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#95.雑談 【塾話】読書感想文を書いてみた

皆さん、こんにちは。トビタです。

今月19日に発売された本「名門公立高校受験道場流 自学力の育て方 受験突破だけで終わらないために」を読んだので、その感想を書きたいと思います。

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概要

Amazonの商品紹介文を見ると、「自学力=自ら目標を立て、学ぶ力があれば受験でも人生でも成功する!」とありました。公開されている目次としては以下の通りです。

【CHAPTER1 自学力と親子関係 】
不変の学力である「自学力」を育てよう!
自学力で受験もラクラク突破
飛躍力の身につけ方
自学のできる子・できない子とその親
親子コーチング
親子で回す「PDCAサイクル」
待てる親が伸ばす学力
反抗期の子供との付き合い方
我が子は25年後に幸せな人生を送れているのか?
婚活のいま
【CHAPTER2 自学力とテスト勉強】
くにたて式テスト勉強
記憶のメカニズム
自学力向上のための文房具
正しい一夜漬けのしかた
1日5分のメンタルトレーニング
【CHAPTER3 自学力と好奇心】
親子で育てる知的好奇心の芽
好奇心の水やり
リケジョ育成
博物館・美術館・水族館・映画館で体験経験値を
【CHAPTER4 自学力と学習法】
自学できる子に育てるワザ
早めに構築すべき科目別・自学力のベース(五科目分)
「答えのない問い」に向き合うための自学の力
正しく理解することが自学力を高める
燃え尽きない学習法のコツ
【CHAPTER5 自学力と名門公立高校受験】
名門公立高校にチャレンジする価値
本番に強くなる
名門公立高校に通わせるメリットを最大限に活かす!
自学力がある子ほど号令をしっかりする

ざっくり言えば、保護者はぐっと堪えて、長い目で我が子を見守るという姿勢が大事という趣旨のものでした。それが子どもの「自学力」を高め、ひいては受験やその後の人生でも成功する力を育むことになると。自学力の定義とその育て方、各科目の勉強法、日常的な接し方から子どもの将来についてまで、全国の個人塾長たちが各々の考えを紹介してくれています。

残念な点

残念な点としては、とにかく読みにくかったことが挙げられます。なぜ読みにくいと感じたのか、原因は大きく2つあると考えています。

1つ目は自学力の定義や考え方があいまいな点。名門公立高校受験道場が書いているわけですから、基本的には中学生の保護者が読むと思うんですね。現に前半でテスト勉強の話が出てくるので、そういう想定だと思われても仕方がありません。ただ後半に差し掛かると「中学生になるまでに集中力と抽象化力が備わっていないと、自学なんて夢のまた夢になってしまいますのでご注意ください」という記述がありました。中学生の保護者が読んだら「え、ここまで読んでそれ言われるの?じゃあうちの子中学生だからもう手遅れなの?」と思ってしまうかなと。書き手同士で意見の擦り合わせや構成に関しての話し合いが十分になされていれば、この点は解決できたかなと思います。

2つ目は筆者・タイトルと内容の距離感がありすぎる点。「名門公立高校受験道場」「自学力」という言葉から期待される内容って何なんでしょうね。これは私にもはっきりとわかりませんが、まさか婚活の話につながるなんて思いもしないでしょう。唐突なおすすめ文房具コーナーとか。正直、一体私は何を読まされてるんだと飽き飽きしました。めちゃくちゃどうでもいいなと。ページの合間に置くコラムとかならまだしも、自学力というテーマでここまでページを割く理由がわかりませんでした(真面目に読んだ感想なので許してくださいね)

まとめるとこうです。

・各々が好き勝手に「こうした方がいいよ!」を連発していると感じる
・突拍子もない話が連続しているという印象を受ける

一言でいうと、読者(保護者)目線ではないなと。私もnoteを書いているので、この辺大変難しいというのは重々承知です。ただ期待していただけに残念でした。どこからでも読んでよくて、好き勝手に参考にしたい部分を参考にしてねという作りなのかもしれないですが、それが読者に十分伝わった状態で読み進めてもらえるかというと怪しい。また唐突な印象を受けるのは、それぞれが書いた内容をそのまま繋ぎ合わせているからかもしれません。それは良いところでもあると思うのですが、今回は悪いところのほうが目立ってしまったかなと。これは書いた人たちというより、チェックしたであろう出版社の見る目を疑います。

良かった点

良かった点は後半の内容です。特に4章の各科目の勉強法について。あまり書くとネタバレになってしまうので、詳しくはここに書きません。ただ何冊か類書を持っていますが、それらのどれよりも説得力がありました。その道の職人というだけあって、気合いを感じたからでしょうか。特にお坊さん(略)が書いた社会編は大変勉強になりました。他科目もハズレはないと思います。私はこの部分に1,540 円払ったと思うことにしています。でももっと詳しく話を聞きたいなってところが多々ありました。多分本当はもっと具体的に書きたいけど、ページの都合上省かざるを得なかったところがあるのでしょう。それか企業秘密ですかね。

前半の内容が総じて酷く、後半の内容が総じて良かったです。だから2冊に分けてそれぞれブラッシュアップして出してくれたら丁度良かったかなぁと思いました。もしくはある程度書き手の人数を絞るとか。そうすればもう少しまとまりが出て読みにくさも改善されたかなと。

最後に

この本を読んでみたうえで、またその内容になぞらえたうえで、どんな人なら読んで得られるものがあるか考えてみました。

・地域トップの公立高校を見据える小学生の保護者
・勉強において子どもとの関係が良好な保護者
・普段の勉強の様子を一緒に振り返るなど、ある程度勉強のことがわかる保護者
・子どもと一緒に図書館や水族館などに行ってあげられるだけの時間がある保護者

でも上記全部を満たす家庭はなかなかないと思うので、1つでも当てはまったら読んでみて、使えそうなところを使うというスタンスでいた方がいいでしょう。個人的には面白さよりも読みにくさが勝ってしまったので、おすすめ度は5点満点中2点です。勉強になるところはありましたし、何より読みやすい文章とはどういうものだろうと考える良いきっかけになったと思っています。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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余談

ここからはもう少し読みたい方だけどうぞ。暇つぶしに。

本の中で、親と子どもの関わり方について記載がありました。塾講師という立場で私なりに発信していたアドバイスを、2つのテーマで紹介したいと思います。お題はこちら。

①口うるさく言ってしまう親
②ぎこちない親子関係

気になる方だけどうぞ。

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