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急速に変化していく保険業界

保険業界の変化のスピードは速くなっていきます。どのように変化していくのかを書いていきます。

ユーザーは賢くなっている

少し前までは、ユーザーの金融リテラシーは、ゼロか、ほぼなく、金融提案は情報の非対称性がものすごい業界でした。
また、ユーザーは提案を受ける前、金融商品のスペックを知ることもできませんでした。ユーザーはプランナーの提案を受けるがままでした。
ところがネット社会が進み、保険も比較サイトなどが登場し、ユーザーが簡単に保険商品スペックを提案を受けずとも知れるようになりました。
また、ユーザー同士のコミュニケーションによる情報収集も容易になりました。
こんなユーザーに、従来型の提案(直販の保険営業でいえば、うちがの提案が一番です!といった内容)をすると、この○○プランナーはガラパゴスでダ〇だな…と思われ、サヨナラです。

これが何を意味するか

端的に言うと、従来型の保険会社の直販営業は、自社の商品だけを扱うのは厳しくなっていくでしょう。
海外では直販メーカーの営業も、他社商品を扱えるようになってきており、直販メーカーの代理店化が進んでいます。
国内においては、メーカーが保険代理店を買収したり、子会社で保険代理店を立ち上げるケースが増えています。
また、レガシーを引き継がずに済む新たな保険会社を子会社で設立して、その新会社で生産性の高い、効率経営を追求しています。
商品スペックで他社に劣る商品を、プランナーの人間力、営業力、付加価値で売るというビジネスが限界に近づいていきます。

外資系生保の直販プランナーだけが優秀な時代の終焉

以前の保険業界は、外資系生保のフルコミッションのプランナーのみがハイレベルな人材を揃え、コンサルティング営業を行い、他チャネルを圧倒していました。
業界では、泣く子も黙る外資系生保プランナーとして、畏敬の念を抱かれていました。
ところが最近では、訪販系保険代理店が増え、元外資系生保のトップクラス人材が流出しており、レベルや提案も外資系生保を凌駕する保険代理店が増えています。
そのような訪販保険代理店と直販営業のコンペとなると、前者の圧勝です。
俺は外資系生保のプランナーだ!といったことが、通用しなくなってきています。

見えない保険代理店が伸びてくる

今後は、優秀な人材を集めて、富裕層やアッパーマーケットに提案をしていくコンサルティング営業の訪販保険代理店と、DXを活用してマス層をテクノロジーアプローチしていくオンライン保険代理店が伸びていきます。
中途半端なゾーンでビジネスをしている会社は厳しくなるでしょう。
保険代理店も全てが伸びていくのではなく、保険ショップなどの窓販系は、コロナの影響も大きく、売上が10~30%ほどダウンしています。
待ちの営業では厳しくなり、マーケティング力で攻めながら来店誘導しないと厳しくなります。
窓販も、ショップ展開は、ブランド認知向上や、デジタルが苦手な層の対応をリアル店舗でしつつ、オンライン対応比率がどんどん上昇していきます。

訪販保険代理店の見える化

保険代理店はショップ系チャネルのある会社は、ユーザーへの認知が容易ですが、訪販やオンライン保険代理店は認知度が低いです。
これらの向上がキーになってきます。
web上で、訪販やオンライン保険代理店の一括紹介サイトなどが増殖していくでしょう。
これらの保険代理店のマーケティング、認知やブランディングが加速していきます。

巨大保険代理店、高生産性保険代理店の誕生

大型保険代理店というと、窓販系が主ですが、訪販やオンラインの大型保険代理店ができてきます。
多くの保険代理店が数十、数百名規模だったものが、数千名規模のところも増えてくるでしょう。
ここまでくると、直販営業は事業変革をしないと競争優位性を失います。
また、人数は少なくとも、圧倒的な生産性をあげるオンライン専業保険代理店が躍進してきます。

BaaSのような動きが保険業界に訪れる

今後はネオインシュアランスの動きが進みます。
スーパーアプリや大量の会員を抱えている企業の生保事業への参入が増えていきます。(すでに結構あります。)
少額短期保険や第三分野保険、損保などが見受けられますが、本丸の生保領域にも進出していくでしょう。
toCの顧客接点を持つ企業の価値が高まっていきます。
すでに大量にいる会員を保険顧客化したり、大量のユーザーリードを確保できる企業が優位になります。
Amazonが保険事業を検討しているニュースなどにもある通り、GAFAMクラスも参入してきます。
Amazonで赤ちゃんのオムツを買ったら、自動的に生保の提案があり、1クリックで加入という未来も、容易に想像できます。
新規顧客リードをDX化できる企業が勝ち残ります。

もはやマーケットは地上戦ではない。

いまだにテレアポ、対面訪問、来客誘導、紙ものといったアナログから脱却できていない保険業界ですが、もはや保険ビジネスの戦場は地上戦ではなく、空中戦になっています。水面下では潜水艦、空中には戦闘機、なかにはステルス、そして無人ドローン、宇宙にはスペースシャトル、衛星といった状況です。
他社の動きに気付いた時には、アナログ企業は一瞬で殲滅させられてしまいます。
ガラパゴス企業は真剣にDX変革をしていかないと数年後にはもう生き残れないかもしれません。






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