ぼくはばく

ぼくはばく。ばく。ばく。
ゆめをたべる。ばくばく。

どんなゆめでもたべるけど、
にんげんのゆめがこうぶつ。
こわいがたくさんはいってて、
ばくのぼくにはごちそうなんだ。

こわいはからい、
かなしいはにがい、
はずかしいはすっぱい。

たのしいはあまくて、
うれしいはあますぎる。
ぼくらばくらは、からとうなのさ。

きょうのごはんはちとにがすぎた。
こんなときにはくちなおし。
ねているこねこをいただくよ。

こねこのゆめはみるくのあじ。
ぬくぬくやさしいくらやみのあじ。
ばくばくかむにはやわすぎるから、
こねこのゆめはちゅーちゅーすうのさ。

ちゅーちゅーゆめをすうおとに、
こねこはちいさなめをあけた。
ちいさなあたまをすりすりこすると、
ばくのあしをちゅうちゅうすうんだ。

ぼくはばく。ばく。ばく。
かあさんねこじゃない、ばく。

こねこはばくをちゅうちゅう。
ばくはこねこをちゅーちゅー。
そのうちどちらもおなかがふくれて、
やがてこねこはまたゆめのなか。

ばくのぼくもこねこのゆめのなか。


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