君は自分の可愛さを理解した方がいい。
君は君が思っている以上に可愛いんだ。
幼馴染の僕が言うのだから間違いない。
先輩、同級生、後輩の誰からも君は
一目置かれる存在なんだ。

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
📱:♪〜
〇:「もしもし」
和:「〇〇」
〇:「なに？もう眠いんだけど。」
和:「今日咲月とお買い物に行ってね、」
和:「凄く可愛い服見つけちゃったんだ！」
〇:「そうなんだ。」
和:「どうかな、似合う？」

〇:「似合ってるよ。」
和:「ほんと？」
〇:「うん。」
和:「じゃあ今度お出かけしたいから、予定空けておいてね！」
和:「じゃあね！おやすみ！」
〇:「え、ちょっ」
ﾌﾟﾙﾝ

ほら、まただ。何かあると直ぐに時間に関係なく電話（もちろんビデオ通話）をかけてくるし、毎回毎回電話の終わりに一緒に出かける予定を立ててくる。なんで僕なのと聞いても〇〇が1番の仲良しだから！としか答えてくれない。こんなことが続くもんだから少しだけ意識するようになってしまった。

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
日曜日
〇:和まだかな、寒。
和:〇〇〜！お待たせ！

〇:和遅いよ。
和:ごめんね、気合い入れてメイクしてたら遅くなっちゃった。
〇:メイクしなくても和は十分可愛いのに。
和:え///私、可愛い？
〇:うん、可愛いよ。
和:ま、真顔で言うなっ！///
〇:照れてやんの〜
和:もう知らないっ！
〇:ごめんって、待ってよ。
和:お昼奢りね。
〇:まじ？
和:当たり前でしょ！女の子を弄んだ罰！
〇:別に弄んでなんか、
和:ほら、行くよ！
〇:分かったよ。

その後何件か服を見て気に入ったものは試着する和を待ち、その度に「似合ってる？」と聞かれるので毎回「似合ってるよ。」と言うと「そればっかり！」と怒られる。乙女心って難しい。お昼は2人でファミレスに入った。もう少しいい所に行こうと言ったけれど、「〇〇と一緒ならなんでもいいもん！」という和。だから意識しちゃうからやめて欲しい。デパートを出ると夕方になっていた。

和:もう夕方だね。
〇:そうだね、明日も学校だしそろそろ帰る？
和:待って！
〇:なに？
和:折角来たんだからさ、観覧車乗らない？

ここはかの有名な僕の好きなアーティストの歌の中に出てくる遊園地がある場所。街のシンボルとも言える観覧車。観覧車の中から見る夕焼けは綺麗だろうな。

〇:乗ろうか。
和:いいの！
〇:勿論。
和:よしっ！

和のガッツポーズは、なんだか可愛い。
螺旋状の階段を昇っていき、ついに順番に。

係:もうすぐ順番です。
〇:ありがとうございます。
係:楽しんできてくださいね！
和:はい！

観覧車がゆっくりと回っていく。

和:〇〇？

○:なに？
和:今日楽しかった？
〇:楽しかったよ。なんで？
和:なんだか楽しそうに見えなかったから。
〇:和が笑ってる姿を見るだけで十分楽しい。
和:、、、ずるいよ。
〇:何が？
和:〇〇はさ、私の気持ち考えたことないの？

〇:和の気持ち？
和:私はね、〇〇と一緒にいると凄くドキドキするの。今日もずっとドキドキしてたの。〇〇の優しい顔を見るのが凄く好きなの！
〇:和？
和:和は〇〇のこと大好きなの！
〇:、、、
和:、、、
〇:和？
和:、、、なに？
〇:僕はね、和が子供みたいにはしゃいでるところ
とか、何でも僕に聞いてくるところとか、人一倍
努力するところ、好きなんだ。
和:、、、
〇:友達にも井上さんのことどう思ってるの？って
よく聞かれるし、今までは何となく濁してたけど、
やっぱり言うね。

〇:和、僕は和が好きです。

和:和も、〇〇のこと好き。

〇:僕と付き合ってくれませんか？

和:、、、はい。

〇:嬉しい。
和:それ。
〇:ん？
和:私が見たかったのは、〇〇の笑顔。
〇:、、、
和:付き合ったんだから、〇〇のその素敵な笑顔、
もっと沢山見せてくれる？
〇:勿論。
和:ぎゅーしていい？

〇:いいよ。おいで。

ｷﾞｭｯ

和:いつから好きだったの？
〇:中学くらいからかな。
和:遅いよバカ。

〇:和は？
和:、、、小学生の時
〇:もっと早いじゃん笑
和:うるさいな。
〇:これから沢山思い出作ろうね。
和:今まで両片思いだった分、沢山作る。
〇:楽しみだね。
和:〇〇。
〇:ん？
和:大好きっ///

〇:///
和:あ！照れた！
〇:照れてないよ。///
和:可愛いな、〇〇は。
〇:和の方がずっと可愛いよ。
和:え///
〇:あ、照れた。
和:照れてないもんっ！

観覧車を降りたあと、月明かりに照らされた2人の手は繋がっていました。

今までの分を取り返すべく、
強く、固く、そして優しく。

fin.