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白菜の黒い斑点は食べても大丈夫?

白菜の黒い斑点のようなものは… ポリフェノールです!

 ネットで検索するとこういった説明が次々と出てきます。
 この話は大変複雑な話になっています。
 結論から言うと、こちらを食べて安全だという事は証明されていないのではないかと思います。つまり食べて良いかどうか今一度考える必要があるかと思います。
 
 話が複雑な原因はポリフェノールという言葉で浄化されてしまっているからですが、健康食品のCMでよく引用されるポリフェノールという化合物は何種類もあると思いますが、そのすべてが良いものなのでしょうか? ここで印象を操作されていないか疑う必要があると思います。
 
 また、ワインなどのポリフェノールと白菜の黒い斑点は同じものなのでしょうか? 同じなら色見が紫色、または濃い紫色でないのはおかしいのではないでしょうか? 仮に何らかの理由で色見が異なるとしてその理由は何でしょうか?

このような言説が広まる動機は何か

 説明するまでもありませんが、野菜の出荷に関わる人が見た目で野菜に病気などの悪いイメージを持たれることに対する処置をしているのだと思います。
 それ以外の動機が思いつきません。
 
 消費者は過剰にえり好みしますし、些細な瑕疵も見落とさず実害以上に忌避しがちなので、このようなアナウンスをする事に意味はあると思います。
 
 しかし、仮にこのようなアナウンスを100%真に受けてむしろ良い事だ、と警戒感のない捉え方をしてしまったらどうでしょうか。冒頭に書きましたが、安全である事は証明されていないと思います。
 
 それ以前にこの黒い斑点が何であるか、どういった有機物の集合なのか正確に分類されていないのではないかと思います。対象が明確になっていないのに安全とか体に良いとは言えませんよね。

黒い斑点はどのようにして生じたか

 当然の事ですが、白菜が完全に健全な状態なら、このような斑点は発生しないと思われます。よくある説明では白菜の細胞にストレスがかかり細胞壁が変色した結果ではないか、という事です。原因は肥料のやり過ぎであるとか、気温差などの外的要因などがあると思いますが、変質したものであるという事が一点。
 
 色がついているのでポリフェノール類の合成と推測されていますが、色が暗いのが気にかかります。組織内に充填されたものでなく、変質して残っているという印象の暗さです。本来の構造が壊れた結果、活動不良・停止になっている組織の可能性はないのでしょうか? 味が良いという話も聞きませんし、白菜は苦味に気づきにくい野菜です。個人的には、クロロゲン酸類似の未分類のものかもしれません。
 
 健康食品でよく取り上げられるフラバノールやアントシアニンといった高度なポリフェノールではないのはほぼ確実かと思います。
 
 ポリフェノールとはベンゼン環に水酸基が結合した化合物の事を言います。タンニンなどもポリフェノールです。この基本構造さえあればすべてポリフェノール類と呼べてしまう訳ですが、バリエーションが多い上に、その中に人体に有効なものがあるというだけで、ポリフェノールなら何でも体にいいとは言えないと思います。
 
 特に未分化なポリフェノールは完全に未知の存在で、毒性そのほかの性質も明らかになっていないのではないでしょうか?

 参考:ポリフェノールパラドックス生体利用性と機能性の矛盾

食材は下ごしらえが必要

 ポリフェノールという言葉が材料の気になる点を浄化してしまう事で新たに発生する問題もあります。

 おかしいな?と感じる部分にも無感覚になることです。

 悪い部分・美味しくない部分を取り除く手間をはしょってしまうことになりますが、これは料理の必要な手順なのです。

 疑心暗鬼になりすぎるのもどうかと思いますが、食品売り場に並んでいるから安全、と決めつけるのも危険があると思います。

 このような斑点に見えるもの、はゴミや虫の排泄物・土の粒子であったりする場合があり、それらは洗い落とせますが、ポリフェノールだから大丈夫などと思っていたらよく見ずそのまま食べてしまうのではないでしょうか。

まとめ

・白菜の黒い斑点は分類が不明確で、体に良い・もしくは安全と証明されていないと思われる

・ポリフェノール属には種類が多く、何でも体に良いという単純な話にはならない。

・見た目に異常を感じる部位はそぎ取るなどして取り除く事も考えて調理する方が無難。それは料理の下ごしらえの一部です。

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