鵫巣和徳(とうのすかずのり)/AOZORAコーチ

【マネジメントは人が幸せになるためにある】 ドラッカー先生の教えを中心に応援メッセージ…

鵫巣和徳(とうのすかずのり)/AOZORAコーチ

【マネジメントは人が幸せになるためにある】 ドラッカー先生の教えを中心に応援メッセージを発信|メーカー→建材商社の元経営者|Gallup 認定 ストレングスコーチ|ドラッカー学会会員|ドラッカー塾エグゼクティブコース修了|ビジネスコーチ|時折、楽屋裏の雑学も発信します

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プロフェッショナルの倫理/『知りながら害をなすな』というドラッカーの教えを肝に銘じるべし!

もうすぐ2023年が終わります。 年の瀬になると「今年はどんな年だった、来年はこんな年にしよう」という話題が各所で賑やかになります。 たしかに「目標を新たに立てる」という意味ではいい機会かもしれませんが、でも、時間はつねに連続していて、大みそかの除夜の鐘と共に過去の1年が消えてなくなるわけではありません。 来年を展望するにあたって、今年の年末はことさら忘れてはならない倫理や道徳といったものを思い返したいひと時です。 プロフェッショナルの倫理は「知りながら害をなすな」

    • 働く人々の愛社精神は要求するものではなく勝ち取るべきもの

      ドラッカーは有名な『マネジメント』という本の冒頭に、マネジメントの役割について次の3つを挙げています。 1.自らの組織に特有の目的とミッションを果たす 2.仕事を生産的なものとし、働く人たちに成果をあげさせる 3.自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに、社会的貢献を行う この3つのうち、今日は3番目の「企業の社会的責任」について、考えてみたいと思います。 企業のみならず、病院にしろ学校にしろ、いかなる組織も社会のコミュニティから隔絶して存在することはできません。

      • 組織の文化をつくるリーダーの資質と役割とは

        組織におけるミッションの重要性については多くの情報があり、私も何度かnoteで取り上げてきました。 ミッションとは、その組織の社会的な役割、使命を表したもので、そこで働く人々にとっても重要なものです。 目的も知らずに成果を出すことはできません。 そして、それはどんなに全社員が完璧に暗唱していても、社員の行動に表れていなければ、単なる「情報」でしかありません。 実践して初めて価値を生むものです。 ドラッカーを敬愛していた『ビジョナリーカンパニー』の著者ジム・コリンズは

        • マネジメントの基本的な5つの仕事

          この春からマネジメントの職に就かれた方が大勢いらっしゃると思い、今日はドラッカーが教える「マネジメントの仕事」についてお伝えします。 といっても、このことだけで『マネジメント 課題、責任、実践』(ダイヤモンド社)で、上・中・下の三部作を書いているほど膨大なボリュームになるのですが、その「中」に簡潔に記述したある箇所があります。 マネジメントの仕事には次の5つの基本的なものがあって、それらの5つの仕事が相まって、活気にあふれた成長する組織を生み出すと教えています。 1.目

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          3本

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          人を育成し、組織の成果に貢献するために、チームのメンバーに質問すべきこと

          今日から新年度がスタートするという方が大勢いらっしゃると思います。 新年度のスタートにあたって、ドラッカー教授のとても大切な教えについて、是非皆さんに考えていただき、そして実践していただけたらきっと素晴らしいことが起きるだろうと思われることをお伝えします。 組織の成果に対して責任をもっている方が、真っ先に自問しなければならないこと、それは「自分はどのような貢献ができるか」ということです。 ドラッカー教授は会社での立場が上になればなるほど、「どのようにしてこの会社の成果に

          人を育成し、組織の成果に貢献するために、チームのメンバーに質問すべきこと

          ドラッカーの『経営者の条件』はタイトルに惑わされてはいけない、組織の成果に責任を負う人は誰もが読むべき教科書だ

          ドラッカーは1966年に、成果を上げるために自らマネジメントする方法について書いた『経営者の条件』という本を出版しました。 ざっとあらすじを言うと、 ☑ エグゼクティブは成果を上げなければならない ☑ 成果を上げることは天賦の才能ではなく、成果を上げるための5つの習   慣を身につければいい ☑ しかるに、エグゼクティブを取り巻く現実は、成果を上げることを妨げ   ようとする圧力ばかりだ ☑ だから、特別に努力して、5つの習慣を7才の子供が「ろくろくさんじゅ   う

          ドラッカーの『経営者の条件』はタイトルに惑わされてはいけない、組織の成果に責任を負う人は誰もが読むべき教科書だ

          会社とは自己実現のための道具なんだ

          P.F.ドラッカーが最初にマネジメントについて触れたのは、1954年の著書「現代の経営」(ダイヤモンド社)においてです。 そしてこの本は私がはじめてドラッカーの思想にふれた「入門書」のような本で、もはや表紙は色褪せ赤ペンやマーカーだらけでボロボロに近い状態になっています。 そしてその後、体系的にマネジメントを書き上げたのが、1973年に出版した「マネジメント 課題・責任・実践」という全3巻、1,058ページの大作です。 その本の最後の下巻の、最終章「結論」にこのようなフ

          会社とは自己実現のための道具なんだ

          私たちは学び続けなければならない

          学校を卒業した後も、継続的に学び続けている社会人はどのくらいいるのか、正確なデータはわかりませんが、実態としてはかなり少ないのではないかと思います。 これは私の経験知ですが、少なくとも私が勤めていた二つの会社では、周囲にそういう人はあまりいなかったと思います。 何故、多くの人は学校を卒業すると途端に勉強しなくなるのでしょうか? そもそも学校では「勉強のやり方を勉強していた」わけで、本当の勉強は大学卒業以降ではないでしょうか? 人生100年の時代に、最初の22年だけ勉強

          私たちは学び続けなければならない

          生き生きと活動するために必要なマネジメント教育

          多くの企業で、マネジメント対象にさまざまな教育研修プログラムが組まれていると思いますが、マネジメント教育はほぼすべての企業で「企業の発展のため」に行われているのではないでしょうか。 ドラッカーは、実に面白い観点からマネジメント教育の必要性を説いています。 今日は、本の中からの引用ばかりとなりますが、みなさんはそれを読んでどのようにお考えになりますか? ここまでは誰もがその通りだと納得できるでしょうが、ドラッカーの真意は以下の文章に示されています。 だからマネジメント教

          生き生きと活動するために必要なマネジメント教育

          顧客の話しではなく、非顧客の話しを聴かないと変化に気づくことはできない

          イノベーションの最初の一歩は「予期せぬ成功や予期せぬ失敗」を見逃すな、というのがドラッカーの教えです。 成功していた企業が衰退に向かうのは、そうした予期せぬできごとを見逃していたときに起きると言われています。 予期していないのだから、気が付いたときには「時すでに遅し」ということになり、予想もしていなかった別の企業にその地位をとって代わられる、なんていうことも起こります。 では、そうした予期せぬものを知るためにはどうしたらいいのかについて、ドラッカーはこのように問いかけて

          顧客の話しではなく、非顧客の話しを聴かないと変化に気づくことはできない

          一度退職した社員の再雇用を考える

          みなさんの会社では、自己都合退職者の再雇用を認めていますか? 「出戻り社員」と呼んでみたり、「ジョブリターン制度」とか「アルムナイ制度」などと言って制度化している企業もあるようです。 これは、若いうちに何らかの事情で円満退社した社員を、いくつかの条件付きで再雇用するという考え方で、すでに身元も素性も既知の経験者を採用する方が、未経験者を採用するよりも確実に即戦力になるし、再雇用される側も、勝手知ったる企業での仕事なので、抵抗感なくすぐに溶け込めるというメリットがあるようで

          一度退職した社員の再雇用を考える

          イノベーションの最大の障害は、成功している既存事業

          組織の中でイノベーションを起こそうとするときには、様々な障害にぶち当たります。 私も若いころは、この障害との戦いの日々だったと言っても過言ではありません。 イノベーションの最初のステップは「予期せぬ成功」の活用です。 30代後半の頃、私は勤めていたメーカーの主力事業部門から、新規事業部門のマネージャーに異動になりました。 その会社の主力事業は創業の事業で、当時すでに80年の歴史をもち、文字通り会社の屋台骨を支えている事業でした。 一方、私が担当することになった新規部

          イノベーションの最大の障害は、成功している既存事業

          自己変容したいなら「NTP」、ノータイムポチ、悩んでないですぐにやる

          「NTP」 ノータイムポチ、と我々は勝手に呼んでいます。 信用できると思っている人から教えてもらったり紹介してもらったりした物事は、すぐに自分も試してみる、時間をおかずにポチっとクリックして参加してみる、という意味です。 これは自己変容したいと思っている人にとってとても大事なことです。 1.紹介したらすぐに試してくれて、すぐに結果を報告してくれると嬉しくなる2月13日にダイヤモンド社主催の「3時間で学ぶドラッカー」セミナーがありますと、Facebookでご紹介していた

          自己変容したいなら「NTP」、ノータイムポチ、悩んでないですぐにやる

          あなたは最近、何をやめましたか?

          マネジメントの父と呼ばれたピーター・ドラッカーは企業のコンサルを依頼された際に、経営者に対して最初によくこの質問をしたそうです。 「何に取り組んでいるのか?」 「何を始めようとしているのか?」 ではなく、 「何をやめたか?」 です。 みなさんが同じ問いを受けたとしたら何と答えますか? 物事は始めるよりもやめる方が、はるかにエネルギーを要します。 ドラッカーはイノベーションを魅力的なものにするための最初の一歩は、「事業の体系的な廃棄」だと教えています。 「すでに

          あなたは最近、何をやめましたか?

          組織の原理に染まってしまってはいけない

          ドラッカーは「明日を支配するもの」(ダイヤモンド社・上田惇生訳)という著書の中で、企業や組織の寿命よりも人の寿命の方がはるかに長くなっている以上、好むと好まざるとにかかわらず、誰にでも第二の人生がやってくるといい、具体的には定年前に次のステップに移るパターンを3つ紹介しています。 ひとつは、文字通り会社を辞めて、新しい仕事を始めるやり方。 二つ目に、パラレルキャリアという考え方。 つまり、今の仕事は続けながらもう一つの世界を持つというやり方。 副業的な考え方のようです。

          組織の原理に染まってしまってはいけない

          時間ほど重要な資源はない

          今日のテーマは「時間」です。 ドラッカーはとにかく「時間」を重要視しています。 ドラッカーは、有名な「経営者の条件」という本の中で、成果を上げるには身につけておくべき、5つの習慣的能力があるとして、その第1番目に「時間」を取り上げています。 つまり、仕事で成果を上げたいと思うとき、我々はまず初めに計画を作ることから始めますが、そうではなくて「時間」から始めなさいと教えています。 まず、時間が何にとられているかをモニタリングして分析し、時間に対する非生産的な要求を退け、