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ゴールに向かう私を、最初に想像してくれたのは、あなた。

「やっべ!俺としたことが、うっかり存在感無くすとこだったぜ、よっしゃ、もいっちょ俺らしさ、出してこーぜ!」

…いいよ、もういいよお前、空気読めよ…。


2022年、始まったばかりだというのに、広島にはまん延防止等重点措置が適用された。
略して「まん防」何回聞いても可愛い響きだなオイ…!!
しかし、響きに反して、内容はシリアス。

さて。
そう言ったわけで、今1番困っているのは。

広島の文学フリマはちゃんとやる…?

年末に、ようやく意志を固めて挑んでいるというのに、どういうことだ。

いや、どうもこうもない。
コロナが出てからというもの、こういう場面には何度もぶち当たった。
そう、その度、折り合いをつけては「やむなし!」そう言い聞かせてきた。
なんなら、「中止」「延期」「次を楽しみに」にいちいちショックを受けなくなってきたし、「十分に対策をして決行」の場合も、対策をする方々の大変な労力も見てきた。

なので、私の心は割と落ち着いている。

そう、私の心の文フリは、もう、始まっているのだ。

それは川下りをする舟さながら、もはやスタート地点に戻る方が労力がいる。
流れに乗って、ゴールに辿り着くまでの景色を堪能したほうが、よっぽど楽しい。

そして、私には、強力な船頭さんがついている。
その名は、言わずもがな、つる・るるるさん。


そう。あの時。

文フリに出てみたい。本を作ってみたい。
その気持ちと同時に湧き上がる、誰がそんな本に興味を持つんだ、恥をかくだけだ、という不安。
いや、恥をかいたっていいじゃないか。
でも金もかかるぜ?
なぜ本を作りたい?
じゃあ、諦める理由は?

脳内で、あらゆる人格の私が、意見を言っては消えていく。
正直、吐きそうだった。
「うるさいよ君たち」
私は、私の言葉を抑えるのに必死で、結局結論が出せずにいた。

誰かに相談したい。

だけど、この手のことを相談されたとして、私だったら、多分
「え、頑張りなよ!大丈夫だよ!」と言ってしまう。
それは、嘘ではない。
やりたいと思うことをやる。
自分が好きな人にはそうあって欲しい。

だから、きっと、私の好きな誰かに相談しても、答えは明確なのだ。
「やってみなよ」そういう答えが返ってくるに違いない。

多分、私が相談したいのは、本を出したことがある人。
この先、あと何人の自分が騒ぎ出すのか、本を作る時、何があったら良かったのか教えてくれる人。もしくは、圧倒的に何かが足りなければ、まだ本は作らない方がいいといってくれる人。

私は、つるさんの文庫本『春夏秋冬、ビール日和』をパラパラとめくりながら悩んでいた。

そう、彼女のように、文フリに出店します!と、気持ちよく言ってみたい。
彼女のような、心躍る本を作ってみたい。


彼女に相談したいな。
だけど、note上でちょっと仲良くしてもらっているからといって、意外に重めな私の相談、急に押しつけていいもんなの…?距離感、間違ってないかしら…。

そして、パラパラめくっていた最終ページ。
『連絡先』
そこだけ妙に浮き出て見えた。
ああ、これ、つるさんのメールアドレスだ。

文フリ、締切前日だった。
「背中を押して。もしくは止めて」
そのようなことを書いて、意を決して送信ボタンを押した。

すぐに返ってきた、彼女の返事のひとこと目は。

「出店、おめでとうございますー!」


まさかだった。

「がんばれ」でもない。
「出来ますよ」でもない。
「そうなんですね」でもない。

「おめでとうございます!」
それは、悩みに悩んでいた私の不安を、一瞬で吹き飛ばしてしまう鮮烈なひと言。

まだ、文フリに出るかどうか、本になるものかどうか、何もかも決めかねているのに、彼女はすでに、私がゴール側にいる体でメールをくれたのだ。

もう、ウダウダ悩む自分が、一瞬で馬鹿らしくなってしまった。
つるさんの中で、私はちゃんと走ってる!
その安堵感といったらなかった。

それで私は、翌日を待たずに、すぐに、文学フリマに支払いを済ませて、登録を完了することが出来た。
私の「はじめの一歩」だった。


それからは、noteに書き溜めたものをWordに貼り付けていって、なんとなく文章を整えたり段落を直したり。おやおや、こんな感じで行けちゃうもん?

するとつるさんから連絡が来た。
「私でよければ添削しますよ!」

え、マジですか?甘えますよ?

すると、出る出る、誤字脱字。
てにをはのチェック。
文章の微妙なニュアンスの相談。
「!」マークの後の空白や、英語の縦横表記の違い。

おおおお…ひ、1人じゃなくてよかった…!
危なかった。
本当に恥を晒すとこだった…!

今、まさにこの辺に立ってます。
つるさんに、何度もチェックしていただいては、直す作業。
つるさん、仕事もあるのに、実に丁寧に私の作品と付き合ってくれて、もう拝むしかない。

こうなったら、つるさんに直にお会いして、全力で彼女に尽くそう!!
まずは、酒だ。ビール日和書くぐらいだからな、とにかく酒だ。あとは…ぬか漬け…?
いや、もてなし方が、「田舎に泊まろう」じゃないか!

などと、日々勝手にウキウキして過ごしている。


そう、だから。
文フリが中止になったとて、私はゴールを目指す。
つるさんがあの日、ゴールテープを切った私を想像してくれたのならば、私は、どんな形であれ、ゴールに向かう。
それが、私の鶴へ恩返しだ。
そして、きっとつるさんにお会いして、感謝の気持ちを直接伝えたい。


というわけで、もし、中止になってしまっても、本は作ります。
まだ出来上がってもいないので、詳細は後ほどですが、ゴールまでどうか応援してください。
手にとっていただけたら、こんなに嬉しいことはございません!


いずれ、出来上がるまでのすったもんだも書きたいです。

そして、私もいつか、誰かのつるさんになれたらいいな(添削能力はない)。
そんなことを思いながら、今、日々進んでいる、2022年、コロナ禍の1月。
文フリまで、あと33日。

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