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中学受験をふりかえる①

2/1、といえば。
駅に掲げられる「がんばれ、中学受験生」のポスターでおなじみ、東京近郊の中学入試の一斉開始日。

駅や街中では例年、この日から始まる決戦に向けて長い月日を過ごしてきたたくさんの親子を見かける。御守りをつけたリュックを背負った子どもとその横をまるでシェルパのように付き添って歩く親を目にするたび、かつて自分もこの日にこうして親と臨んだ試験を思い出し、心でエールを送ってきた。

だけど今年は少し違う。
我が家もワンノブゼムなのだ。
この日、娘も一戦へ臨んだ。


娘の中学受験生としての歩みはほんの少しだけ特殊だ。私立の大学附属小学校に通っているため、小5の夏の時点で私たち夫婦としては、内部進学という選択肢を第一に考えていた。

小5の夏の時点で、とあえていうのは、それより以前に一度外部受験を検討したことがあったからだ。

2023年度の中学受験生は小3の終わりにコロナ禍に突入した学年である。学校行事はほとんど全てが無くなった。それどころか長い休校期間、授業はオンライン、友達と会えない日々の中、自宅で家族と過ごすだけ、という社会性もへったくれもない時間。変化はない。

心配なのは学力だった。学校側も内部進学を視野に入れているためなのか休校中熱心に学力維持に努めるという姿勢はなかった。オンライン授業が再開されても、普通の10歳に能動的な参加はなかなか難しかっただろう。漢字や計算といった基礎的な能力が培われるのか、不安が募った。

その時、中学受験が頭に浮かんだ。このままコロナ禍が続くなら?基礎学力に不安を抱えたまま内部進学したところで、附属大学に通わせる気があまりない我が家が、大学受験に立ち向かえるのだろうか…?

さらに校風も大きかった。
日本にコロナのニュースが少しずつ入ってくる少し前、小3の夏ごろだったか、同級生と少し揉めた。以来娘は、それまで楽しかった学校が嫌になってきた、という気持ちをたまに吐露するようになったし、私自身も、周囲の保護者や学校の子どもたちを見ていて、私にも娘にも合わないのかな、と感じることが徐々に増えつつあったのは事実であった。

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