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レポ10:出雲日御碕灯台(2018/7/15)

日沈む聖地、島根県出雲(いずも)市。観光地として有名な出雲市には、出雲大社はじめ有名な寺社仏閣が多数ある一方で、日御碕(ひのみさき)灯台という、全国有数の灯台があるのは意外と知られていません。今回は日沈む国が誇る日本一の灯台を巡ります…

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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。

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◼️レポ10:出雲日御碕灯台(2018/7/15)

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かつて「大和の国」と呼ばれた日本で、国の北西にあたり「日沈む聖地 出雲」として日本遺産になった出雲(いずも)。昔から出雲神話の舞台として観光名所となっていました。今回はそんな出雲神話の舞台の一つ、日御碕(ひのみさき)にある出雲日御碕灯台に行ってきました。

山口方面から海岸線沿いに車を走らせ出雲に向かいました。道中、大社港の横を通ると赤白の防波堤灯台が見えました。この辺りから臨む夕陽も絶景とのことで、近くのビーチには観光客が日没を待っている様子でした。

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夕陽が沈む前に急いで車を走らせ、出雲日御碕灯台に夕刻ギリギリに到着。早速観に行くと沈む夕陽に照らされ薄く赤みがかった灯台が。

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その日の寝床は灯台下の港にある民宿に一泊。夜の点灯に備え準備バッチリです。夜の帳が下りた後の港は本当に静かですが、たまにウミネコのニャーニャーという鳴き声も聞こえてきて風情があります。

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…と思ったら、ここまで車を1日中走らせた疲労で爆睡し、灯台の点灯タイムを寝過ごしてしまうという世紀の凡ミス。悔しいのでせめて日の出だけでもと、明け方に灯台まで走りました。港からは車で5分もかかりません。

夕陽とはまた違う、真紅に染め上げられた岩場と灯台を目にすることが出来ました。あまりの美しさについ時間を忘れ見惚れてしまいました。

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たまたまかもしれませんが、日の出の時間帯の方が人のが少なく、夕方ごろに訪問するよりも時間を忘れてゆったりと灯台を眺めることが出来ました。

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灯台の近くにある経島(ふみしま)はウミネコ繁殖地で有名。ウミネコたちは毎年11月下旬の冬場に帰ってきて、7月ごろに島を離れるそうです。ちなみに経島は国の天然記念物に指定されており、日御碕灯台周辺の遊歩道から行ける鳥見台から経島が眺められます。

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日が昇ってから、家族とともに再び灯台へ向かいます。宿泊場所のすぐそばには日御碕神社が。ここは夕日にちなんだお社で「日沈の宮(ひしずみのみや)」が祀られています。

「日沈の宮」の名前の由来は、由緒が三重県の伊勢神宮が「日の本の昼を守る」だったのに対し、日御碕神社は「日の本の夜を守れ」 との神勅により祀ったのが始まりと言われています。

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そんな「日本の夜を守る」社である日御碕神社のそばにある出雲日御碕灯台は「灯台オブ灯台」と呼ぶに相応しい、晴天に映える白亜の灯台。

石造の灯台として日本で一番の塔の高さ(地上から塔頂まで43.65m)を誇ります。灯台下から見上げる姿は壮観。

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灯塔は外側が石造、内側がレンガ造りという珍しい二重構造です。参観灯台で一般に登れる灯台なので、内部の見学もじっくりできます。

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登った先は絶景ポイントでした。

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今では日本に5基しかない、一番大きな第1等フレネルレンズ。ホントはこのレンズの点灯が見れるはずが、今回は本当に残念。

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日沈む出雲で眺める日の出もまたオツな感じで良かったです。

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村上  記

年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台を訪れる魅力などをお伝えするプロジェクト。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う方々の想いを大事にしていきたいです。