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慣習を疑い始めれば、余白は増殖してゆく

シェアハウスで暮らし始めてからは、家賃、水道光熱費、ネット代などの負担割合が減ったため、当初の狙い通り固定費をカットできた。

それに伴って、稼がなければいけないお金の量が減ったため、フリーターという責任の軽いポジションを位置取っていた僕は、バイトに入る時間も自在に減らすことができたため、「時間の余白」は一層増えた。

また、シェアハウス内では当番を作っていたわけではないけど、掃除やゴミ出しといったいわゆる「家事」と呼ばれるものが、住人間で分担して行われていくため、その分の時間も浮かすことができた。
 
 
初めに住人となってくれる人を募集した時、関東住み以来の友人であった「ぽけもん」というあだ名の友人が面白がって名乗りをあげてくれて、千葉県から移り住んできた。

彼は元々ギークな人物で、最新のガジェットやアプリやWEBサービスといったものにとても詳しかった。

「こういうことが手軽にできるようになりたいんだけど、何か方法ある?」

と聞くと

「それならこれを使うといいよ」

とすぐに答えが返ってきた。

あだ名はぽけもんだけど、僕にとってはドラえもんみたいな存在。

元々アナログな世界しかほとんど知らなかった僕は、彼からネットの世界のこと、テクノロジーの世界のことを沢山教えてもらった。

タスク管理やメモのためのスマホアプリを教えてもらったことで、手帳とペンを持ち運んだり、メモした内容がどこにあるかを探す手間からは解放され、Googleカレンダーを使うことで、手帳は不要となり、スケジュールの把握や調整、友人との予定の共有までもが随分と手軽になった。

今では広く認知されているクラウドファンディングのことや、スマホやパソコン上で手軽に扱えるライフハックツール、日進月歩のテクノロジーから続々と生まれてくる画期的なガジェットなどの存在を知れたことは、時間の余白を拡げることに大きく貢献していった。


ぽけもんは「情報やテクノロジーは、あらゆる物事の前提を変える」ということを僕に教えてくれた。

慣習によって盲目的に繰り返される作業を、一度疑って観察してみると、そこに沢山の無駄が潜んでいることに気付かされる。

既に先人たちが築いてくれた洗練されたひとつの手法をそこに用いるだけで、年間を通して数時間〜数十時間分の時間の余白は簡単に手に入ったりする。

しかしなぜか、多くの人達はこの慣習のアップデートの重要性になかなか目を向けようとしない。

ショートカットを可能とする手法やツールが身近に存在しているにも関わらず、それを探そうとせず、回りくどいやり方を何年も年十年も続けるのは馬鹿げてると僕は思う。

一度立ち止まって、自分の求めるもの、目的が何であるかを再認識した上で、そこに向かうための最短ルートを考えたり、探したりすることをしない限りは一向に時間の余白は拡がっていかない。

「急がば回れ」を実行する前に、一度ゆっくりと深呼吸が必要だ。
 

 
ところで、この文章は主に音声入力を使用してスマホを使って書いている。

文章を書くことを仕事にしている人達の間では、今ではこの手法はわりと主流になっているようだけど、僕自身はこの手法をどこかで見聞きして使い始めたわけではなく、作業の効率化を考えていた末に思いつき、4年程前から使っている。

要領の悪い自分を少しでもカバーしたいという欲求も手伝ってか、震災以降は特に自分の行動をなるべく俯瞰し、そこに無駄がないかチェックする習慣が身に付いてきたようで、省力化・最適化を自分から求めようとしていたから見つけられたんだと思う。


“What do I want?”

“How can I do? ”

僕はこの2つの問いを自分の中に絶えず持ち続けることが大切だと思っている。


毎日時間に追われて考え事をする余裕もなく、闇雲にバットを振り続けるような日々を送っているのなら、まず情報やテクノロジーを活用して時間の余白を生み出すことから始めてみると、次第に「思考の余白」の拡がりにも気付くと思う。そうしたら次は、この2つの問いを大事にしながら日々を送っていくことで、より沢山の時間の余白を作っていけるはずだ。

「日常の無駄を探しては省いていく」という作業は、仮想通貨のマイニング作業とどこか似ている。

無駄を掘り起こし、省いたことで増えていく自由な時間の中で、様々なことを思慮し、あるいは実践していくことで、視野は拡がり、加速度的に生きやすくなっていく。

余白は増殖していくのだ。

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