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日本のコロナウィルスによる死者数が少ない理由 週刊現代(5/2号)

 緊急事態宣言発令の中のゴールデンウィーク。
 テレビを見ても、ネットを見ても、新聞を見ても、コロナ、コロナ、コロナ。
 ちょっとうんざり。
 所詮、私たちには「手洗い、うがい、三密を避ける」しかできないんだから。

 そんな中、今週号の週刊現代の記事「新型コロナウィルス禍 なぜ日本の死者数はこんなに少ないのか」は面白い。
 4月23日現在、日本の新型コロナウィルスによる死者数は299人。
 1位のアメリカ(4万6784人)と比べると156分の1。
 日本の人口100万人あたりの死者数は2.4人。
 1位のベルギー(569.3人)と比べると237分の1。
 なぜこれほどまでに日本の死者数が少ないのか。
 記事では次の9つの仮説を立てている。

①クラスター対策が成功したから
 日本では感染者が5人以上出た集団(クラスター)を見つけ、追跡調査の上、濃厚接触者を検査するという方法を取っているらしい。
 これにより早期隔離を行う。
 ただし、現在では感染経路追跡は難しくなっているという。

②これからどんどん死ぬから
 膨大な死者を出している国は、総じて「医療崩壊」が起こっているという。
 日本は医療崩壊の瀬戸際にあるものの、崩壊まで至っていないらしい。
 今は医療崩壊の直前にあり、今後、臨界点に達すれば死者が増えるという。

③隠れコロナ死が多いから
 「インフルエンザの影響」として肺炎で亡くなった方のうち、相当数の者が、実は新型コロナで死んでいたとする説。
 この説は、専門家によると、「見落としがあっても何百人もいるということはない」とのこと。

④ウィルスが変異したから
 ウィルスは自身の遺伝情報をコピーしながら増殖するが、増殖の過程で性質(毒性)を変化していくという。
 この変化の仕方が各国の死者数の違いとして現れているとする。
 これも専門家によると可能性は低いという。

⑤BCG予防接種を受けているから
 BCGの定期接種が義務化されているか否かで死者数に違いがあるという。
 相関関係はあるようだが、具体的なメカニズムは解明されていないとのこと。

⑥多くの日本人がすでに抗体を持っているから
 感染した人のうち、何人死亡したかを表すのが「致死率」。
 この致死率も日本は低い。(日本2.5% アメリ5.5%)
 これは既に旧型のコロナウィルスが日本に蔓延し、多くの日本人が抗体を獲得としていたからだとする。

⑦日本人の衛生意識が高いから
 ウィルス対策の基本である「手洗い、うがい、マスク」は、新型コロナの流行前から日本人は日常的に行っている。
 外出後や、食事前の手洗いなどはマナーというより、やらないと気持ち悪い。
 一方、フランス人は食事だけでなく、トイレの後も手を洗わないという。風呂も週にシャワーを2、3回。(ホント!?)
 この日本人の衛生意識の高さは、確実にコロナ対策に良い影響を及ぼしているという。

⑧日本人の生活習慣
 日本人の食事は、各人に配膳されることが一般的。
 ところが、中国などでは大皿から直箸で料理を取り分ける。
 この習慣の違いが感染拡大の違いにつながったとする。
 また、家に入るときに靴を脱ぐ習慣も大きいという。

⑨日本語の習性
 日本語の発声は、他国と比べて唾が飛びにくい特徴があるらしい。
 日本語は口をあまり動かさず話せるが、英語は発音に強弱をつける必要があり、これにより唾が多く飛散するとのこと。

 記事の中で一番気になった単語は「医療崩壊」。
 医療崩壊すれば重症者を対応することができなくなり死者が増える。
 重傷者の対応ができないということは、隔離が十分にできないということを意味し、感染爆発にもつながる。
 そうすると、今、日本が行っている「やたらと検査をしない」方針は正しいのかもしれない。
 すぐに検査をしなかったことにより、亡くなった方もいらっしゃると思うが、このやり方は変えない方がいいだろう。

 今週号の週刊現代では、別の記事で「スペイン風邪」を取り扱っていた。
 スペイン風邪は1914年の第一次世界大戦中に、その戦争の影響により世界に蔓延した病気。
 日本も45万3000人もの死者が出たという。
 このスペイン風邪の終息は、どのようなものだったのか。
 それは「時間の経過」。
 今回の新型コロナも、じっと耐えるしかなさそうだ。
 止まない雨はない。
 ウィルスも同じ。
 そう信じよう。

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