意識の構造3 

私は子供のころに、夢の中で教会の鐘が聞こえてきて、だんだんその音が変わってくると、目覚まし時計のアラームだということに気づいて、慌てて目覚めるという体験をしました。クリスチャンでもなければ、近所に教会があるわけでもないのに、そんなのが夢に出てくるのは、外国映画やアニメなんかで見た記憶があるからでしょう。


それにしても、おかしな点は残ります。夢の中では、教会が出てくるストーリーがあり、その後に音が聞こえて、だんだんと音が違うものに変わり、現実のアラーム音に気づくわけですから、通常とは因果関係が逆転しているかのようです。


このことは分離脳患者の作話の例を考えると、理屈としてはとりあえず納得できます。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E9%9B%A2%E8%84%B3

高次脳機能障害でも作話があり、これは嘘や言い訳とは違うものです。起きていることに、自分が知っている形で理解をしようとする、知性の自然な働きであるとも言えます。

ある本に、空に浮かんでいる夢を見る理由として、足の裏がどこにもついておらず、荷重が縦向きにかかっていないことから生じるという説明がありました。しかし、それなら全部の夢がプカプカ浮いた状態になりそうなものです。私もよく低空飛行の夢を見ますが、そういっても数年に一回くらいです。また、下に落ちていく夢を見ることもあります。

伝統医学では夢が臓腑の病からくるものとして解説されます。これはそのままでは、ちょっと真に受けにくにくいものです。五行説の木火土金水とあまりに単純に直結した夢が記述されているからです。ただし、身体の変化の「型」みたいなものが夢に影響することは、ありそうだと感じています。

伝統医学では気の上昇・下降といった概念がありますが、これが夢の中での浮かぶ・落ちるに影響しているくらいのことは、考えて損がなさそうだなというのが、治療に携わっている者の実感です。




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