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どこかへ 2005年6月のフィラデルフィア、ニューヨーク

毎年6月頃にはアメリカでバイオ関連の集まりがあります。展示会と講演を組み合わせたような企画で、アメリカのいろんな都市(一部はカナダ)のコンベンションセンターが会場になります。僕が最初に参加したのは2001年のサンディエゴで、その後もできるだけ参加するように心がけてました。
2005年はフィラデルフィアでした。コンベンションセンターは街外れにあることが多く、フィラデルフィアのように街の中心近くにあることは稀です。サンディエゴやワシントンD.C.のコンベンションセンターも今では街中ですが、できた頃は街外れの印象がありました。フィラデルフィアは古い街で、中心にもあまり治安の良くないところがあったからかもしれません。コンベンションセンターはそういった地区に建てられることが多いと聞いています。

この時はLOMO LC-Aというカメラを持って行きました。いわゆるトイカメラと言われるもので、軽くて簡単に持ち出せますが、画質はイマイチです。でも、そのガサツな感じが写真らしいというか、写真でしかできない表現になるということで、当時一部で流行ってました。確かに画質は荒くても変な発色をしたりして、面白い写真が撮れることがあります。まあ、何を面白いと思うかにもよりますが。

6月19日(日)に成田からノースウェストでニューヨークまで行き、乗り換えてフィラデルフィアまで行きました。この会社は2008年にデルタと統合されて、2010年には無くなったようです。当時からサービスが悪かった印象があり、安いチケットだったからか搭乗直前まで席が決まりませんでした。搭乗時間になっても決まらないのでカウンターに捩じ込んで、ようやく席を確保できました。中には翌日の便に回された人もいたようです。そんなことがあったのでこの航空会社は2度と使いませんでした。

機内食は質素でしたが、ワインがついてました。
最初からトイカメラらしさが出ている写真が撮れました。LC-Aはメカの作りが甘いので、フィルムの巻き上げがうまくいかないことがあります。一枚撮って、巻き上げがうまくいかないと次のフレームに前に露光した部分が被ります。結果このような写真になりました。トイカメラの面白さの一つだと思います。

ノースウェストの機内食

フィラデルフィアでも会場のあたりでデモがありました。遺伝子組換え技術に反対する人たちのデモです。サンディエゴでもありましたが、フィラデルフィアの方が警備が厳重だったように覚えています。会場の中は平穏でした。ほとんどがその業界の関係者ですから。この時期は遺伝子組換え食品がアメリカでも話題になっていて、大多数は問題視していませんでしたが一部で抗議活動がありました。
コンベンションセンターから少し歩くと、写真にあるハードロックカフェもありました。大きなレスポールが目を惹きます。この機会に調べてみると、2005年には日本に8店舗あったようです。うち4店舗は今は閉店しています。

会場の外は多くの警官で厳重な警備
フィラデルフィア市街

この時は展示会と講演とともに、近隣の研究施設を訪ねるツアーがありました。なかなか入ることのできない施設を見ることができるので、参加してみました。一部はフィラデルフィアの周辺でしたが、NYのロングアイランドの施設もいくつか含まれていて、大型のバスでフィラデルフィアからNYまで移動しました。早朝に出発して3時間以上かかったと思います。

フィラデルフィアの駅前からバスでロングアイランド方面へ移動
LC-Aのせいじゃないかもしれませんが、暗いところでは大きくブレます
マンハッタン E36th-3rd ここからInterstate 495でロングアイランドへ

ロングアイランドでは、Brookhaven National Lab.やCold Spring Harbor Lab.を見学しました。どちらも多くのノーベル賞受賞者を輩出している有名な研究所です。Brookhavenは核物理学で有名で、Cold Spring HarborにはDNAの二重螺旋構造を発見したJames Watson教授(1962年受賞)も在籍していました。Cold Spring Harborには”Twisting Dendrites"(捻れた神経樹状突起)のオブジェがありました(今もあるようです)。ここでのシンポジウムに招待されることがこの分野での名誉であると聞いたことがあります。

Cold Spring Harborの看板とTwisting Dendrites
Cold Spring Harborの建物、後ろには港も見えました

ラボ見学ツアーの後はマンハッタンで一泊して、翌日はMoMAに寄って帰りました。これが僕にとって初めてのMoMA(ニューヨーク近代美術館)でした。その規模と作品に圧倒されたことは覚えています。

長蛇の列を想定したMoMAの入場口
MoMA (中)俯瞰でモネの睡蓮、右と左はJasper Johnsの作品(部分)
Andy Warholのスープ缶

Jasper Jonsは以前から好きでした。書棚に1985年頃に銀座のJENA書店で買った画集があります。MoMAではいわゆる本物を多く見ることができて、だいぶ興奮していたと思います。その後、セントラルパークを散歩してクールダウンしてから空港行きのバスに乗りました。この岩の上でお昼寝でもしたいところでしたが、それほどの時間的余裕はありませんでした。

セントラルパーク

空港で搭乗を待つ間にSamuel Adamsのビアバーで飲んでました。とても良い雰囲気だったと覚えています。この後しばらく、このブランドのビールに凝りました。この店は今もまだあるようです。その後は別の航空会社を使うことにしたので、4番ターミナルにあるこの店にはその後行く機会はありませんが。

JFK 4番ターミナルのSamuel Adams


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