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十勝まきばの家diaryよりみちlog/中林さんのおはなし

十勝まきばの家ワイナリーを支える醸造家2名のうち1人の中林 司(なかばやし つかさ)さん。元池田町ブドウ・ブドウ酒研究所長の経歴と、ワイン醸造技術管理士(エノログ)の資格を持つ貴重な人材です。

自ら選果の現場にも立ち会います

札幌市出身の中林さんは愛媛大学で生物学を専攻、植物生理学教室で研究していた酵母菌の知識を活かそうと「十勝ワイン」で知られる池田町ブドウ・ブドウ酒研究所に入所したのは1975年のこと。同年に町営まきばの家がオープンしたことにも何か運命的なものを感じます。
研究所時代に各国のワインを飲む機会に恵まれたこと、大石元町長から地域に多様なワインがあることを教えられたこと、またさまざまな商品を開発してきたことが現在の中林さんの財産になります。

当時研究所で作るワインの原材料は山ぶどうや清見種、試験用に輸入した品種とキャンベルが主で、雨の多い日本でヨーロッパ品種のぶどう栽培は困難なことでした。それでも山幸や清見、清舞など耐寒性のあるぶどうが育ち、半世紀の時を経てやっと地域独自のワイン産業が歩みだしました。

長年の経験が十勝まきばの家ワイナリーで活かされています

中林さんがワインづくりで改めて実感することは、ぶどうを加工すると同じ品種でも地域を代表する産品となりうること。池田町の自然気象やぶどうの生育、収穫のタイミングなどをしっかり見極め、目的の醸造にあたる。自然との対話や、生き物(酵母)との対峙の難しさもまた楽しい…そう語る表情に長年培った経験と技術がきらりと光ります。

樽詰め作業をおこなう目は真剣そのもの

十勝まきばの家は、十勝ワインの歴史とともに歩んできました。現オーナーである林会長と中林さんとの出会いも、また必然であったのかもしれません。
研究所でワインを通じ、池田町のワインづくりのストーリーを描いてきた中林さんは、十勝まきばの家ワイナリーでも地域のワイン文化を継承し、新しい個性を引き出し、世界が認めるワインへと歩みを進めています。


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