2019J1リーグ第15節 川崎フロンターレ×北海道コンサドーレ札幌 マッチレビュー

こんにちは。咎メルです。2019J1リーグ第15節 川崎フロンターレ×北海道コンサドーレ札幌のマッチレビューになります。

・試合前

川崎:前節浦和相手に1-1だった川崎。ロスタイムの失点ということもありさよならドローとなった。ここまで引き分けが多く負けないけど勝てないといった状態の川崎。代表関係での離脱はu-22の田中碧のみ。やってることは昨年から変わっていないけど最後点を取る部分で足りない感じはある。ダミアンが正直あんまフロンターレにフィットしていない印象があるが高かったので使わなければいけないのです。

札幌:前節広島相手に1-0だった札幌。内容的にはやや不利だったものの勝ちきることができました。とはいえ怪我人に加えルーカスもサスペンション、代表関係で菅と岩崎がアウト。岩崎はベンチ要員ですが菅はど主力なので困ったことになりました。福森、菅、チャナの左サイドから前進していくことが多い札幌は菅のところに誰をはめてどのように前進するのか。私、気になります!

・スタメンとスタートポジション

川崎:中村憲剛と小林がスタメン落ち。中村に至ってはベンチ外。怪我とかコンディションとかなのか。小林はスタメンのダミアンと知念と3人でローテーションして出場させている感じ。ダミアンと知念の方がFWらしい選手なので札幌を機動力というよりかはパワーで叩いていくつもりなのかも。

札幌:菅のところは石川。白井かなーとも思っていたのでより守備を強調した形かと思われる。ルーカスのところは早坂、アンロペのところはジェイをトップに置いて鈴木をシャドーへ。ジェイは90分もつのかという心配はある。またそのアンロペはベンチ入り。フルコンディションではないと思うので何分プレイできるのかが注目。台所事情が苦しい。

・試合結果

1-1!ドロー!双方にPKがあったり止めたり入ったり。試合が進むにつれ圧力を高める川崎を札幌が凌ぎ切ったという内容でございました。昨年7点取られた札幌としては大健闘といったところですがもう少しうまくやればもしかしたら。という内容であり川崎からしたら決めきれないぞーってなったまま試合が終了してしまったという感じ。

・気になったところ

・川崎のプレスと札幌のビルドアップ
 昨年の同カードでは7-0というおもしろスコアだったのですが、失点の多くは川崎の前線からのプレスによるボール奪取がきっかけでございました。今年も川崎は前線からのプレスを実施していたのですが、札幌は昨年ほどプレスに屈せず前進していました(とはいえちょこちょこボール奪われて危ないシーンは作っていた)。何故これが実現したのかというと、ひとつは札幌がチームとしてレベルが向上したから。もうひとつは川崎のプレスがいまいちだったからかなと思います。
 札幌の向上ポイントとしては組み立て時のポジショニングがよくなったこと。川崎が2トップだったので札幌のビルドアップ時の形である415の真ん中の2CBと同数になるわけです。SB化した両サイドは上がってしまうのでこの場合DHとGKが2CBの逃げ場になってあげないといけないんですね。それが昨年よりうまくできていたなと思います。特にソンユンは時に3バックの一角ではないかと思わせるような位置どりをしたりしてどんどん近代的なGKへと進化しているなぁと思いました。あとは髪型も近代的になればいいと思います。またDHが下がって3バックを形成した際元々DHがいた位置にチャナが下がってボールを受けていた場面もありました。まぁこれは札幌では定番の動きの一つになります。最近は対戦相手にこの動きがバレているのでチャナはあまり思うようにプレイできていない印象がありますね。例えばチャナが降りるのではなくWBが降りてその位置にチャナが開いてみるとかバリエーションを見せられると相手も捕まえづらくなるのかなと思います。
 そして川崎のプレスがいまいちだと感じたのは中村の不在が大きいのかなぁと。プレスのなんらかのスイッチがあって2トップ+もう1人くらいまではプレスに行けるんだけどそこで奪いきれなかった場合にそこからもう一回圧力を高めて奪いきるってことがあまりなかったなぁと。昨年はこういう場面で中村がいったり声をかけて味方にプレスに行かせていたりしたのでそのあたりの役割をできる人がいればよかったかなと思いました。

・ジェイが超収まる
 いやージェイ上手い。パス出せるしボール持てるしシュートは上手いし足も遅くない(初速は遅い)。ジェイのところでボールキープできるから味方も上がれるし、守備陣も間ができるから一息つける。本当にいい選手だと思うんだけど年齢的にもそろそろ母国に帰りたいのではないだろうかとちょっと心配である。あと怪我がち。前節競り合いでジャンプしてファールになっていたのを気にしてか今節は競り合うもののジャンプせずにボールをキープしていた。さながら桜木とマッチアップした山王の野辺のようである。わからない人はスラムダンクを読んでください。

・等々力の雰囲気がいい
 等々力はいい。陸上トラックがあるとは思えないくらいのいい雰囲気である。この試合が大体22,000人の来場者だったんだけど座席もほぼ満席って感じだったし後半の雰囲気はチームを勝たせる雰囲気だったと思う。札幌ホームの札幌ドームで22,000人入ってもこうはならない。なにせ22,000人は収容人数の半分くらいだからだ。収容人数が多すぎるのも考えものだなーと思う。札幌に2.5万くらいの専用スタジアムができればいいのに。

・家長の自由さに翻弄された札幌
 家長は原則右サイドだったんだけど右に左に真ん中にそれはもう自由な位置どりをしてらっしゃいました。家長の位置が変わればその分誰かがフォローしていたんだけど、家長が左サイドに加勢にいって数的優位を作り川崎が左サイドで人数かけてローテーションしているときはそれはもう恐ろしかったですね。札幌はマンツーでついていく訳にもいかないので自分のゾーンを守りつつ受け渡し受け渡しで守っていたのですがそれがうまく出来ていました。粘り強く守備していたと思います。

・川崎の2トップがうまくいかない。
 川崎2トップの知念ダミアンがあまり上手くいかなかったですね。川崎の試合を毎節見てるわけではないのでなんとも言えないけど川崎の2トップってポジションを下げてゲームメイクにも参加してその中でフィニッシュを狙っていくイメージなんですよね。そういうイメージの中で知念はある程度その感じは見られんだけどダミアンは上手く出来ていなかったなーというふうに見えた。やろうとしてるのはわかるんですけどね。ダミアンって多分ボックスストライカー的に使うとすごくいいんじゃないかと思うんだけど川崎はむしろ真逆なチームだからなー。これだけが理由ではないけれど後半小林が投入されたら札幌だいぶしんどかったもんな。知念ダミアンを同時に使うのは川崎のコンセプトとはちょっと合わないのかもしれない。

・ソンユンがめちゃくちゃいい
 札幌GKのソンユンがめちゃくちゃよかった。PKストップのみならずこのシアだけでも2,3点分が止めてたな。前述の通り攻撃時のポジショニングもよくなってるしセーブは上手いしキックも悪いくないし。これはもう来年札幌にいないのではと心配になってしまいますね。いや本当に心配ですわ。 

・川崎のサッカーって
 今のサッカーの流行りでポジショナルプレーとストーミングってあるじゃないですか。川崎っておそらくポジショナルプレーに分類されることが多いと思うんだけど実はストーミングなんじゃないかって思ったんですよね。限定されたエリアに人を密集させて細かくパス繋いでじわじわ前進していく感じ。そこで奪われても人数いるからすぐ奪いにいくし。さらにいうと再現性があるかというとそうでもないし。ルールというよりかは個々のコミュニケーションに基づいた即興性の高いいわゆるお気持ち和式サッカーなんじゃないかなーって。なのでまとめると川崎のサッカーは和式お気持ちストーミングサッカーなのではなかろうかと。和式やお気持ちサッカーって戦術クラスタの皆さんには嘲笑の対象になっているんだけど自分は全然そうは思ってなくって。個々のコミュニケーションに基づいた以心伝心サッカーなんて最強じゃんって思うんですよ。ただしそれには全ての選手が即興に対応できる高い技術を持ちかつ全ての選手がアイコンタクトのみで意思の疎通ができるくらい十分なコミュニケーションが取れていることが条件になると思うけど。それには長い時間と相応な資金が必要になりますしね。なので代表のようなたまにしか練習できない集団には向かないですよね。あと毎年選手が入れ替わるプロチームにもあまり向かないかなーと思います。川崎はあまり移籍が多くないイメージがあるんだけど結果としてお気持ちストーミングの醸成となっていたのかもしれん。

・終わりに

ん〜まぁドローが妥当かと言われるとそうでもない試合でしたね。川崎からしたら仕留め損ねた、札幌からしたら凌ぎ切った試合だったかなと。

川崎は次節磐田@ヤマハ。あ、大久保がいる。出るのかな。磐田も結構お気持ちなので予測できないけどなんか打ち合いになりそう。

札幌は次節鳥栖@厚別。鳥栖は鳥栖で結構しんどいけど監督交代してそこそこ上向き。豊田を軸にソリッドなチーム作りを進めております。なんか知らんけど苦戦しそうな気がする。知らんけど。

読んでくれてありがとうございました。

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