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10年。いま思うこと。

3月11日。東日本大震災から10年。
ここ数日は連日SNSやメディアで震災に触れる機会が多くて、色んな想いが込み上げ...出会った人や出来事を思い返す日々でした。

私は被災していません。震災当時も今も兵庫県神戸市に住んでいます。
そんな私ですが、経済面から長期的に被災地を支えたくて8年前に起業して、今も東北支援事業を展開する会社を経営しています。

よく「何がきっかけで今のような道を進むことを決めたのですか」と聞かれます。

正直、理由らしい理由はありません。
ずっと、そう答えてきました。

...でも、10年経って改めて考えていくと少し思い当たることがありました。

震災発生年の冬、2011年12月のことです。
私は初めて東北の被災地に足を踏み入れました。当時、私は大学2年生。
ライフラインが途絶して夜は真っ暗闇に覆われる宮城県南三陸町へ屋外灯を贈る「神戸ともしびプロジェクト」を有志の仲間と立ち上げてボランティア活動をしてしていました。

屋外灯を寄贈するために南三陸町を初訪問したときのことです。
初めてお会いする現地の被災された方々...。
行く先々で「ありがとう」の言葉を頂戴しました。

ただ、この一言。
「ありがとう」

私は、これほど辛く大変な中にありながら他者に感謝を伝えてくれる現地の方々に触れるたび、胸が熱くなって込み上げてくるものがありました。

「ありがとう」と言われるたびに、応援しにいったはずの私のほうが力を貰う不思議な感覚。辛い中でも歯を食いしばって前を向いて力強く歩もうとしているこの人たちと一緒に何かしたいと思うようになったのだと今になれば思います。

そのときに感じた「この人たちと一緒に何かしたい」が私にとっては「食べて/買って応援」や「ボランティア活動」ではなく、もっと直接的に町を盛り上げることに繋がる=現地企業が元気になるお手伝いをしたいと思ったことが起業のキッカケだったのだろうなと。
自身の生活と一体化させて企業活動を支援できる株式会社があれば、先10年の力になるはずだと信じた当時の自分。
そんな自分に震災から10年でようやく出会うことができました。

2014.03.11@朝日新聞

私の学生時代からの取り組みと起業して3年目ぐらいまでが纏まったインタビュー記事→ https://bekobe.jp/interview/2014/11/1267/index.html

上記インタビュー記事の末文で私はこのように語っていました。

”被災地支援のために何をすべきか、考えをめぐらせて新しい方法を導き出していくことが、今の僕の使命です。
被災地を支援する力になりたいという想いから会社をはじめましたが、ただの願望や自己満足で終わることなく、何十年か経ったときに心の底から「復興支援の役に立てた」と胸を張って言える自分でありたい。
そのためにも、僕らの活動そのものや共同開発した商品をどんどん世の中に送り出していきたいし、国内だけでなく世界に広げていきたい。だから、これからも全力で走り続けていく覚悟です。”

今も思いは変わりません。

この瞬間も私は自社の東北支援ブランドを2つ運営(サメ革専門のレザーブランド桑の専門店)していますし、ぜひ皆様に応援いただきたい東北の企業支援に繋がるクラウドファンディングも2つ稼働しています。
※クラウドファンディングは被災された方が実行者で弊社で企画や構成などをサポートさせていただいたものとなります。もし宜しければ下記2つのプロジェクトご覧ください。

▪気仙沼出身のパティシエが手掛ける東北素材にこだわったチーズケーキ
https://camp-fire.jp/projects/view/318557

▪南三陸×気仙沼の老舗かまぼこ店がつくる釣りエサ「魚肉ルアー」
https://www.makuake.com/project/pull-cmon-shad/


「震災から10年」
こう書くと、何かの区切りのようだし節目に感じる人がいるかもしれません。でもこれは復興途上にある1日。明日からもまた復興への道は続いています。

震災があり、復興する前に新型コロナが蔓延し、被災地は大変な中にあります。重々承知です。
でも...こんなときだからこそ私は被災地で働く人がワクワク楽しめるようなお手伝いをしていきたいなと思います。

初志貫徹。
社会にでて沢山の経験を積ませていただく中で出来ることも少しずつ増えてきました。私にできることは災害の規模からみれば本当に小さなことです。
それでも、これまで頂戴した「ありがとう」を胸に刻んで細くとも長く続くように、これからも東北の被災地とともに歩み続けます。

2011年12月_東北南三陸_防災庁舎前

※添付の写真は初めて宮城県南三陸町へ街灯寄贈するために訪れた2011年12月当時のもの。画質と映る景色に時間の流れを感じました。



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