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石灰石の防草効果は本当? 約1年半の観察結果まとめ

わたしたち足立石灰工業が販売している石灰石の砂利(製品紹介)。
石灰石の砂利に防草効果があると言う評判は本当なのか? 検証を開始して約1年半が過ぎました。 
観察を続けた結論としては、砂利を敷くこと自体に短期的な防草効果はあるものの長期的には期待できないこと、そして石灰石の成分による効果もはっきりとは認められませんでした。
うーん、ちょっと残念…。

これまでの経過

2020年3月、本社がある岡山県新見市とといれたすがある岡山市の2か所にプランターを3種( 1.土のみ、2.土の上に石灰石砂利を敷いたもの、3.他社の砂利を敷いたもの )を用意しました。

石灰石の防草効果を調べてみる(2020年4月検証開始)

石灰石の防草効果は本当?実験開始から1年が過ぎました。(2021年6月)

開始から1年半、現在の様子(2021年10月)

2021年10月、最新の様子がこちら。本社とといれたすのプランター、どれも雑草が生えています。岡山側は雑草の生え具合がおとなしいですが、周辺がすべて舗装されているため、新たに種が飛んでくることが少なかったからかもしれません。

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根の広がり具合

それぞれのプランターから雑草を抜いてみました。どれもしっかりと根が広がっています。

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芽が出始めるまでの時間と広がりには差が出ました。

経過を振り返ると、土のみのプランターは開始4ヶ月ほどで雑草が生えたのに対し、砂利を敷いた2つのプランターは芽が出てくるまでに時間がかかりました。砂利を敷くことが雑草の抑制に役立っているとは言えそうです。
しかし1年を過ぎたころには変化の差は少なく、最終的にすべてのプランターに雑草が生い茂りました。

2020年3月~2021年9月までの変化(アニメ)

プランターGIFアニメ作成

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▲ 砂利を敷いたプランターは1年間雑草の発生を防ぐ事が出来ました。

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▲ 開始7か月の土のPH値。およそ中性の範囲に収まっています。
※参考:東京都の水道水は5.8~8.6の範囲が基準( 東京都水道局 )

【結論】砂利は防草に有効だが、石灰石だからより良く効くとは言えない。

砂利の防草効果は短期的(今回の検証では約1年程度)には効果があるものの、長期的には期待できなさそうです。そして石灰石砂利と普通の砂利との間には大きな違いが見られませんでした。

空地やお庭の雑草対策としては定番の方法になってしまいますが、まず防草シートを敷き、その上に砂利をある程度の厚みでまくことが空地を雑草から守る上での正解と言えそうです。
防草シート単体でも良いですが、その上に砂利を敷くことで日差しや雨風によるのシートの劣化や剥がれを防げます。


防草効果が期待された理由を推測

しかし、石灰石の砂利に防草効果が期待されるようになったのはなぜなのでしょう?

~ ここからは推測です ~

一言で石灰と言っても種類がいくつかあります。主に石灰石、消石灰(しょうせっかい)、生石灰(きせっかい)の3つ。「石灰石に防草効果がある」と言われてきた背景には、用語による混乱があるのかもしれません。

・石灰石 = 自然にある石。砂利はこれを小さく割って粒を揃えたものです。
・生石灰 (きせっかい)= 石灰石を高温の炉で焼いたもの。
・消石灰(しょうせっかい) = 生石灰に水を加えたもの。

この中で農業でよく使われ土壌に強い影響を与えるのは「消石灰」。 強アルカリ性で石灰石がPH 9に対し消石灰は12です。(※)

※東京都の水道水は5.8~8.6の範囲が基準( 東京都水道局 )

昔、運動場の白いライン引きに消石灰が使われていた時代がありましたが、消石灰は刺激が強くかぶれたり失明する危険があるため、現在では石灰石を粉にしたものが使われています。
成分的には大きく異なりますが、見た目の違いはあまりありません。このあたりの混同が、石灰石砂利に防草効果があると言われるようになった事に関係しているのかもしれません。

※雑草ではない通常の植栽の発育にも悪影響を及ぼすのではないか?と心配されることもあります。こちらについては今後も別途調査を重ねる予定ですが、今回の結果を踏まえると悪影響の心配は少ないと思われます。

あらためて石灰石の魅力を…

今回残念な結果になりましたが、 一般的な砂利に比べると白が強く、晴れの日には庭が明るい印象になる色味が好まれ採用事例も増えています。

足立石灰工業 商品情報「石・玉砂利・塊」

足立石灰工業では一般的な粒度の砂利以外に、角をとった庭園におすすめの玉砂利、花壇の境界に置くサイズ感の塊など用途に応じたサイズ感を複数ご用意していますので、お庭・外構エクステリアの改良ご検討の方は弊社ホームページをぜひご覧くださいませ。

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▲ 小粒の砂利、玉砂利から塊。特に塊(大きいゴロゴロした石)は市場で取扱いが少ないようでご好評です。

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▲最近の石灰石採用事例:岡山県真庭市蒜山の施設Greenable HIRUZEN







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