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激闘!4時間に及ぶ政府主催の障害者へのヒアリング調査

「なんかミーティングがあるんだけど、行く?」と誘われるままに行ってみると、障害者コミュニティを集めての政府主催のヒアリング会だった。

朝9時スタートと言いつつ、実際に始まったのは10時前。

ぼくは思うんだけれど、時間通りに始まるか否かっていうのは時間通りに運行する公共交通機関があるかどうかが重要な要因になっているんじゃないかと思う。

セントビンセントにはそういうものはないし、道は狭いのに車社会だから朝は通勤ラッシュで混む。普段から朝出向く人でもない限りその予測もできないのだと思う。バンも流しで走ってるだけだからいつ来るか正確なところは誰にもわからない。

それで、今日の会の意図は、みなさんの忌憚ない素直な意見が知りたいです、というもの。

お堅い会かと思いきや、意見をだしやすいようにワークショップ形式で、グループを2つにわけて、紙に、障害者コミュニティを取り巻く環境や彼らの生活状況(仕事はあるか、なにが一番不満か、災害時の避難はできるか、だれか助けてくれるのか…など)をテーマごとに話し合った。

ぼくこういうヒアリングは初めてだったから比較のしようがないけれど、こういう意見を出しやすい仕組みづくりは良いなと感じた。確認はしてないけど、障害者コミュニティ担当でジャマイカ人アドバイザーが今年1月から入ってるようで、その人の案とディレクションなのかもしれない。62歳と言っていたけど、めちゃくちゃエネルギッシュな人でしゃべり始めると止まらないタイプの人だった。大阪のおばちゃんレベル100みたいな。

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それで、聞いてると一番不満に感じてることは、交通を上げる人が多かった。雨が降ると予定が全部リセットになるのはバンがないからで、仕事に行けないからそれが非常に困るのだそうだ。

この国は公共のバスはない。ライセンスある民間人が、8人乗りバンを改造してバスとしてキングスタウン ー ジョージタウン間などの区間を往復している。

人口の多い区間はバンの数も多く頻繁に行き来しているけれど、少ない地域だと便数はどうしても少なくなる。加えて、雨が降るとさらに運行数が減る。これは客が少なければ儲からないから仕方ない。だからこそ政府の出番と思わなくもないが…。

みんな家族や隣近所の人たちには良くしてもらっているようだ。けれど、やはり虐待を受ける人や、ふとした時にネガティブな言葉で呼ばれたりするのが結構キツいらしい。そして同じコミュニティ内でも隣近所であまり知らない人から心無いことを言われることもあるようだ。

あと、見た目で判断されてスポーツやコミュニティ活動に参加できないのが寂しいという。

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なるほどなぁ、と思っていると軽食休憩。軽食と言いつつ、山盛りの炭水化物を配られた。

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そしてその1時間後くらいにランチ。

がっつり食べた。食べさせられた。

結局、10時から始まったこのワークショップ、終わったのは午後2時。食事休憩は30分ほどだったからほんとがっつり。(途中、寝てる職員もいた)

たぶん、ほんとは12時くらいに終わってランチ食べて終わりの予定だったんだろうけど、スタートは遅れるし意見はどんどんでてくるし、同じ話を延々する人もいるし、まとめるのが大変。

彼らの生活の実態を知るという意味で、ほんとにあらゆることを聞き取っていたし、間に地方職員みたいな人たちを挟まず、直接政府と対話の場をつくってるわけだから、かなり手触り感のあるデータを集めることができているのではないかと思う。

ただ、主に不満があるのは、仕事がないことと交通手段だったわけで、それは、彼らだけでなく健常者も同様に不満を抱えているところ(若者失業率40%とも言われている)なので、ここから具体的に障害者コミュニティに対して何ができるか、どんなポリシーができるかっていうのはちょっと見えなかった。

そもそも彼らから全部か意見がでたかと言われると疑問が残る。ほんとに解決すべき課題は他にあるような気もしないでもない。つまり、彼らが当事者だからといって課題を正確に把握してるとは言い切れないのではとも思う。

いわゆるインサイトというやつ。彼らがほんとに求めているのは、必要としてるのはなんだろう。

普段、気軽に聞けないちょっと踏み込んだことも聞くことができたから、ぼくにとっては非常に良い機会になった。

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