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天空の城ラピュタから学んだこと

6月26日から全国300館以上の映画館でジブリ作品がリバイバル上映されます。

上映されるのは以下の4作品。

・風の谷のナウシカ
・もののけ姫
・千と千尋の神隠し
・ゲド戦記

映画館が危機である

このニュースを知った時に思ったのは、映画館が末期状態なくらいヤバいということ。そのために普段、映画館に足を運ばない人に足を運んでもらうための手段として、ジブリ映画を頼ったということ。

僕は多い時は年に50回は映画館に足を運ぶ映画好きです。今回のコロナの影響で、映画館は本当にスカスカで、これ以上今のような状態が続くと、全国の映画館はすべて閉店しまうくらいの危機です。

ガンで言うところのステージ3です。もうすでに3.5くらいのステージに到達していると推測。手遅れになる所まできてしまっていると思うので、ぜひとも映画館に足を運んでもらいたいというのが、僕の願いです。

映画館はコロナ対策もきちんとしていますよ。

マスク未着要の方は入場出来ませんし、上映前には検温も行っていますし、消毒も徹底、席はソーシャルディスタンスを守って1席空けるように徹底されています。

金曜ロードショー人気No.1

さてさて

金曜ロードショーでジブリ映画が放送されるとついつい観ちゃいますよね?

ジブリの魅力や中毒性は本当に何なんでしょうかね?

そんな中、金曜ロードショーで1番人気のあるジブリ作品は何だと思いますか?

もののけ姫?
千と千尋の神隠し?

いえいえ違います。
『天空の城ラピュタ』なんです。

『天空の城ラピュタ』は1986年公開で、金曜ロードショーで19回も放送されている人気コンテンツ。毎回確実に視聴率を取ってくれるので重宝されています。

『ラピュタ』は興業収入が11億と決して大ヒットしたわけではありません。

もちろん、【興業収入=みんなが好きな作品】という図式が当てはまらないのは承知ですし、『魔女の宅急便』で宮崎駿がブレイクする前の作品だったってのもあると思いますが、なぜ『ラピュタ』はこんなに人気があるのでしょうか?

バルスというパワーワード

『ラピュタ』の人気を支える絶対的要因は間違いなくバルスです。バルスとはラピュタ崩壊の呪文のことです。

物語終盤に主人公であるパズーとシータがバルスを唱えるシーンがあるのですが、そのシーンとインターネットの相性が最強なんですよね。

古くは2ちゃんねる。現在はTwitterと、バルスを唱えるシーンになるとタイムラインがバルス祭りになります。

過去にこのバルスが、Twitterでの最高瞬間つぶやき数を達成したとかしないとか。通信障害が起こるほどです。

『ラピュタ』は観たことない、よく知らないけれど、バルスのことは知っている人(意味はわからないけど)は多いと思います。

余白とツッコミ所が設計されている

ラピュタってついつい言いたくなるワードや、ツッコミ所が多い作品なんですよね。それが人気を支えている要因なのかと。

例えばドーラおばさんが言う「40秒で支度しな!」とか、ムスカ大佐が言う「3分間待ってやる」とか「人がゴミのようだ!」とか、ついついネタとして使いたくなってしまうんですよね。

またムスカ大佐はネタキャラとしても有名で、インターネット内にはムスカ大佐をコラージュした画像や動画が溢れています。

こういった余白が『ラピュタ』の人気を押し上げていったのではないかと思います。

応援される余白作り

こうした点を踏まえた上で僕が思ったのは、作品のクオリティはもちろん大事。大事なんだけど、良い意味で完成されていない、隙がある作品というのはSNS時代には強いということ。

これは人にも当てはまることで、完璧な人よりもどこか欠陥だったり、隙があったり、可愛げがある人のほうが余白があって愛されたりしますからね。

僕らはどうしてもクオリティを求めて、クオリティを上げることで結果が出ると信じていますが、そういった完璧さはこれからテクノロジーが補完してくれます。不器用でカッコ悪くても良いので、自分という人間、人間味を出していくことが大事だと思っています(←僕の大課題でもある)

AKB人気の肝もここですからね!

『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』もクオリティとしては超超超すごい作品なんだけど、アナログで親しみやすさがある『ラピュタ』には敵わないということなんだと思います。

そんなことを金曜ロードショーのラピュタ人気を通して思ったわけです。

2020/06/19

飛田将行 とびたまさゆき

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