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どこかへ 2008年5月のモスクワ

モスクワを何度か訪れました。5月はいい気候です。
言葉がわからないこと、文字が読めないこと、治安はそれほど良くはないこと、渋滞が激しいこと、街中に警官が多いこと、難しい問題はいくつかありましたが、当時はまだ落ち着いていました。
お昼にショッピングモールでピロシキを買って食べたり、夕食はちょっと立派なレストランに連れて行ってもらったり、それなりに楽しいこともありました。
この時はGRデジタルを連れて行きました。

2024年の現在、当時の出張を思い出すのは、少し複雑な気分です。モスクワの事業所で働いていた人には連絡も難しいですが、気さくで朗らかな人も多かったことは覚えています。真面目でしたし。

当時はJALとアエロフロートが飛んでいて、日程の都合でどちらか決めてました。ドイツやフランスにも用事がある時には、ANAで欧州まで行ってそこからモスクワに行くこともありました。
僕は窓側の席が好きです。外を見ていれば時間が経つのが速いように思います。上空では窓に氷の結晶が付着してキレイです。内側の窓に開いている小さな穴から入った湿った空気が冷たい外側の窓で冷やされて凍るんだと思います。なぜこんな形になるんだろう、一つ一つ違う形の結晶を見て考えてました。

モスクワに近づいて高度を下げてくると、緑の平原が見えてきます。豊かな森と畑が広がっています。道に沿って民家が集まっているのも見えます。平和な景色に見えます。

窓に付着した氷の結晶
モスクワ近くの緑の平野

ホテルはHotel Salute、ここにも何度か泊まりました。Saluteにはロシア語で「礼砲」「花火」の意味もあるようですが、きっとソ連の宇宙ステーションの名前から来ているんだと思います。ホテルの入り口にそれっぽい形の構造物がありました。
センターからは離れていますが、朝夕混雑するセンターを避けた通勤に便利な選択だったんだろうと思います。
部屋には薄っぺらなペットボトルの水が置いてありました。そのボトル越しに夕陽を眺めてみました。水滴と歪んだ景色が見えます。なぜこんな写真を撮ったのか、覚えていません。何か澱んだ空気か、落ち着かない自分の気持ちを感じていたのかもしれません。

ホテルの部屋は簡素で、小さなテレビが置かれています。小さな冷蔵庫もありましたが、スイッチを切らないとうるさくて眠れませんでした。

ペットボトル越しの夕陽
ホテルに戻るとベッドに横になってテレビを眺めてました
ホテルの窓から夕景 アパートが立ち並んでいました

モスクワの事業所は工事中で、いくつもの難題があり、結局何度も訪問することになりました。僕が出会った人たちはけっこう義理人情の人たちでしたが、彼ら彼女らは今どんな気持ちでいるのかな?と考えます。


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