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男と女、どちらがヤキモチか?

 あらゆる生物も、オスとメスは食うか食われるかの関係にあるという進化生物学者は多々います。人間も男女間で愛情を育て子を産み育て種の繁栄を目指しているかに見えますが、そこに異を唱えるのですね。各々の個はそれぞれ自己的で自分の遺伝子を殖やすようにプログラムされているというのです。それが結果として強い種が生き残っているのだと。

 このことは、動物が子供を育てる時に観察できます。ある生物学者は親が子を育てるのに3つの要素が関連しあっているというのです。経済学的ですがそれは、

 ①  生殖コスト オスとメスどちらが出産に時間と労力を費やしたか

 ②  機会損失  子育てをすることで、さらなる性行為が減るのはどちらか

 ③  不確実性  その子は本当に自分の子なのか


 人間の場合ですと①では、明らかに妊娠から出産に至るまでつわりやお腹のふくらみで普通にできた行動がままならなくなる女性の方が、こう言ってはなんですが大きな投資をしているのです。だから子供が可愛いと思うのは女性の方なのです。

 ②については男が損失を被るのは当然です。記録に残っているのではモロッコ皇帝モーレイ・イスマイル(血飢王)には700人の子がいたそうです。呆れてしまいますね、ハーレイのゴリラでさえそこまでやるかという感じです。だから一人の女性を出産させただけで「子育て」に入ると大きな繁殖機会を失うのです。女性は複数の夫をもとうが出産する赤ん坊の数は増えるわけではないのですし。

余談ですが、一夫一妻制で損をするのは男とは限りませんよ。基準は経済力であろうが腕力であろうが男のそれが低くなるにつれ、ペアとなりそれなりの美貌を持った女は割りの合わないエサ(給与、名誉)しか教授できないのです。それより、先の皇帝ならたとえ10番目の妾であっても幸福になるかもしれませんね。経済格差が如実に現れている日本においてリアルです。

 ③も一般的に損失を被るのは男です。ヒトはメスが体内受精する以上、女性が生まれてくる赤ん坊が自分の子であると確信できるのです。それに対し、男性はこの子とは血が繋がっているのか半信半疑で育てないといけません。現代社会では、知らずうちに血の繋がらない子を育てさせられているはずはないとはいえ、遺伝子には用心する心が刻み込まれているのです、嫉妬心が。

 機会は多くあるのに一人の女性の子の子育てに専念するのには訳があって、ヒトは成人するのに20年近くかかるからです。自分でエサ(給料)を獲得できるまでに見放されたら飢え死です。そうすると、性行為を次から次へと繰り返しても自分の遺伝子を残せないからやむを得ず子育てに専心するようプログラムされているのです。嫉妬心が強くないとオスは生き残れなかったのですからヤキモチを女の専売特許にしてしまうのはどうかと思います。

 ハーレム、乱婚、一夫一妻さまざまなオスメス関係がありますがこれも上の①~③の要素から見てみると面白いですよ。ゴリラ、チンパンジー、ヒトがどのように枝分かれしていったのかのヒントになるでしょう。

男と女は本当は敵対するに関する英文記事

The most extreme female socioeconomic disadvantage is found generally in agrarian and pastoral societies. Virtually all the great world religions,  namely, those that spread beyond the tribal level, developed in agrarian or mixed agrarian and pastoral societies. Those that became monotheistic (e.g., Judaism, Christianity, Islam) dropped the female element entirely from their concept of the deity and original creation. They came to view the sexes in an individual fashion. Women were barred from formal religious roles such as the clergy, were defined as polluted or as temptresses , and were made subject to the secular as well as sacred authority of male kin. Even when monotheism did not develop(e.g.,Hinduism, Confucianism), the name types of controls over woman came to be justified by religion on the basis of women's supposed innate inferiority. 
 女性が最も極端な形で社会的経済的な不利な立場に立たされるのは、一般的に農耕牧畜社会においてである。世界的な大宗教、すなわち部族レベルを超えた広がりを獲得した宗教のほとんど全てが、農耕社会あるいは農耕・牧畜の混合農業社会において発達した。一神教となった世界宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教など)は造物主とその創世記という概念から女性の要素を完璧に削ぎ落とした。一神教は、男女について、いまいましい見方をするようになった。女性は僧侶の地位など公式の宗教的役割から排除され、汚れたもの、男を誘惑するものと定義され、男性族の神聖な権威だけではなく、その世俗的権威にも従属させられるようになった。一神教が発展しなかった場合(ヒンズー教、儒教など)でも、女性が生まれつき男性よりも劣っているという考えに基づいて、女性に対する同類の統制が宗教によって正当化されるようになった。

家族という砂上の楼閣

 家父長制度が定着したのは、どんな男も家庭を持てるようにしたキリスト教によるものと言われています。ところが事実上そこには無理があるのです。たいていの家庭は財布は妻が握っている。名字が変わろうと奥さんが経済的実権を持っているのです。

 ここでも生物学的にみるとこの帰結はわかります。人間は母系制が自然なのです。多大な生殖コストをかけ、明らかに我が子であることを知っているのですから。男は決まった家に帰ることなくあちこちふらつくのが自然。ただし、多くの男はキリスト教がつくった恩恵は得られませんが。生涯未婚男性はこれからも増えるでしょうね。





 

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