バルサミコ酢
家でのご飯に飽きていた。
仕事の後にメニューを考える脳が残っていないのだと思う。
基本は野菜炒めや卵焼き、味噌汁やトマトスープ、たまに飽きたらホットプレートで焼肉、休みの日はパスタ。
だいたいこんな感じ。
毎週ネットスーパーでまとめ買いをして、足りない食材があれば近所のスーパーに買いに行くスタイル。履歴から購入するから材料はほとんど固定されている。
先日、普段あまり行かないスーパーに寄ることがあった。こういうとき、お肉とパンのコーナーを見るのが好きだ。
「お、こんなん売ってるんや。ピザとかある!おいしそ〜」と確認するだけで、ほとんどの場合買わないけど。
この日はとり肉コーナーでせせりと軟骨を見つけた。いつもなら確認してただ通り過ぎるはずなのに、食べてみたくて買ってみた。
翌日、夫がネギとせせりを焼き鳥風に甘辛く炒めたおかずを作ってくれた。めちゃくちゃ美味しい。ムネでもない、モモでもない、せせり。こんなに美味しいと思わなかった。
軟骨は片栗粉をつけて揚げ焼きにし、塩をかけてみた。これまた美味しい。
家でのご飯に飽きたと思っていたけど、ただマンネリ化してただけだったのか。
最近夫は東出昌大さんのYouTubeにハマっている。
ある動画でオリーブオイルとお酢で作ったドレッシングを野菜とチーズのサラダにかけて食べていたらしく、「今日はこれ作る」と言った。
オリーブオイルは家にあるから、それ以外の材料を買いに行く。
バルサミコ酢、ケール、ゴーダチーズ。普段だったら絶対に手を出さない値段のものばかりだけど、思い切って購入してみた。
帰宅し、早速キッチンに立つ夫。「うまい!」という声が聞こえた。
わたしも味見をする。おいしい!
バルサミコとケールとチーズの塩味が最高に合う。
いつも緑の野菜なんて見向きもしない長女も食べていた。両親のテンションの上がり具合を見て食べたくなったのかもしれない。
多少値段が高くても、満足のいく食事ができるならお金をかけてもいいのかな。満足度が高いと量も少しでいいから、トータル変わらない気がするし。
余ったドレッシングはラップをして冷蔵庫で保存。トマトにかけても美味しそうだね、などと話していた。
翌日、キッチンから聞こえる夫の叫び声。行ってみると、バルサミコのおしゃれな香りが漂っていた。
トマトにかける分ぐらいは残ってるかな。
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