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四国の雨【NORAオートバイ10】


私はバイク用の服は嫌なので、いつも普段着で乗っています。
もちろん合羽も嫌いです。動きづらいのが嫌なのです。そのため雨が降ると自然のすべてが敵となります。

でもその日は、一応ワークマンで間に合わせに買ったのをバッグ積み込んで、
瀬田から東名高速に乗りました。すると、雨が。

しょうがないから海老名のPAで止まって、バッグを開けて合羽を着こみました。
雨はどんどん本降りに。そのまま東名を西へとひた走ります。

琵琶湖を回る予定なので、目的地は滋賀です。
雨の日にバイクで高速を走っていると、本当に悲しくなってきます。車が警戒して近寄ってこないのがなおさら寂寥感を募らせます。不安定な乗り物ですから。

左車線をずっと走ってようやく彦根ICで降りてしばらくいくと、雨は止んで太陽が姿を見せました。

さすがワークマンの合羽だけあって、デザインはともかく防水性能はなかなかのものでした。
失敗は、防水の靴を履いてこなかったことです。
それでも、30キロも走っているとそのうち乾いてきて、
その日は琵琶湖の北の方で野営をしました。

晴→雨
翌日は、晴天。京都経由で明石まで行き、明石大橋を眺めながら浜辺でまた野営。
夜明けとともに起き出して明石大橋を渡り、淡路島に寄り道しつつ、徳島経由で高松のホテルへと着きました。ついでに2りんかんでオイル交換もしました。
野営はごみを捨てる場所がなく、荷物がパンパンになるので2日連続が限界です。

順調だったのはこの辺りまでで、翌日はまた雨。愛媛・西条市のキャンプ場で昼過ぎからテントの中で雨宿りをすることに。

晴→雨
翌日は雨が止んだので山を抜けて高知へ行き、そのまま室戸岬まで走り、適当に野営をしました。
その翌日はまた雨。びしょびしょになりながら宇和島のホテルにたどり着きました。

そして翌日はダメ押しの土砂降り。
ホテルを出て北上し、半ば意地になって八幡浜で野菜しか入っていない不思議なちゃんぽんを食べつつ、ざーざー降りの海岸線をひた走り。

雨→霧
夕方に今治の海辺についた頃にようやく雨は上がりましたが、靴は乾くことなく。
気持ち悪いので靴下代わりにアイラップ(*)を履いていました。

雨は上っても濃霧のため、目の前にそびえているはずの西瀬戸自動車道の橋は見えません。

翌朝も霧はかかったまま。しまなみ海道を渡っていても周辺がずっと霧に覆われていて、島々が見えないという悲しい結末に。

晴→晴
ところが、本州(広島)に入ってからはずっと快晴で、岡山の総社などで野営しつつ家に帰りつきました。


反省した私は、次に九州へ行くときに、Y'Sギアというヤマハ系のメーカーから、おしゃれな合羽を買いました。
そして靴も防水に。いつ雨に降られても大丈夫です。

ところが、今度は10日間の旅の間、ほぼ雨は降らず。

阿蘇も鹿児島も有明も玄界灘も快晴の中を走りました。

いちど別府あたりでパラパラ降ってきたので、よし、と思って合羽を着たらすぐに止みました。
3000キロ、ほぼ快晴でした。合羽必要ありませんでした。
傘を持っていると雨が降らないという格言は本当のようです。

(*)万能ポリ袋。石川県の人はキッチンに常備しているとか。

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