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将棋の仕掛け方講座1 棒銀はなぜ基本なのか

(もしこの講座を読んだ方は、ぜひ、Twitterでハッシュタグ  #私の将棋の仕掛け方 で自分の使っている戦法の仕掛けとコツを紹介してください。あなたの投稿が役に立つ人がいるみたいです)

前書き

先日、将棋の仕掛けが難しいという声を聞いた。特に相振り飛車は仕掛けが難しいと。そういえば、以前にもだれかが言っていたなと思い起こす。そのときは「だからこそ、うまく仕掛けられるとドル箱戦法になる」みたいなニュアンスだった。

級位者にとって、仕掛けは難しいらしい。私は24六段の経験(もう落ちた)、東京代表の経験があるくらいには将棋が強い。もう2回りくらい強くなると全国優勝、公式戦出場を狙える立ち位置だったが、年齢的には盛りを過ぎ、目標だった東京代表も達成して、もう自分が強くなるより広める側に回りたいと思った人間だ。そこそこの知識はあるが、だからこそ、級位者がなぜ詰まっているのかが理解できないところもある。こども教室を手伝っていた経験もあるけれど、自分にとってこども教室でもっとも大事なのは、将棋が好きではない子にどう過ごしてもらうかだった。

おとなの悩みとは違う。

おとなの、強くなりたいと思っている人の悩みを共有して解決したいと考えている。将棋ウォーズでいえば初段か二段になれれば、プロの将棋でどこがすごいのかがある程度分かるようになる。私はそうなりたい人の手助けをしていきたい。
しかし、「仕掛け」をひと言で説明できるほどうまく話せる自信もない。考えたこともあまりない。それでも、必要なのだとしたらやっていこう。仕掛けについて、できる限りの話をしよう。

考えながら書いているので、またまとまりがない文章になってしまうかもしれませんが、ご了承ください。うまくまとまったら、それはそれでキンドルさんに頼んで本にするかも。

攻めの基本は棒銀or早繰り銀

将棋指導者は、初心者にまず棒銀を勧める。下記リンクは遠山雄亮先生の初心者講座だ。やはりまずは棒銀だといっている。

https://note.com/toyama_shogi/n/n4272f17b7372#62T8p

棒銀とは何かは、ほかにいくらでも説明があるだろうから省略する。問題は、なぜ棒銀を勧めるのかだ。それは棒銀が攻めの基本とされているからだ。ではなぜ、棒銀が攻めの基本なのか。それは、飛車と銀の連係が攻めの基本だからだ。もしこの点について軽い説明しかされずに流してしまっているとしたら、改めてこのコンセプトをしっかりと意識してほしい。棒銀を離れても、飛車と銀の連係は至る場面に見いだされる。

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図はその典型例といっていいだろう。私の過去の対局から持ってきた。ほかの駒は気にせず、飛車の位置と攻めの銀の位置に注目してほしい。先手も後手も、5五の地点を狙って連係している。ただ棒銀とは微妙に違う個所もあるので、個人的には「早繰り銀」を覚えるべきだと思っている。「銀を使って歩をぶつける」も、重要な仕掛けの発想だからだ。棒銀では省略されているが、早繰り銀なら両方を学べる。残念ながら一般的な見解ではなく、早繰り銀は棋書も少ない。

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上はいま適当に作った私対私の将棋だ。それぞれ向かい飛車、三間飛車に棒銀を応用しているのを感じてほしい。どちらも飛車と銀が同じ筋にいる。形勢はほぼ五分。
先手からは▲9五歩△同歩▲9四歩の端攻めや、角交換をして▲7四歩△同歩▲5五角△5四歩▲8二角成△同玉▲8四歩△同歩▲同銀といった攻めがある。8筋を攻める形は、隣の7、9筋も絡めるとうまくいきやすい。
後手からは同じく端攻めや、△3六銀、△3六歩▲2八銀△1三桂~△2五桂といった攻めか。隣の筋を絡めるのは難しいが、1三桂と跳ねて桂を使えるのが自慢である。3筋の攻めには桂も連係させやすい。


これで基本コンセプトである飛車と銀の連係銀を使って歩をぶつけるを理解して、中飛車、三間飛車、向かい飛車に応用ができれば仕掛けの形を作れると示せた。もちろんやってみれば、いろいろと苦労はあるだろう。それでも、棒銀(早繰り銀)のコンセプトだけで、対抗形も相振り飛車も仕掛けの形を作れるのだ。
将棋指導者は、このコンセプトを理解してもらいたくて、棒銀を勧めるのだと私は考えている。

ちなみに四間飛車にも棒銀に似た6六銀型がある。ただ、私は級位者には四間飛車を推奨しない。6六銀型は対抗形持久戦で出てくる型だが、相振り飛車と対抗形急戦と対抗形持久戦の3つの体系でそれぞれ別の発想で駒組みをする必要があり、相手から攻めてくる場合も含めれば覚えるべき仕掛けも多いからだ。終盤まで考えると、知るべき囲いの崩し方も多岐にわたる。「四間飛車の急所(全4巻)」と「相振り飛車を指しこなす本(全4巻)」と「四間飛車破り(全2巻)」を読破できるような読書好きであればいいのだけれど。いや、いまではそれでも足らないかもしれない。

次は桂頭と角頭が急所であるという話をする。
仕掛け方講座2 仕掛けの急所

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私がkindleで書いたもの。とくに下の本は最近出たのでぜひ感想が欲しいのです。普通に買うと素人の本250円で50問は高いと思いますが、KindleUnlimitedに登録しているなら実質タダなので読んでみて感想ください。とにかく役立つのかが知りたいのです。

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