リスタート 《企画》#夜行バスに乗って
この町を出ようと思ったのは3日前だった。
出てどう生きていくのかはよくわからなかった。そもそも計画するってことに慣れていない。
だけど、コイツがあれば、きっと大丈夫だと思えた。
男がソレを拾ったのは3日前だった。
高速サービスエリアでゴミを収集していた時だ。
『家庭ゴミを入れないでください』
どれほど張り紙が貼られようと、ゴミは溢れかえっている。袋を持ち上げた拍子に、何かの液体が跳ねて作業服に飛んだ。いつものことだ。
表情を変えぬまま、男は次のゴミ箱の袋を引っ張りだす。
ゴ