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戦略について:マーケティング思考と代表的なフレームワーク(森岡さんのUSJの本のまとめ)

こんにちは、ちょっとお久しぶりですかいかいです。サラリーマンです。

自己紹介しますと、
デジタル系の広告代理店で働いていて、片やクライアントのコミュニケーションプラン考えたり、片やテクノロジー系の部署で社内・社外問わず付加価値や生産性向上のためのプロダクトの企画や要件定義をするような仕事をしています。

最近、会社の部署内で「戦略」って言葉が一人歩きしているように感じてます。
もともとデジタル代理店っていうのもあって、実行だとかオペレーションだとかに強みがあった会社で、いわゆるストプラ的な機能が体系だってできたのは最近のこと。

「戦略を立てるのが僕たちの仕事だよ」と言われても、なかなか統一見解がなく、「ブランド戦略」のことを言っているんだか「コミュニケーション戦略」のことを言っているんだか「メディア戦略」のことを言っているんだかもよくわからない感じで、混乱しているわけです。
(例え冠に「●●戦略」とついたからと言って、そこにも共通認識があるわけでもなく)

抽象的な話だし、上位レイヤーの手段が下位レイヤーの目的になる、みたいなこともあるので、文脈によって「意味がブレる」ことは当然の概念なのですが、、、
捉え所がないなりに、「その文脈だったら自分にとっては、その話」くらいまでは掴めるようになって、同じ視座で会話できるようになっておきたいな、と思って「戦略」について勉強しようと思いました。

というわけで金曜も休みをもらって、今はいろんな本を順番に読み進めています。

まず、突然、本の感想書きたくなった動機を忘れないために、金曜もお休みいただいた4連休中に出会った「アクティブリーディング」について紹介します。

本をまとめる動機になった「アクティブリーディング」の話

「0秒思考」でお馴染みの赤羽さんの本である「アクティブリーディング」という書籍に触発されて、また読んだ本をアウトプットするようにしてみたいと思いました。

赤羽さんは元は製造業でエンジニア、からのマッキンゼー出身のコンサルタントでご自身がコンサルティングファームの厳しい環境で生き残るために使ってきた知恵を24冊もの本にまとめているすごい人です。

特に、「0秒思考」は結構至る所で聞きますし、Amazon商品ページによると34万部売れているみたいですね。
私もこれを読んでて、A4用紙箱買いして、PILOTの青ペンで情報整理していたりします。未読の方はぜひ読んでみてほしい!

それでたまたま出会った本が、下記の「アクティブリーディング」です。
よく言われる話ではありますが、「アウトプットを前提に読書をしよう」系の本です。

特に目から鱗だったのは、本を読みたい気持ちっていうのが「スーパーの閉店前に買う刺身と一緒」という部分が言い得て妙だと思いました。
買ってしまった本は、その日のうちに読んでしまわないといけないと心から思える本でした。

自分に必要な本だけを、取捨選択して戦略的に読もう、という「攻めの読書」を提案する書籍です。

ということでnoteに読んだことをまとめることで、フィードバックをもらいながらアウトプットしていくぜ。という方針になりました。

無理せず、ハードル下げて頑張ります。

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方

マーケター界隈のみんななら誰でも知っているんじゃないかというくらい今や有名になっている森岡さんの書籍です。

自分の提案書にWHO-WHAT-HOWのフレームワークを上手に盛り込んでみたいと思い、読み始めてみました。

内容としては、森岡さんがUSJにジョインして、マーケターとして売上(トップライン)を伸ばすというミッションを持っている中で持っていたマインドセットや実践した内容を軸に、「マーケターってどんな仕事?」「戦略的思考とは?」という部分を、非マーケターに向けてわかりやすく説明するために書かれた本です。

実はNewsPicksの番組で、森岡さんが率いる「刀」のワークショップのダイジェスト動画が会員向けに公開されているのですが、この本の内容とつながっている部分が多かったです。
USJの勝ちパターンや思考法はあらゆるビジネスに転用可能なんだな、とより強く信じられると思いました。

本の内容としては、まとめると
①マーケターとしての仕事とは?(2割)
②マーケターの思考とは?(2割)
③の背景にある森岡さんチームの事例(4割)
④マーケターのキャリア(1割)
⑤その他(1割)

くらいの内容だとおもました。かなり、事例が多めで、その時のエピソードとかの話が飽きさせない面白さで描写されてて、楽しく読めます。

僕が今回知りたかったのが、「戦略」についてと、それを実務で実践するため・提案に落とし込むためのフレームワークの理解だったのでそこに焦点を絞ります。

マーケティング思考とは?

正直、書籍だと「マーケティング思考」に関する言及はあまりなく、画像のような包含関係になっていることを理解してください。ということに行数が割かれていました。

一方で「戦略的思考」については丁寧に書いてあったのでそれをもとにマーケティング思考を考えます。

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論理的思考は、よくビジネスマンのポータブルスキルの文脈でよく登場しますが、筋道立っていることや道理が通っている秩序ある思考全体のことを指すと思います。
この後の戦略的思考につなげるなら「目的と手段の対応について筋が通っている(ただし現状やリソースなどは考慮しないことも含む)」という思考のレベルになります。

一方で戦略的思考は「目的を限られた資源の中で達成する手段を見出すために”取捨選択”する思考」と言えます。筋道だっている中でも、選択を行い、持っている情報・資源の中で成果を出すための思考です。

森岡さんは、ビジネスマンとして成果を出すなら、マーケターであろうとなかろうと、戦略的思考を持ち合わせていた方がいいと述べています。

そして、戦略的思考をマーケティングに活かす考え方が「マーケティング思考」そのものでしょう。
マーケティングの文脈で登場する実務において「どう戦うか?」ということ以上に「どこで戦うか?」ということを決め「勝てる戦」を探すことがマーケターの指名だと書かれています。

下記で紹介する、マーケティングフレームワークを戦略的思考を持って使いこなす思考過程がマーケティング思考だと解釈できます。
マーケティングフレームワークを通して得られる洞察や着眼点(ここに勝ち筋があると光が見えてしまう感じ)を持っているのがマーケターですね。

代表的なマーケティングフレームワークWHO-WHAT-HOW

戦争においては、
・目的:〇〇国を占領
・目標:〇〇市を制圧
という目的・目標が定められます。

目標を達成するための、方針が戦略となり、戦略を実行する具体的な実行が手段となります。

マーケティングに置き換えるなら、
・目標:WHO(誰がターゲットか)
・戦略:WHAT(何の価値を届けるか)
・手段:HOW(どのように・何を媒介に届けるか)
と整理されます。

この前段に、
実行する環境・ルールの把握(現状把握)と何を勝利とするか(目的)を定義するわけです。

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【現状把握】
現状把握は、精度が高ければ高いほど、その後の工程に響く大切な段階です。
自分たちがこれから戦う環境はどのような環境なのか?何を動かしたら何が動いてしまうのか?などゲームのルールを把握するために、市場構造を理解するための分析をします。

本書で紹介されているツールは、5C(消費者、自社、顧客・パートナー、競合、コミュニティ(マクロ環境))を分析することです。

優れた軍師は、いつも戦場になる場所に足を運び、どこで働くと有利かどうか「考える」ことに心血を注ぐそうです。
この工程をやり抜くことは、マーケティングを成功させる上で非常に重要です。

【Objective:目的】
戦況分析が済んだら、目的を定めます。良い目的を定めるために3つのガイドが紹介されています。
「到達可能性」「シンプルさ」「目的の魅力」です。

目的設定次第で、メンバーのモチベーションは左右されます。頑張ればいけると思われる・わかりやすい・やる気の出る目標設定をすることを通して、チームは最高状態で戦略を実行に移すことができます。

【WHO:目標】
目的が定まったら、目的達成するための目標を定めます。
マーケティングで考えるならば、対象にする消費者グループの発見し、選択します。
自社が所持しているリソースを「誰には投下して・誰には投下しないか」を選択するプロセスになります。

なぜ消費者を選ぶかには2つの理由があります。
①消費者ごとの「欲望の強さ」は異なるため、それが強い消費者グループに絞り込んだ方が効率が良い
②消費者ごとに「欲望の方向性」が異なり、万人受けする商品などは存在するのが難しいため質が似ているグループに絞り込んだ方が良い

以上のような理由から目標を絞り込みます。

その際、ターゲットも2つのレイヤーに分けて考えることが紹介されています。
「戦略ターゲット」:目的を達成する上で、対象にならない消費者グループを除外したもの、彼らに向けては予算を投下してもポテンシャルがあると判断する範囲
「コアターゲット」:目的を達成する上で、特に予算を多く投下するべき消費者グループ、消費者理解に基づいて様々な切り口で分析し、良い切り口を見つけることで目的達成に向けた伸び代を発見する必要がある

コアターゲットを定めたら、彼らのことを観察していくことで消費者理解を深めていく必要があります。本人すら気付いていない本音・悩みを「インサイト」と呼び、インサイトを衝くようなコミュニケーションをすることができるとこの後にくるWHATが非常に届きやすい状態にできることが多いと紹介されています。

消費者理解の重要性を、本を通してもかなり強調していました。

【WHAT:どんな価値を届けるか・戦略】
いわゆる「ブランドエクイティ」の中で、コアターゲットの商品を買う理由になるような価値をWHATに定めます。

ブランドエクイティとは、例えば「松屋の牛丼」と言われて連想される、映像・言葉の全てを指します。(湧き立つ湯気、やすい、コスパ、「味噌汁無料」、「黒七味」、カウンター席の材質、券売機etc...←全部ブランドエクイティ)

ブランドエクイティの中でも特に、ブランドが選ばれる理由になるものをWHATとして定める、それを押し出していく、ということが戦略になるのです。

注意点として、「何を」届けるかで間違わないようにしたいのが、届けていることをそのまま製品と考えるのではなくブランドエクイティとして考えることです。
松屋が提供している価値は、「牛丼」ではなく、「手軽に安く腹を満たせる」かもしれませんし「ご飯を選ぶめんどくささの解消」かもしれません。

消費者にとっての便益を軸に、価値を定義し、競合が誰かも含めて見定めていく必要があります。

【HOW:どうやって】
WHATで紹介したように、ユーザーにとっての便益がWHATなので、それを伝える媒介になるものがHOWになります。
牛丼の例で言えば、「手軽に安くはらを満たせる」がWHATでその価値を見て足してくれる媒介になっている「牛丼」がHOWです。

HOWを整理するためのツールとして、マーケティングミックス・4Pが消化されています。
4PはProduct(製品)・Price(価格)・Place(流通・場所)・Promotion(宣伝・販促)ですね。

4Pまで落とし込むと、かなり実行寄り・消費者がいる現場寄りのテーマになってきますね。

森岡さん自身が、若い頃はHOWレイヤーの実務が得意じゃなかったようなのですが、どんなに戦略が良くても実行が伴わない限りは飛び抜けた成果が出せないということを自身の体験からものすごく強調しています。

学びたかった部分のまとめは以上です!!!

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