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電子書籍『毎年受けている健康診断のお話です』を読む(4)

 電子書籍『毎年受けている健康診断のお話です』によると、2016年に結果報告されたスウェーデンの研究チームの例を出し、悪玉コレステロール値が高い方が、死亡率が低いということを説明している。
 このスウェーデンの研究チームの箇所は分かりにくいので端折るが、次に、2020年のデンマークでの例を本では挙げていて、こちらは分かりやすいので下記に引用する。
 

 最近、 最も 総 死亡率 が 低く なる LDL コレステロール 値 は 140 ㎎/㎗ だっ た という 研究 結果 が 報告 さ れ て い ます( ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル、 2020 年、 371 巻、 m 4266)。
 
 デンマーク の コペンハーゲン 大学 の 研究 グループ は、 年齢 20 ~ 100 歳 の コペンハーゲン 市民 10 万 8, 243 人 を 対象 として、 LDL コレステロール 値 と 総 死亡率 の 関係 を 約 9. 4 年間 追跡調査 し まし た。
 その 結果、 LDL コレステロール 値 と 総 死亡率 との 関係 を、 横軸 を LDL コレステロール、 縦軸 を 総 死亡 の ハザード 比 として 表す と、 U 字 型 の 回帰 曲線 になり まし た(「 LDL コレステロール と 総 死亡 との 関係」 の 図 を 参照)。
 
 すなわち、 LDL コレステロール は 低 すぎ ても 高 すぎ ても 総 死亡率 は 増加 する という 関係 が 観察 さ れ まし た。
 そして、 総 死亡 リスク が 最も 低く なる LDL コレステロール 値 は 140 ㎎/㎗ でし た。LDL コレステロール が 110 ~ 190 ㎎/㎗ の 範囲 では 総 死亡 リスク が 明らか に 低い こと も 確認 でき まし た。 また、 LDL コレステロール が 140 ㎎/㎗ より 低く なる とき に 総 死亡 リスク は 急激 に 上昇 し まし た が、 高く なる とき には 緩やか に 上昇 し まし た。

『毎年受けている健康診断のお話です』より

 簡単に言うと、上記研究では、140㎎/㎗ が基準値の真ん中なのに、日本の健康診断の基準では、140㎎/㎗ が上限値となっているということだ。
 血液検査でLDLコレステロール値が140㎎/㎗ と出ると、ギリギリセーフだと見られ、141㎎/㎗ と出ると、アウトになる。

 アウトとなって、「気を付けましょう」という程度ならいいが、飲まなくてもいい薬を常用させられるケースが発生してしまうことがある。著者はそれを憂いているのだ。
 
 さすがに141㎎/㎗ で、すぐに薬が出されることはないが、150㎎/㎗ を超えたら奨める医者もいるだろう。実際、ぼくも飲むことを奨められたことがある。
 しかし、もし140㎎/㎗ がベストの数値であれば、150㎎/㎗ は悪い数値ではない。基準値は頂点の前後で山なりになっているから、基準内だろう。それなのに、薬を飲むことを習慣化させられてしまう。
 
 その薬が、また厄介もので、スタチン系のものとくる。
 
(つづく)

駄文ですが、奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。