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国際電話番号を使った特殊詐欺が急増中!その理由は?

「スマホに突然、+(プラス)から始まる電話番号から着信があった」
「着信履歴に、身に覚えのないアメリカの電話番号が残っていた」
昨今、このような不審な国際電話に関する声が多く上がっています。実はいま、国際電話番号を使用した特殊詐欺が増えているのです。
国際電話番号を悪用した特殊詐欺について、最近の傾向や手口をご紹介します。被害にあわないために、対策をチェックしましょう。


不審な国際電話が急増!

みなさんはスマホに突然、+(プラス)から始まる番号から電話がかかってきた経験はありますか?

国際電話の発着信時には、電話番号の先頭に「+」とそれぞれの「国番号」が付きます。例えば、アメリカやカナダなどの北米の地域は「+1」、中国は「+86」となります。海外から日本国内に電話をかける場合は、日本の国番号である「+81」をつけた番号になります。

昨今、SNSなどで、「突然、国際電話の着信があった」「身に覚えのない外国からの電話が多い」など、困惑の声が多く上がっています。なぜこのような事象が頻発しているのでしょうか。

特殊詐欺の利用番号に変化、トレンドは国際電話?

特殊詐欺に悪用される番号は、常に変化しています。詐欺グループは大量の電話番号を取得し、捜査の足がつかないよう番号を使い捨てながら詐欺を行っています。

トビラシステムズ社の調査によると、従来は固定電話番号が詐欺に多く利用されていました。しかし、2022年下半期から「050」で始まるIP電話番号の利用が目立ち始めます。「050」で始まるIP電話自体は、会社の代表電話などビジネスシーンでも広く使用されている電話番号で、それ自体は悪いものではありません。しかし、固定電話よりも安価に利用できることや、契約時に本人確認義務がないことを逆手に取り、特殊詐欺の犯行に悪用され始めました。

そんな中、2023年6月に政府が「050」で始まるIP電話番号の契約時に本人確認を義務化する方針を明らかにしました。この影響からか、トビラシステムズ社の調査では、2023年6月以降、「050」で始まるIP電話番号に代わり、国際電話番号を利用した特殊詐欺が急増する動きがみられています。詐欺グループが国際電話番号を簡単に取得できる様々なサービスを使って、国内から詐欺を行っている可能性も考えられています。

詐欺の手口に加え、詐欺を行う手段やツールも常に変化しているのです。

(図)トビラシステムズの調査で、その月に新たに確認された迷惑電話番号の種別割合

国際電話を使った詐欺事例3選

国際電話を使った詐欺にはどのような事例があるか、チェックしていきましょう。

未納料金を請求する自動音声アナウンス

電話に出ると、大手企業などを装い「ご利用のサービスで未納料金があります。オペレーターにつなぐ場合は1を押してください」などの自動音声アナウンスが流れるケースが散見されています。実際には発生していない未納料金を支払わせようとする「架空料金請求詐欺」で、オペレーターにつないでしまうとお金をだまし取られる危険があります。

 国際ワン切り詐欺

一瞬発信してすぐに切断するいわゆる「ワン切り」を着信履歴に残し、折り返し電話を狙う不審な国際電話が継続的に発生しています。この「国際ワン切り詐欺」の電話に折り返してしまうと、自動音声を聞かせて通話時間を引き延ばすなどして高額な通話料金が発生し、その料金の一部が詐欺グループに渡ってしまう恐れがあります。着信履歴に残っていても折り返し電話をかけてはいけません。

サポート詐欺

「サポート詐欺」は、インターネット閲覧中に「ウイルスが検出されました」などと偽の警告表示をし、表示された偽のサポート番号に電話をかけるよう誘導します。偽のサポート番号に電話をかけると、偽のオペレーターが「パソコンを遠隔操作して修理する」などと言い、サポートするふりをして、実際には発生していないサポート料金をだまし取ろうとします。

最近はサポート詐欺で、国際電話番号を利用した手口がみられています。偽のサポート番号に「010(日本から国際電話をかける際に利用する国際プレフィックス)」で始まる電話番号が使われている場合があります。フリーダイヤルのように見えるようカモフラージュされている場合もあり、被害者が国際電話と気づかずに電話をかけてしまう可能性があります。

特殊詐欺電話の対策は?

国際電話番号を悪用した特殊詐欺が増えています。被害にあわないためにしっかりと対策を行いましょう。

不審な電話に出ない

身に覚えのない国際電話を含め、知らない相手からの電話には出ないようにしましょう。自宅の固定電話では迷惑電話対策機器を活用して迷惑電話を自動でブロックしたり、留守番電話機能で相手を確認してから電話に出たりするなど心がけてください。自動音声ガイダンスやアンケートを装う不審電話も増えているので、応答しないようにしましょう。

知らない番号に電話をかけない

身に覚えのない国際電話には出ないことに加え、着信履歴に知らない国際電話番号の着信が残っていた場合も折り返し電話をかけないでください。

パソコンなどで偽警告が表示される「サポート詐欺」も増加しています。警告画面にサポート窓口の電話番号が表示されても電話しないでください。ブラウザを閉じる、パソコンを再起動するなどの対処をすれば、問題はありません。

危険や不安を感じたら相談を

「不審な電話に応答してしまった」「対処法がわからない」など、危険や不安を感じた場合は、警察相談専用電話(#9110)消費者ホットライン(188)などの相談窓口が利用できます。

迷惑電話対策アプリで不審な電話を撃退

スマホの防犯アプリ「トビラフォンモバイル」は、トビラシステムズ社の独自データベースをもとに、不審な国際電話の警告ができます。Android版では、アプリ設定画面で国際電話の着信を拒否する設定ができ、国際電話をまとめてブロックできます。着信時だけでなく、発信時にも警告表示をするので、誤って不審な番号に電話をかけるのを防ぎます。

迷惑SMSも自動で検知し、警告表示(Android)や迷惑フォルダ振り分け(iPhone)をするので安心。フィッシング詐欺や架空料金請求詐欺の対策に有効です。

さらに、トビラシステムズのデータベースを用いた迷惑情報フィルタアプリは、携帯キャリア各社からも提供されています。利用する携帯キャリアや、加入しているキャリアのオプションパックに合ったサービスを活用するのも効果的です。

犯罪やトラブルに巻き込まれないために、スマホの迷惑電話・SMS対策を活用しましょう!

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