#140究極の鍛錬

自分が大学生の頃に読んだ以来の読了。Talent is Overrated.というのが英題であり、どんな偉業もその裏には血の滲むような努力、それも意識的で自分のコンフォートゾーンを超えていくような努力を行い続けることが必要ということ。現代においては様々な情報にアクセスでき、学ぶためのリソースが豊富にある。後は自分の覚悟と日々の努力次第であり、明日の希望を与えてくれる一冊から、抜粋。

・驚くべきことに達人たちの能力は驚くほど一般的。

・ビルゲイツは最も優秀な20人が抜けたら、マイクロソフト社は意味のないものになるだろうといっていた。コアコンピタンスは個人にある時代であり、個人の能力が価値がある時代になっている。

・ウェブで結びついた世界においては、ずば抜けることに価値があり、ますますの報酬がもたらされる。

・チェス、テニス、音楽にしろ、当初から有意な能力さがあったわけではない、あったのは努力量の違い。生まれつきの才能が仮に存在するとしても、それは重要ではないかもしれないのだ。

・ビジネスの世界においても同様のことが言える。ジャックウェルチは当初から成功を約束されていたタイプの若者ではなかったという。

・バフェットは若い頃、熱狂的なチャーチスト、マーケットタイミングを計る投資家になろうとし、その後現在の投資スタイルに辿り着いた。最初から天才的な才能があったわけではなかった。

・偉業を成し遂げるには、頭の良さも実は関係がないこと。記憶力もない(チェスの名人でも平均的な記憶力の人がいる。)

・偉業を生み出すために必要なことは、究極の鍛錬と言われる練習で、これは下記の要素を含む。
1.しばしば教師の手をかり、実績向上のため特別に考案されている(何を解決すべきかを特定しながら行うこと)
2.何度も繰り返すことができる
3.結果に関し継続的なフィードバックを得ることができる
4.精神的にはとてもつらい(対象を特に絞り込み、集中して努力することが求められている)、5.しかもあまり面白くない

・自分がうまくできない点を意識し続けながら鍛錬をすることが、究極の鍛錬の本質である。

・この訓練によって、普段は暗黙的にこなしていたことを意識するようになり始める。例えば、プロテニス選手が、どこに相手がうってくるようになるかが分かり始める、など。少し先の未来を有意な形で予測することができるようになる。

・より少ない情報においても、正しい決断を導き出し、実行することができるようになる。

・日常生活への活かし方には、チェスモデル(あなたならどのように動かし、プロはどのように動かしたのかの差分を研究する)、スポーツモデル(特定の最も役に立つ能力を伸ばすための特別な訓練)

・素晴らしい業績を達成する人は、自己有能感と呼ぶ強い強烈な信念を持って仕事に取り組んでいる。

・究極の鍛錬が自然に職場で行われる環境においては、一番優秀な人材を採用できるばかりではなく、個々人がいきいきと活動することができる。コンフォートゾーンではなく、ラーニングゾーンに該当する課題を意識的に与えること。

・創造性すらも、才能によってではなく、鍛錬によって生まれる。ビートルズをはじめ素晴らしい作品を作った人々にはやはり10年の歳月が必要であった。優れたクリエーターは、最先端の知識に身を置き続けた人達がたどり着くことのできる世界。

・内的動機を育てること、挑戦できる環境を作ること、乗数効果を意識して、少しづつ舞台を上げること。これらが長い間厳しく、辛い鍛錬に耐えるものを育てる。

・偉大な業績は誰もが手に入れられるもの。

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