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実戦!詰めチャレのススメ

将棋クエストという将棋アプリがあります。いくつかある無料で将棋を指せるアプリの一つです。
その将棋クエストに、さいきん「実戦!詰めチャレ」という機能がandroid版の将棋クエストに追加されていました(iPhone版はもっと前からあったよう)。その名の通り、将棋クエストで過去に指された対局から詰みのある局面を抜粋し、実戦詰将棋の問題としたものです。

私も使ってみて、非常にいい機能だと思いました。おススメです。この機能によって、といと的オススメ将棋対戦アプリは、将棋クエストになりました。

詰めチャレのいいところ


詰将棋は大事だとはよく言われます。実際、やった方がいいと思います。でも、解けないとつらいし、つまってしまうと「本当に役に立ってるの?」 「強くなっているの?」となんて疑問もわいてくるかと思います。詰将棋を書籍等で学ぶのは、好みが分かれるところです。
詰めチャレは詰将棋の本を読むのとは、違った感触があります。時間制限があるので、止まっている暇がありません。ゲーム感覚でトントン次に進んでいけます。成功、失敗のフィードバックもすぐにあります。レート制なので、自身の立ち位置も分かるでしょうし、数字を上げていく楽しみもあります。
それぞれの問題にもレートが設定されており、自分のレートに合った難易度の問題をAIが自動で選んでくれます。

実戦から出しているというのもいいですね。
かつて「詰将棋必要ない」と発言したプロ棋士のインタビューが話題となりましたが、同時に「自分は棋譜並べしながら実戦で出る詰みはちゃんと考えている」とも言っていたはず。まさにそういう「実戦的な詰み」だけに集中できる機能です。

まだ必要な周辺機能がそろっていない感もありますが、すぐにそろっていくでしょう。チェス由来だと思いますので、お手本がすでにあります。

指し将棋との相関は?

指し将棋とのレーティングにどの程度の相関性があるのか気になるところです。

私は将棋クエストで2200~2300のレート帯にいます。いっぽう詰めトレはまだまだ収束していないのですが、1800点の問題もけっこう間違えるし、2000点の問題は解けたり解けなかったり。2200点以上の問題は解けたためしがありませぬ。1700~2000くらいに収束しそうです。もともと終盤は苦手なうえ、ひらめきはだいぶ衰えているので仕方ないですね(それでもここ1年でかなり将棋を指しているので、ましになってきてます)。

自分のことはいいのです。一般的にどの程度の相関があるのか気になります。データ持っているのはたぶん製作者様ですよね。指し将棋と詰めチャレの相関性はどの程度なのか、情報たまったら統計的に分析してほしいなーと思います。
私といと自身は、ひらめきがまるでない特殊タイプだと思っているのですが、似たタイプも多いのかもしれません。案外相関性が低いかもしれない疑いもあります。

仮にそうだとしても、それはそれで一つの大事な知見です。

詰めチャレとチェスの比較

詰めチャレにも限界もあります。
チェスの「タクティクス」問題が発想の原点だと推察されますが、チェスサイトの自動タクティクスは、その手順を指せばはっきり勝ちか、その手順を指さないとはっきり負けの問題で構成されています。内容も中盤から終盤まで幅広い。初級者から上級者まで、とりあえずやっておけば間違いない勉強法らしいです。
しかし詰めチャレは詰みだけ。将棋は2手差つければ詰まさなくても勝ちなことが多いし、レートに寄与する要素としてタクティクスよりは小さいでしょう。中終盤について、詰めチャレだけでは学びきれません。

ちなみに、中盤に関しては、将棋だと当たり前だと思われる「部分図問題」の概念自体が、チェスにはないっぽいんですよね。手筋に関しても、簡単な両取りだけしか紹介されていないよう。
この概念の違いは示唆的です。将棋は持ち駒を含めると対局中の駒数が変わらないとの前提があるため、駒数を減らしての抽象化ができるのだと考えられます。チェスについては、1枚1枚の駒のパワーが強く常に盤面全体を考える必要があり、駒を減らしての簡略化はできず、ゴールは簡単な両取りでもいかに実現させるか、させないか読むのは大変なのでしょう。

チェスに関しては、私自身おべんきょ中の初心者です。間違ってたらすみません。

最後に

最後にひと言。将棋にどんな楽しさを見出すかは人それぞれです。

私自身にとって将棋のよさは、それなりに頑張ればそれなりに上達する点にあります。上達する楽しさが将棋にはまった原点なので、将棋の上達法を主にnoteに投稿しています。ゲーム感覚も好きなので詰めチャレをおススメしました。

しかし当然、ほかの楽しみもあるはずです。
ある方は将棋にはまった理由について、「将棋を指すことで友達が増えたから」と話していました。特に子供の頃に将棋を好きになる理由として納得のいくもので、非常に印象的でした。
「将棋を指すこと自体」の楽しさもあるはずでしょう。強くなくても将棋は楽しめます。上達法にも正解はありません。

ここ半年程、YouTubeなどでの将棋配信も見ているのですが、負けたら悔しくも、楽しく将棋を指しておられます。これからも将棋界が楽しく将棋を指す場であってほしいと願っております。


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私がkindleで書いたもの。KindleUnlimitedに登録しているなら実質タダなので、ぜひ読んでみて感想ください。

読まずに指す将棋の思考法(最新)

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主に私が5分切れ負けの持ち時間で指した実戦からテーマとなる局面図を取ってきて、どのような考えからどのような手を指して、結果どうだったかをまとめたものです。
強いひとほど深く読んでると思われがちですけど、私レベルでは実際はたいして読めません。読めないなりにどう決断しているかを知ってほしいと書いた本です。

将棋上達法の交通整理(過去本)

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