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2023下半期ふり返り③芸術家派遣プロジェクト

芸術家派遣プロジェクト2023

私が大切にしている「芸術家派遣プロジェクト」。今年も機会を頂きました。

河頭中学校「声っておもしろいね!」

 9月29日(金)、鹿児島市立河頭中学校に声楽アンサンブルカプリスがお伺いし、「声っておもしろいね!」を実施しました。

 とにかく暑かった!残暑の午後、日当たり抜群の体育館は大変なことに。派遣プロジェクトには十数年参加してきましたが、最もと言っていいくらい大変な環境でした。男声の黒い衣装は帰る頃には白くなっていたと噂。聴いてくれた生徒の皆さんも大変だったのでは。
 小規模の中学校ということで、ソプラノからバスまでの4声の独唱から、女声合唱・男声合唱、そしてメインの混声合唱まで、ひとつずつ丁寧に余すところなく聴いていただきました。最後の全体合唱では生徒さんたちもステキな歌声を披露してくれましたね。じっくりと味わってお聴きくださった河頭中の皆さん、ありがとうございました!

酷暑に負けずやり切りました。新生カプリス。

新生「カプリス」


 「声楽アンサンブルカプリス」。師である田丸寛先生が発足させ、先生亡き後は私が代表を引き継ぎ、メンバーでああだこうだ言いながら、こうした学校公演を大切に15年近く活動を続けてきました。
 カプリスにとって今年は大きな転換点に。助っ人参加も含め新たなメンバー3人を迎えたのです。これまでにも何度もメンバーの入れ替えはありましたが、歌い手7人のうち3人が新しいのですから、かつてない大きな変化です。
 レパートリーが固定化されつつある中で、新メンバーは本当によく対応してくださり、かえって旧来メンバーの方がルーズになっていた部分に気付かされるなど、気持ちを新たに取り組むことができた今季でした。

桜洲小学校「声っておもしろいね!」


 10月19日(木)、桜島の麓、鹿児島市立桜洲小学校に声楽アンサンブルカプリスがお伺いし、「声っておもしろいね!」を実施しました。
 噴煙を上げている桜島、その麓にある小規模な小学校での公演。体育館の隅には、児童が叩くという大きな「火の島太鼓」が堂々と鎮座していました。

 カプリスの定番レパートリー、ロッシーニ作曲の「猫の四重唱」。「こんな声の使い方があるのか!」と驚いてもらえる曲で、特に小学校では大切に演奏しています。猫耳をつけ多少の演技をつけたりしながら面白おかしく演奏すると、とっても喜んでもらえるのです。
 しかし今季は新メンバーが多いこともあり、「いつもの感じ」は通用しない!ということで、当日は会場で念入りにリハーサルを重ねました。これがまた難航してヒヤヒヤしましたが、本番では無事にやり遂げることができ、子どもたちも大喜び。新生カプリスのチーム力向上を感じた出来事でもありました。
 最後に元気いっぱいの子どもたちと「ありがとうの花」を歌って、公演を結びました。豊かな自然に囲まれてのびのび過ごす子どもたちとの合唱は、文字通りの熱演となりました。

桜島へはもちろん桜島フェリーで渡ります。よく噴煙を上げている頃でした。
「猫の四重唱」にひと苦労。子どもたちは元気いっぱい!

田代中学校「歌声の響き渡る学校」

 芸術家派遣プロジェクトの一環としてお任せ頂いているのが、錦江湾の向こう、大隅半島の錦江町田代中学校にお伺いしての合唱レッスン。合唱を大切にする校風で、「歌声の響き渡る学校」を掲げ生徒たちは日々合唱を楽しんでいます。そちらに年4〜6回程度お伺いして、彼らの合唱活動がより喜びに溢れるようお手伝いさせて頂いている、というわけ。この取り組みを学校の先生方もとても大切に考えて下さっていて、ありがたいことに今年で8年目を迎えました(校長先生が4人目です)。小規模校ゆえに「クラス合唱」という概念がなく、いつも「全校合唱」なのが特徴。異なる学年の中学生たちが、お互いに刺激し合いながら合唱を深めてゆく、そんなステキな環境なのです。
 今年は「変わらないもの」に挑み、最終目標である「春の祭典」での金賞を目指して一緒に頑張っています。今季は残り1回。どこまで深めることができるか、とても楽しみです。

レッスンを終えて帰る頃、薩摩富士の横に沈んでゆく夕日。

子どもたちと合唱に親しむ日々

 ここには芸術家派遣プロジェクトだけを記しましたが、普段から子どもたち、特に中学生とは合唱を通じてたくさんご一緒しています。
 母校である谷山北中学校には合唱部の外部コーチとして定期的にお伺いし、今年は校内合唱コンクールの審査員として喜入中学校と串木野中学校にもお伺いしました。とても嬉しいご縁から財部中学校でもレッスンさせて頂きました。年明け1月には、「春の祭典」に向けた追い込みレッスンが3件予定されています。
 混声3部合唱をはじめ中学生だからこそ歌える歌があるし、彼らの声で歌われてこそ輝く曲があります。中学校の合唱は、私にとっても原点。この先もずっと大切に、関われたらと思っています。


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