更紗琉金模様

ようやく…子供の頃読んだ、宮本武蔵の伝記を読み直せた。わざわざ図書館の職員さんに出してもらったのだ、読まずに返すなどありえないだろう。
やはり、私はこの本を知っている。そして、分からないなりに目を通していた。

分からなかったのは、何というのかな……当時の私からすると「マイナー」なイメージがあった、細川だとか、柳生だとか、宝城院だとか……とにかくそういった家のことだろう。良くも悪くも豊臣秀吉だとか、徳川家康だとか、その辺の話や知識があったからこそ、行けるのではと思って読み進め、結局肝心の剣に関する知識を理解できなかったというわけだ。佐々木小次郎がなんて名前の、どのような刀を使ってるかという記述はあったのに、知恵がなかったばかりに持ち出しに失敗している! なんてこと!(でも豊臣秀吉とかなんかその辺の人が刀狩りしてますよね? と思ってまともに目を通さなかったのかもしれない)

宮本武蔵に苛烈なイメージを持ってる人が多いように見える。私が伝記を読んだ時点ではそう思わなかったので、上記の知識不足がそうさせるのではと心配していたが、全くそんなことはない。きちんと読み取れていたようだ。五輪書という名を聞いて、なんか剣術のことはよく分からんが、オリンピック(五輪)と結びつけておけば、うまいこと記憶が戻るだろうと考えたらしい。大人の影がよく見えず、あの頃の私が好んで読めそうと判断するであろう、そんな伝記だった。
佐々木小次郎との戦いは「それほど」だっただろうか、と感じていたのも間違いではない。全体を通して見るなら、まあこんなもんだよねという判断を下すだろう。たぶん、ヘレン・ケラーの伝記と同じようなテンションで読んでる。若い時代の話がやけに長いアレ。

じゃあ、物語で盛られてる宮本武蔵ってのはどんなんなんだろうな。FGOの武蔵ちゃんは、そこまで盛られてないように見える。というか、あぁ、これは間違いなく宮本武蔵だと……よく知りもしないうちから感じていた。味方NPCの言い分に引っ張られてるのかしらと思考する暇もなくストーリーが進んでしまったものだから、信じると同時に疑うしかなかったのだが。手始めに吉川英治の小説を読んでみたい。というか、そもそもの研究がこれだ。武蔵か孔明か──どちらか取らねばならん、というのはこういうことである。それとも先に五輪書を読んだ方がいいのだろうか。

それから、宮本武蔵について考えたときに、ふと彫刻や絵画(?)というイメージが浮かんだのも、実際本人がそういうことをやっていたという話があったからだろう。マジかよ。というか、小学生の私は何でそんなことだけ覚えてるんだ。いや、それしか覚えられなかったからか……そうなるよな、そりゃあ。
今に始まった事ではないが、とにかく話を塊で覚えておいたのがよかった。分からなくても熱心に収集しておけば、案外なんとかなるらしい。

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