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#19 【NFT好転の中考える】「撤退ルール」なき挑戦は大ケガを負う。

国内のNFT市況が好転してきました。多くのプロジェクトのフロア価格が上がっていますね。

フロア価格とは最安価格のことで、”これぐらいのお金を出さないと、その銘柄を購入できないよ”という指標です。

僕らのプロジェクト『ZUTTO MAMORU"』にも影響が見られ、数点のお迎えがありました(感謝!)。こういう”いい波”には乗りたいです。

壮大なビジョンの裏で

今回は足元を見つめることも大事だよね、ってハナシです。「撤退ルール」設定の重要性についてです。つまり、特定の期限までに目標の数字が達成されなかった場合や、価格がある程度下落した場合にはプロジェクトをクローズする、といった明確なラインを引くことが大切だと考えています。

これはNFTプロジェクトに限った話ではないものの、NFTプロジェクトは低コストで運営できる側面がある(平たくいえばデジタル画像を販売するだけでできる)ため、この点は特に重要です。

NFTの世界は、夢の世界です。妄想が拡がります。例えば、「自分が死んだ後も生き残るキャラクターを作る」、「メタバースでランドを作る」といった壮大なビジョンを持っています。

僕らのプロジェクト "ZUTTO MAMORU" では、「mamoruさんの作品・世界観を拡める」というビジョンを掲げていて、アイテムに関しては「一家に一まもる」というコンセプトで、mamoruさんの作品が日常に溶け込む姿を思い描いています。

撤退ルール

見上げれば、雲のようにフワフワした大きな夢を描くことができます。しかし当然のこと、全ての人が夢に到達できるわけではなく、多くのプロジェクトは途中で倒れます。

ドライな現実で、万人が成功するわけじゃないですからね…。しかし、「撤退ルール」を明確に定めておくことで、失敗を受け入れ、その傷も浅く済ませることができ、NFTの世界に限らず再チャレンジも可能となります。

たとえば、「ここまでの数字に達していなければ終了」といった明確な基準を設けておくことは重要だと考えています。僕らの『ZUTTO MAMORU』はどうしましょうか?笑。

たとえば、1カ月間、約定(取引)がなかった場合や、フロア価格が0.002ETH(販売価格の約1/10)まで落ちた場合は撤退ラインと考えるかもしれません。

1カ月も約定がないとか、そこまでフロアが落ちるってなると、おそらく原因は、ファウンダーの僕の気持ちが切れてるとか、熱が冷めちゃってる状態だと思います。

活動と開発を継続していれば、1カ月間誰にも買ってもらえない状況は起きないはず。そういう状況に陥った場合は”撤退ライン”と考えるのが妥当かと思います。

大企業でも採用されるルール

多くの企業がこの「撤退ルール」を設定しており、その代表例としてサイバーエージェントが挙げられます。サイバーエージェントはインターネット事業を展開する大企業で、社内の起業プログラムも活発のようです。この企業では「上場廃止ルール」が設定されていると。

この点については「クラウゼヴィッツの『戦争論』に学ぶビジネスの戦略」という本を読んで知りました。この本では、クラウゼヴィッツの『戦争論』に基づいて、様々な企業の戦略や取り組みが紹介されており、サイバーエージェントの事例も取り上げられています。

サイバーエージェント内で社内ベンチャーが立ち上がった際に、「リリース後4カ月経過した時点でコミュニティなら月間300万PV、ゲームならば月間1000万円を超えなければ撤退を検討する」というルールを定めているとのことです。

大手企業でありながらも成果が出なければプロジェクトを終了するという明確な基準を設けていることを示していて、リリース後わずか4カ月という期間は、チャレンジを試みる人にとっては、とてもタフな目標だなと感じました。

クラウゼヴィッツ『戦争論』:19世紀初頭のプロイセンの軍事思想家カール・フォン・クラウゼヴィッツによって著された、戦略学の基本的なテキストです。この著作では、戦争の本質と目的、戦略と戦術の違い、政治と戦争の関係などが詳細に論じられています。クラウゼヴィッツは戦争を「政治の延長」と定義し、その実施において理論と実務のバランスの重要性を強調しています。『戦争論』は、軍事学だけでなく、ビジネス戦略やリーダーシップにおいても参照される重要な文献となっています。

”期限”の設定も必要

NFTプロジェクトは”時代待ち”の側面があり、その目標が壮大で時間がかかるのは一種のコンセンサス(共通認識)といえるでしょう。

しかし、その時間にも上限を設けないと、失敗時のケガが大きくなります。『ZUTTO MAMORU』は6年間のロードマップを掲げており、最後は”お墓に入る”シュールなエンディングも用意しています。

ピークはプロジェクトローンチから3年後の”結婚ステージ”です。ここで『ZUTTO MAMORU』が描くストーリーのクライマックスを明確にイメージしています。

『ZUTTO MAMORU』のキャラクター・まもちゃんは現在小学生で、次は高校生、その次は社会人、そしてホルダーさんと結婚する(設定の)ステージを迎えます。

その3年後、結婚ステージを迎える際に『ZUTTO MAMORU』がある程度のブランドになっていなければ「失敗」と考えざるをえない状況となります。

失敗を受容する

そこまでやって芽が出ていないと、おそらく資金的にも体力が続いていないでしょう。いろんな尺度から見て、都度都度の判断はマストでやっていかないといけない。失敗するんですよね、普通は笑。

忘れがちです。”成功を信じる”ってもちろん大事だし、そこがなければ話にならないですけど、同時に「失敗もする」ことをちゃんと受容する部分がないといけない。

ズルズルいっちゃうし、深追いして再起不能な大ケガを追うこともあるでしょう。失敗を織り込んだチャレンジが大切かなと思います。

Amazonでも、こんなに事業潰しているんですねー。
参考までに👀

「クラウゼヴィッツの『戦争論』に学ぶビジネスの戦略」より

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