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都知事の仕事術~ホワイトボード活用編~

こんにちは、都知事です。
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

また、先日発生した能登半島地震に被災されました皆様には、心からお見舞いを申し上げますとともに、災害救助に尽力されている政府、消防、警察、自衛隊、医療機関、その他インフラ等、全ての方々へ感謝致します。

今回の大地震により、津波の発生も危惧され、既に多くの被害が出ておりますが、関係各所の方々の迅速な対応がSNSで注目されています。

特に石川県知事が𝕏へアップしたホワイトボードの活用が話題を呼んでいます。

https://x.com/hase3655/status/1741752407682654333?s=46&t=odDUgMimeWhRXos7ffkD3Q

ホワイトボードは私自身も仕事でよく使いますので、今回はその活用にお役立ていただけそうなお話を致します。

①ホワイトボードは脳内の可視化

ホワイトボードは文字通り、真っ白な状態から始まります。

ここへ、ぼんやりと浮かんでいる作戦や人員配置などを書き込んで、少しずつ形にしていきます。

また、私の考えとして、「人の脳が完成図を初めから導き出すのは難しい」というものがあるので、「書いては消して、消しては書き直す」を繰り返します。

まずはざっくりとしたものを書いてみて、書いていくうちに「この方がいいな」とか、「こうまとめた方がわかりやすいな」など、少しずつ改善を繰り返します。

そうしていくと、次々に「あの情報もあった方がいいな」「この資材も必要になるな」など、より必要となる情報も浮かんできます。

こうすることで初めはぼんやりとした脳内のイメージも、やがて形となって見えやすくなり、他者に説明する為に有効な資料となるのです。

②5w1hを「文字」ではなくイメージで描く

では、ホワイトボードに記入していく際は何に気をつけるか、それは「文字情報を簡潔明瞭かつ、書くなら少なくすること」と、「可能なら図形に置き換え流れるように描く」ということです。

補足としてですが、文字が主体でもホワイトボードの効力は発揮されます。

今この記事はスマートフォンで打ち込んでいますが、デバイスで打ち込んだ文字より、ホワイトボードマーカーの「濃く」「丸みのある輪郭」の文字は、余程字が下手でなければ見やすくなります。

しかし、文字を主体にすると書くのに時間もかかるし、それこそホワイトボードではなくパソコンなどで打ち込んで印刷してしまえば他の人にも渡せるので、ホワイトボードとして活用するならば、文字より図形を意識的に組み込む方が効果的です。

我々は文字に対する認識と、図(絵)に対する認識の仕方は異なります。

文字は「狭い範囲に集中して読み進める」のに対し、図は「全体を俯瞰的に見る」のです。

よって、特に現場仕事で人工を動かす時、ホワイトボードで俯瞰的に説明した方が理解が早まり、直感的に理解しやすいのです。

【ポイント】
ホワイトボードで2次元的に描き、実際の現場を見せて3次元的に理解させると、双方の理解がリンクしてより理解が深まる

③書く、描く、消す、貼る

ホワイトボードを活用する際には、大きく4つの行動があります。

書く
→文字として記入する

描く
→矢印や図形で囲うなど記号を加え、全体像を絵として認識させる

消す
→書き物が増えて雑多になってきたら、逐一消して書く場所をまとめて再記入する

ホワイトボードは余白部分に次々と思いついた事を書き込めるので、あちこちに散らばった情報を1ヶ所にまとめ直す事で、完成品により近づけていきます。

つまり、【消す事も完成に近付ける為のアクション】なので、消す事を躊躇ってはいけません。

貼る
→ホワイトボードにはマグネットを貼る
よくご家庭で冷蔵庫に紙を貼っている事がありますが、あのような使い方が出来ます。

また、私は手持ちのホワイトボードなので、図を描く時はマグネットを色分けして、そのマグネットに文字を書いて駒のように使う事もあります。


赤→自社の社員
黄色→車両
青→資材
など

このように、色分けしたマグネットに役割を振っておけば、より図としての認識が高まります。

さらに、マグネットがあれば紙を貼ることも出来るので、Googleマップを印刷して貼り付け、蛍光ペンで名称やエリアを目立つようにマーキングしておけば、それも資料として役立ちます。

とにかくホワイトボードというものは使ってみなければどう使えばいいかは分からないものです。100円ショップにも売ってますので、ぜひ購入して色々考えながら記入してみて下さい。

④応用編

さて、ここまでご紹介してきたのはホワイトボードを活用するための土台のような使い方でしたが、他にも「記録版」としての役割もあります。

私は現場仕事ですので、砕石を積んだダンプトラックや生コン車など、時には送迎バスなど、ピストン輸送でやって来る車両の管理も行います。

その際、事前に何台を何周させるのか確認の上、ホワイトボードへ情報を書き込みます。

STA→予定到着時間
ETA→予想到着時間
ATA→実際の到着時間
ATD→実際の出発時間
これは空港用語を表しており、詳細は省きますが、意味は上記の通りです。

そして、
Aは到着を意味するアライバル(ARRIVAL)
Dは出発を意味するデパーチャー(DEPARTURE)を示しています。

まず車両のピストン輸送に関する情報を書き込みます。

今の時間、今の台数、これからの予定など、現状把握している事を書き込んでいきます。

もちろんこれも、先程の4原則「書く、描く、消す、貼る」を活用します。
(と言っても、記録版として使う時はほぼ書く、消すだけになります)

そして、それぞれの出発と到着を意味する単語を加え、①出発した時間(ATD)②到着した時間(ATA)を交互に、その都度記入します。

これを何周かしておけば、やがて①と②の誤差に規則性が出てくるようになります。
(平均して40分かかっている、昼過ぎは50分になる、など)

そして、その誤差を予想し、次の到着予想時間(ETA)を記入します。

そうすれば、車が何台もやってくる状況でも次のおおよその到着時間が分かり、その間に作業員に休憩を取らせたり見回りが出来たりするのです。

少し長くなってしまいますが、【動隊板(どうたいばん)】について補足的にご紹介しておきます。

動隊板とは、グループで動く時の指針となるものを書き出し、掲示しておくものです。
場所によっては「アサイン」と呼んだりもします。

現場に人が集まった時、ひと目で分かる配置図があると、部下から上司、職長へいちいち確認を取らなくて済み、とても便利です。

誰を、どこに、いつから、誰の指示で

また、上長から指示を受ける時にたばこを吸ったりコーヒーを飲んでいるとバツが悪いですが、ホワイトボードに書き出しておけば、作業員はそれぞれ確認出来ますし、写真に撮ったりして手元に置いておくことも出来ます。

もちろん各班長を任命する時はそれぞれに指示を出すことは必要ですが、無駄に全員を集めない事で貴重な朝の時間を奪わずに済みます。

ホワイトボードは情報を司る司令塔であり、小さな掲示板でもあります。

情報を制して、より働きやすい職場を作り、多くの人の役に立てましょう。

【終わりに】

以上が、私が考案し、日々実践しているホワイトボード活用術です。

元々は手元に何も無い状態で現場の責任者を任され、口頭のみで指示をしていましたが、上手く伝わっておらず、何度も余計なことに手を取られたり、至らない仕事をして叱責を受ける事がありました。

部下が動けない、状況把握が出来ていないのは頭の人間、つまり責任者の落ち度だと私は考えます。

なので、現場の作業員には「なるべく頭を使わせず」「可能であればルーティン化させる」事を念頭に置いています。

その中で適性を見極めて右腕となる人物を育成したり、このマインドを引き継いでもらったり、日々精進の連続です。

今年も恐らく、波乱の年となります。
その波に呑まれないためにも、仕事に対するストレスや不安を払拭し、忙殺されること無く、本当に大切な人や物の為に日々生きましょう。

今回の記事が多くの方のお役に立てば嬉しいです。

ではまた。


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