見出し画像

突然変異で怪談作家

かなり以前の話になるが、東京都内で開催された、一夜がかりで100話の怪談を語る趣向のイベントに参加したことがあった。
すると、真夜中になって――。
上のほうから、大きな物音が何度も響いていたそうで、
「上の階にはこの時間、誰もいないのに、何だろうね?」
と、主催者の某先生が言い出した。
それで、怪異なのではないか、という話になった。

「聞こえない人、いる?」
と、某先生が客席に向かって訊いてきた。
私にはまったく聞こえていなかったので、手を挙げた。
私だけであった。(汗)
150人ほどもいたほかの観客は全員、聞こえていたらしい。
そのため、
「君は変だ!」
と、某先生から言われたものである。

私には、それほどまでに霊感がないらしい。(笑)
あるいは、脳や耳の働きが他者とはかなり異なっているのだろうか。
元々、私の家系は、工業系やスポーツを得意とする人間が多く、作家はもちろんのこと、美術家や音楽家なども血の繋がった親戚には皆無、という血筋である。
そこに出現した〈突然変異体〉なので、やはり普通の人間にはなれないし、それで良いのだ、と思っている。


※ ちなみに、某先生から「君は変だ!」と言われたことは褒め言葉だと思っており、某先生を批判する意図で書いた記事ではないことを述べておきたい。
また、よく考えたら、母方の従姉で、若い頃にアルバイトでピアノ教室の講師を務めていた女性はいる。ただし、作曲を手がけたことはないらしい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?