見出し画像

なぜIRでWACCは下げられないのか?

最近よく耳にするIRとWACCを巡る誤解があるやんか。「IRによって、ベータを下げることが出来るから、その結果WACCを下げること、すなわち資本コストを下げることが出来る」ちゅう話なんやけどな、これ、間違っとるで。え?なんや有名な本にもそう書いてあるし、この間会ったコンサルの先生もそうゆわはったって?!wwww

モマエはおじいちゃん、おばあちゃんか。本に書いてあったらなんでもしんじてまうんか?www

ちゃんと自分の頭で考えんとあかんな。このヘンテコな誤解、どこがおかしいか、考えてみよか。

1. β(ベータ)は株価が乱高下すると上がってしまう

2. 株価はサプライズ(予想外)の発表があると乱高下する

3. したがって、サプライズがあるとβ(ベータ)は上がる

4. 適切な業績発表を確実に行なうことでサプライズは減らせる

5. ゆえにサプライズが減らせることでβ(ベータ)を下げることができる

6. しかるにWACCが下がり、企業価値が上がる


どや?おかしなところは見つかったか?

最初のところからして、すでにCAPMの理論から外れてしまっとるわなwwww


β(ベータ)は、株式の乱高下という不確実性ではなく、マーケットポートフォリオへの感応度を表す指標やろ。

せやから、サプライズが減ってもβ(ベータ)が下がることはないんやで。そもそもβ(ベータ)にはIRが管理するような個別企業の不確実性は反映されてへん。それらはすべて、投資家がポートフォリオを組むことで消滅するリスクだからや。

けどな、「この会社はサプライズだらけやから、投資しづらいな」と投資家が考えると、「もっとリターン高くないと投資できひん!」ゆうて、それがβ(ベータ)に反映される気もするやろ。

でもな、そういうときに取る行動は、「より高いリターンを要求する」ゆうことやなしに、「別のところに投資しよう!」という行動になるやろ。投資家は、代わりの投資機会がごっついあんねん。

するとやで、その株を買うやつなんておらんくなるから、取引がどんどんすくなくなるやんか。取引が少なくなるとマーケットがどう動こうと株価が動かなくなるから、必然的にβ(ベータ)が下がってまうねん。せやから、最終的には「IRの不備」についても、これらの要因が相殺し現実的に無視できる水準となってまうんや。


ちゅうわけで、「IRの使命は業績発表を確実にすること。すなわち、β(ベータ)を下げることである」、果ては「IRのパフォーマンスはβ(ベータ)の下がり方で評価すべき」と考えてまうのは、完全な情弱、ド素人やwwwwww

よい知らせも、悪い知らせも迅速に市場に知らせる、いわゆる適時開示はIRの使命やけど、それはβ(ベータ)を下げるためではなく、そうゆう知らせを内部でいち早く入手した者による不正な取引(インサイダー取引)を防ぐこと、また投資家に正しい情報を迅速に提供することで情報の非対称性を解消することが、上場の効果を最大化するからやで!


「もっと、詳しく知りたいわー」、「ちゅうか、そもそもベータってなんやねん!」ゆうそこの勉強熱心で立派なモマエには、ぴったりな本があんねんで。

これ嫁wwww

なんも前提知識がなくてもサクサク読めて、瞬く間にプロフェッショナルな知識と考え方が身につくと評判や!

https://www.amazon.co.jp/dp/B01MU4BJUN

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?