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色褪せた緞通

とても色褪せた緞通とシミだらけだった緞通がお客さまのもとに旅立ちました。この2枚を買い取った張本人ですが、これらが商品になるとは予想していませんでした。でも100年近く経ってボロボロでも赤穂緞通です、買い取らなければ粗大ごみとして捨てられてしまうかもしれない。。
というわけで長く在庫として眠っていましたが、世の中にはいろんな好みの方がいらして、色褪せて模様も定かではない緞通を選んでくださった方がおられました。本当にありがとうございました!

これが手入れ後の「つる牡丹」という柄の緞通。アンティーク好きの工房メンバーRが心を込めて仕上げました。藍は色あせてなお美しい!が証明されたかな。

こちらは珍しい柄で「おしどり」と名づけた緞通。ひどい茶色のシミがいっぱいありましたが、みごとに綺麗に復活しました!
古緞通の手入れは屋外でやる工程が多いので、冬は凍え夏は炎天下で消耗します。手先ではなく体力勝負の仕事です。もちろん繊細な色彩感覚とか根気も必要ですが、必須条件ではありません。新作を織るのと違って、各工程を得意な人間で手分けしてやっているのです。
・穴が空いたり傷んでいる個所を修復
・水を含むと数キロ以上になる緞通を洗って整形する
・日光退色を応用して根気よくしみ抜き
・乱れた毛並みを鋏で整える
そしてボロボロだった緞通が美しくよみがえります。

赤穂緞通工房ひぐらしwrote #段通 #日記


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