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ゴールデンカムイを、食べる。

こんばんは、とはずです。

みなさま、ゴールデンカムイというコンテンツはご存知でしょうか?
全く知らないという方にとっては、ゴールデンパインのような黄色いフルーツに思えたかもしれません。カムイなので、北海道原産の。

ゴールデンカムイとは?

ゴールデンカムイとは、『週刊ヤングジャンプ』にて昨年まで連載されていた、純然たる漫画です。

狩る!食べる!!戦う!!!北の大地で繰り広げる五感震えまくりエンターテインメント「ゴールデンカムイ」

https://youngjump.jp/goldenkamuy/

とすると、1つの疑問が浮かび上がります。

ゴールデンカムイを、食べるって?

至極真っ当なご意見です。しかし、奇を衒った訳ではなく、私はゴールデンカムイを食べてきました。それが、こちら。

リアル・ゴールデンカムイ

左から、リスのチタタプ・キタキツネ・ツキノワグマの団子、下に敷かれているのが熟成ヒグマ。
まさに、リアル・ゴールデンカムイな訳です。

ゴールデンカムイは、アイヌ民族の生き方過ごし方を如実に描写しています。その中では、リスやキツネ、クマを狩猟し、肉を剥いで食べるまでの一連の動作も描かれているのです。リスを叩いてチタタプという団子にすることも、カワウソの脳みそを食べることも…。そのような今まで食べたことない未知の料理を食べてみたいと興味が湧きました。

と同時に、「ゴールデンカムイ」というエンタメの中に潜む「ジビエ」という色のエンタメを体験し、また「ゴールデンカムイ」に還元することで、新たな発見ができるのではないか?と考えました。

そして、エンタメを咀嚼し、味わうという姿勢を、「ゴールデンカムイを、食べる」という表現に着地させました。

それでは、本題。気になるお味は?

リスのチタタプ

まずは、リスのチタタプ団子。これが1番美味い。団子としてのまとまりがあり、コリコリと歯応えのある食感。ほんのり甘味があり、桜の花を使った風味豊かなスープにベストマッチしていました。

また、サービスとして提供いただいたリスの炙りユッケはこちら。

リスの炙りユッケ

生に近い状態で提供されるリスは、特に木のみや柑橘系のような甘さが口の中に満たされているます。
リスはドングリや木のみを主食とするため、そのような香りが肉にも染み込むのだそう。また、店主の方にお話を聞くと、ここで提供されるリスは「害獣」扱いになった、小さなサッカーボールくらいのサイズのものだそう。
ただ殺されて処分されるはずだったリスを、美味しくいただける技量に感無量でした。

キタキツネ

キタキツネ


続いてキタキツネのお肉。拡大するとここまで気持ち悪くなるとは、当の私も想定外でした。
とは言え、味は一級品。何の違和感もなく食べすすめ、気がついたらなくなっていました。鶏のような味ですが、すぐにほろほろと崩れるような食感で美味でした。

ツキノワグマの団子・熟成ヒグマ

左がリスで、右がクマ。

そして、ツキノワグマの団子。こちらは、鍋に入っているにも関わらず、ややパサパサで淡白な印象。若干の臭みも残っていたので、リスの方が美味しいかな…と個人的に。

ただ、一方の熟成ヒグマのお肉は絶品。長期間の熟成のおかげで臭みや苦味は0に等しく、牛と相違ない脂のノリと熊の旨みが広がっていました。※熊の旨みとは、実際に食べたら「熊の旨みだ…」と気付くことでしょう。

鹿のフルコース

鹿の脳みそグリル
鹿の金玉刺し

そして、最後は鹿のフルコースです。
鹿の脳みそは、ニンニクの味がドギツイ一品。臭みを消すには、これまでのニンニクが必要なのか…。ニンニクなしで脳みそをムシャムシャ食べていたアシリパは一体何者なのか…。と感慨に浸れる一品でした。
脳みそ自体の味は、グチャっとベチョっとしていて茶碗蒸しのような食感。ゼリーほどの弾力はありません。味付けのニンニクが強すぎたため本来の味は見失いましたが、そこまで美味しいものではなく、度胸試しに近いのではないかと推察しております。

最後は鹿の金玉刺し。こちらも、ニュルンと喉を通る感触が気持ち悪いというややネガティブな印象を持った一品です。ニンニクを乗せて醤油を掛けて食べると、そりゃあ酒には合うんでしょうが、だとしたら馬刺しくらいがいいなと、思ってしまいました。

おわりに

ただ、私が味はさておき、この鹿の2品を食べたのには理由があります。
私の好きな、アシリパのセリフを一度読んでみてください。

懸命に走る鹿の姿
内臓の熱さ 肉の味
全て鹿が生きた証拠だ
全部食べて全部忘れるな!!
それが獲物に対する責任の取り方だ

アシリパより

私は日常で鹿を食べませんが、そして皆さんも恒常的に鹿を食べる人は多くないとも思いますが、そんな鹿の中でも特に捨てられがちな脳や金玉。
それでも、食物として動物の命を頂くという姿勢の中では、全部を食べてその存在を忘れないという価値観がどうやらあるようです。
このような考え方を再認識するキッカケとして、この料理は大きな意味があったのだと思いました。

(本編終了)

今回お邪魔したお店は、桜木町の珍獣屋。

看板①
看板②

牛、豚、鳥はもちろん、肝類、ダチョウ、カエル、ワニ、鹿など、普段口にすることない食材を扱い洒落た20〜40代のお客様が多いBarスタイル居酒屋。

珍獣屋

ともあり、肉以外を一切置かないストロングスタイル。
今回食したもの以外にも、ウーパールーパーの丸焼きやワニの手など、色々な珍味が楽しめます。
サソリやタツノオトシゴが浸かっていたお酒も、オトナの嗜みと言うことで……。

タツノオトシゴ等を漬けている酒

食べログ:https://s.tabelog.com/kanagawa/A1401/A140102/14033402/

お店のTwitter:https://twitter.com/noge_chinjuya?s=21&t=tL-nF5QgfEewSG1xRxPULA

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