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時差ぼけ

「ぼくは勉強ができない」という
山田詠美の小説に
「時差ぼけ回復」という章がある。

「ぼくは勉強ができない」は、
私が大好きな小説で、
高校生の主人公の秀美くんが
学校や社会での出来事や
家族や友人、恋人との出来事の中で
敏感に感じる違和感だったり
窮屈さだったり自由さだったりを綴っている話だ。

年上の恋人の桃子さん
派手で恋多きお母さん
適当で楽観的な祖父
など、あまり「普通」ではないけど愛すべき人たちの中で
高校生の秀美くんが自分の弱さや強さと向き合いながら成長していく。

その中で、ある同級生の苦しみを描いた話が
「時差ぼけ回復」。

主人公の秀美くんの同級生で
1日の周期が24時間ではなく
25時間なことに苦しんでいた少年のストーリー。

周囲の人たちが24時間周期の中で、
彼だけがその24時間の中に空白の1時間がある感覚なのか、
それとも
彼だけが1時間ずつ毎日人とズレていくのか、わからない。
が、いずれにせよ、その1時間を過ごすことに彼は苦しんでいた。

ネタバレになってしまうのでこれ以上は書かないが、こういった感覚は現実にあるのだろうか。

小説の中の作り話なのか、
実際にそういう苦しみを抱えている人がいるのか。

もしあるのだとしたら
それが毎日続くのだとしたら…
その空白の1時間を過ごすのに
(もしくは、ズレていく1時間を戻すのに)
心は激しく疲労するのではないだろうか。


さて、最近、私が毎日noteを書いていないのではないかと疑っている人がいるかもしれない。
きっと私は30時間で1日の周期なのだろう。


え、違うか。


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