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【CANYON】ロードバイクのレースカテゴリーでCF SLX以上のグレードの罠■2023年11月06日更新

広島県広島市にある『動く』自転車屋【サイクルサービストグト】のnoteをご覧いただきありがとうございます。

11月だというのに昼間は半袖で過ごしている『快適長持ち系自転車安全整備士』ノーリー(店長)です。
暑いのか寒いのかよくわかりません。
とりあえず風邪を引かないようには気をつけています。

■キャニオンのロードバイクの罠

同価格帯の他ブランドのバイクと比べると上等なパーツ類がアッセンブルされていることから、『コスパが高い』等と言われる【CANYON】(キャニオン)。
コスパについてはあくまでも表示価格の時点では概ね間違い無いでしょう。
しかし、購入後に発生する関税や、後々のアフターケア等で苦労することから、『自己責任ブランド』とも言われています。
【CANYON】(キャニオン)の自転車はユーザーさんが販売店を通さず、メーカーさんから直接購入(個人輸入)する販売形式をとっているのが理由の1つです。
となると、当店も含め一般の自転車屋さんでは取り扱いがありません。
自店で取り扱っていない自転車は整備や修理を断るというショップは多いです。
自店で取り扱いがあるブランドであっても、自店で販売した自転車じゃないと断るというショップも少なくありません。
どんな自転車もアフターケアは必要なのに、そのアフターケアで困る事になるので『自己責任ブランド』と言われるわけです。

対価をいただいてお客さんの命を乗せる自転車を何台も何台もバラ完組してきたメカニックでも、【CANYON】(キャニオン)のバイクには苦労させられることが多いかもしれません。
独自設計箇所の多さ、マイナー規格採用箇所の多さ等がその理由と言えるでしょう。

↑当店公式YouTubeでも紹介しています。

当店へご依頼が多いのは特に【CANYON】(キャニオン)のロードバイクでレース・スポーツカテゴリーの車体です。

↑公式サイトです。
中でもミドルグレードにあたる『CF SLX』グレード以上の車体は特に気をつけなければなりません。
実際に、ユーザーから当店にご依頼いただくことが多いのが、その『CF SLX』グレード以上です。
特にコックピットまわりでやらかしてしまっている状態のものが多いです。
ある程度のメカニックとしての知識や経験が無いと、非常に困難な設計ではあります。
この記事では、その『CF SLX』グレード以上のコックピットまわりの構造やイジる時の注意点を写真付きで解説していきます。
【CANYON】(キャニオン)のロードバイクでレース・スポーツカテゴリーの『CF SLX』以上のグレードを買う前に、あるいはお乗りの場合は知っておいて損はありません。

実際に何台もここまで分解したからこそ語れる内容です。

それではどうぞ↓

■これが特殊すぎるコックピットの独自構造の正体

当店で組立依頼を頂いた場合、コックピットもある程度分解してから長持ちさせるための下処理をします。
今回はちょうど分解しなければならない車体があったので、その車体で解説しましょう。
※この車体は当店で初期組立をしたものではありません。

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