備を始めた、秋の頃だった。1年の中でもっとも多くの観光客が訪れるその季節は、登山客が熊に襲われる事故がもっとも多い時期でもある。  そ

        • 固定された記事

        私の作品まとめ|ショートショートnote杯|戸画美角

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        • 完走した人たち|ショートショートnote杯
          14本
        • 小説の感想・レビュー
          14本
        • 短編集
          13本
        • 410字のショートショート
          16本
        • 私の小説の書き方など
          14本
        • お題の一覧|#物語の欠片
          5本

        記事

          健康促進|ショートショート|935字

          ここは政府のとある一室。 溢れ出る正義感を隠そうともしない部下。そして、その上司。 「こんなことおかしいでしょう!」 「何がだ?」 「こんな一斉に喫煙所を撤去するのは愚策でしょう!」 あぁその話か、と涼しげに上司。 「吸う場所を失った喫煙者がどうしてるか知ってます? 路上喫煙ですよ、もちろん禁止された場所で。これでは分煙できていたときよりも望まない喫煙が増えてるじゃないですか!」 それに、と続ける。 「こうした結果として家庭内の喫煙も増えるでしょう……そうしたら家

          健康促進|ショートショート|935字

          鼻づまりがつらくても、市販の点鼻薬を絶対に使用すべきでないという話。

          市販の点鼻薬は、いわば痛み止めのようなもので、強制的に腫れを引かせるだけです。薬の効果が切れたら、また鼻づまりの症状に苦しみます。 症状が辛いから使ったわけですから、当然また使用します。 しかし、繰り返し使用すると、今度はその薬が原因で炎症が発生して鼻詰まり(薬剤性鼻炎)になります。 そうなった場合、点鼻薬の使用を中止することになりますが、それまで以上に鼻づまりがつらい状態で長期間過ごすことになります。 * 解決策最初から耳鼻科に通う。 * あなたは医者?最初に

          鼻づまりがつらくても、市販の点鼻薬を絶対に使用すべきでないという話。

          ヨハネスブルグの天使たち|感想・レビュー ★4.5

          宮内悠介氏の『ヨハネスブルグの天使たち』を読了したので感想です。 前回の『エクソダス症候群』と同様に、2回連続で通して読んでしまいました。 短くまとめると近未来を舞台にした、ディストピア・哲学色の強いSF短編連作集。 戦争や内戦・テロといった重いテーマが扱われており、また氏の作品の中でも難しい部類に入るため、氏の作品の入り口としてのハードルは高め。 しかし、意識・生き方・愛・社会・宗教など、哲学的に考えられる内容であり、考えさせられる作品が好きな方にはおすすめ。 ハ

          ヨハネスブルグの天使たち|感想・レビュー ★4.5

          エクソダス症候群|感想・レビュー ★4.5

          宮内悠介氏の『エクソダス症候群』を読了したので感想です。 短くまとめると精神病をメインテーマに扱ったSF作品。 ミステリ的な要素も含んでおり、精神病という重いテーマでありつつもエンタメ作品として完成している。 膨大な参考文献をもとにした文章は、専門用語などが多く難しい内容にもかかわらず、圧倒的に読みやすく、また著者の筆力の高さを再認識させられる。 重く、暗い内容でも問題ないという人には、是非とも読んでほしい1冊。 まえがき著者の作品は『超動く家にて』、『偶然の聖地』

          エクソダス症候群|感想・レビュー ★4.5

          盤上の夜|感想・レビュー ★4.0

          宮内悠介氏の『盤上の夜』を読了したので感想です。 短くまとめると囲碁・チェッカー・麻雀・将棋などのボードゲームの知識が無いと、十分に楽しめない側面もあるが、それでも読む価値がある短編集。 著者の圧倒的な筆力による文章は、純文学的な美しさも内包しており、読書好きには特におすすめしたい一冊。 まえがき著者の作品を読むのは『超動く家にて』、『偶然の聖地』に続いて3冊目です。 感想本作はボードゲームを題材とした6つの短編集からなる作品です。 盤上の夜(囲碁) 人間の王(チ

          盤上の夜|感想・レビュー ★4.0

          もしかしたら察している方も居るかもですが、最近は他の方の作品(記事)をほとんど読めていません。なので、面白くないからスキしていない、とかそういったわけではございませんので、ご安心(?)くださいませ。(これだけは真実を伝えたかった

          もしかしたら察している方も居るかもですが、最近は他の方の作品(記事)をほとんど読めていません。なので、面白くないからスキしていない、とかそういったわけではございませんので、ご安心(?)くださいませ。(これだけは真実を伝えたかった

          逡巡の二十秒と悔恨の二十年|感想・レビュー ★3.5

          読了したのは少し前なのですが感想です。 なお、以前の感想・レビューでも書いたように、私は小林泰三氏のファンです。 短くまとめると氏の持ち味がしっかり出ている、非常にバラエティに富んだホラー短編集。 過去作へのオマージュも含まれるので、そういった点もファンにとっては嬉しい収録。 氏の作品が好きなら買って損は無いと思うが、わりと刺激が強めな作品が多い(と思う)ので、氏の作品に読み慣れていない方は他の作品から入ったほうが無難。 概要本書は、小林泰三氏の作品のうち雑誌などに

          逡巡の二十秒と悔恨の二十年|感想・レビュー ★3.5

          恥ずかしがり屋の立方体 #3|#毎週ショートショートnote

          「さぁ皆様!とくとご覧あれ!」 男はそう言って、テーブルの上に伏せられた黒いコップを持ち上げた。 そこから現れたのは1つのダイス。弐の目を上にしている。 男はやれやれという表情でダイスに向かって声を掛ける。 「ここは壱になる場面だろ?」 男は生まれつきダイスと会話ができた。不思議なことだが。 「だって……」 「ん、なんだって?」 「恥ずかしい……から」 「そうか」 男はその感覚を理解することはできなかったが、その気持ちを理解することはできた。 「ねぇ、どうして

          恥ずかしがり屋の立方体 #3|#毎週ショートショートnote

          恥ずかしがり屋の立方体 #2|#毎週ショートショートnote

          私は暗闇の中で息を潜めてじっとしていた。 大丈夫……さすがにここまでは彼も入ってこないはず。私は不安を取り払うように自分にそう言い聞かせる。 ザッ、ザッ。 闇に飲まれた洞窟の空洞音に、誰かの足音と思わしき雑音が混ざり込む。 大丈夫……まだ離れている。ここまでは……来ないはず。 ザッ、ザッ。 しかし、その期待とは裏腹に足音は徐々に近づいてくる。 そしてついに、彼の姿を目に捉える―― その角張った体の人物は、使い込まれたであろう鈍い光を放つツルハシを手にしていた。

          恥ずかしがり屋の立方体 #2|#毎週ショートショートnote

          麻倉玲一は信頼できない語り手|感想・レビュー ★4.5|変化球だがエンタメ性が高いミステリ

          読了したので感想です。 * 短くまとめるとエンタメ性がとても高いミステリ。 人によっては続きがどんどん気になって一気読みしてしまうはず。『硝子の塔の殺人』や『悪の教典』などが気にいる人は合うと思う。 帯に書かれた紀伊国屋書店員さんの一言が良い。 * ”信頼できない語り手”私は太田忠司氏の作品を読むのは初めてでした。 Web上のミステリまとめ記事か何かで本作を知り、タイトルに含まれる”信頼できない語り手”という文言に非常に惹かれて気になっていました。 ミステリが

          麻倉玲一は信頼できない語り手|感想・レビュー ★4.5|変化球だがエンタメ性が高いミステリ

          天体の回転について|感想・レビュー ★4.0|小林泰三氏らしい短編ハードSF

          小林泰三氏のSF短編小説『天体の回転について』を読了したので、かんたんに感想・レビューです。 * 短くまとめると表紙で躊躇してしまう(人も多いと思う)が、氏の持ち味がしっかり出たハードSF短編小説。小林泰三氏の作品が好きなら買って損はないはず(エロ・グロ要素も少なめ)。 同じく氏のSF短編小説である『海を見る人』よりも”ライト”な仕上がりなので、SFに慣れていない人はこちらのほうが読みやすいかも? * 私の小説に最も影響を与えている作家最初に断っておきますと、私は小

          天体の回転について|感想・レビュー ★4.0|小林泰三氏らしい短編ハードSF

          恥ずかしがり屋の立方体|#毎週ショートショートnote

          壱の目が赤い理由である。 あとがきおいおいnoteは初めてか? こんなネタ記事でイチイチ顔を真赤にして怒るなって。こっちが恥ずかしくなっちまうよ。 その立方体のように硬い頭をすこし柔らかくすることを勧めるぜ? ん、これは生まれつきだって? そいつは悪かったな……いやいや、そんな目で見るなよ。 物事の一面しか見ないのは俺の悪い癖だ。謝るよ。 P.S.あとがきが本編。 Special Thanks!たらはかにさんの企画に参加させて頂きました。 前回書いたやつ追記

          恥ずかしがり屋の立方体|#毎週ショートショートnote