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「おしえて北斎!」の背景画のはなし

1〜5話の公開以来、本当に色んなご感想を頂いていて、とてもありがたいです…。

というわけで、今回は私が担当させていただいた美術についてのお話です。

水彩は楽しいぞ

美術の部分で担当させていただいたのは、全体の色のトーンの指定や、ノート、イーゼルなどの小物類、背景画の作成です。
で、その背景画ですが、アナログ風に見える場面はほとんど全て「アナログ風」でなく本当のアナログ水彩や色鉛筆で書いています。

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もともと私はアナログ水彩で仕事をしているので、作業自体は慣れていたのですが、アニメとなると何しろ枚数が多い…!
1話につき、大小含めて20〜30枚以上描いていたので、絵具での制作としては確実に人生最大ボリュームでした。でも、自分の描いた絵の上でキャラクターが動いているのを見るとやっぱり嬉しくて「手を抜くわけにはいかん!」と夢中になって走り抜けた次第です。

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それに、どんなに複雑な絵でも、アナログだとなんかほっとするんです。絵具を出すこと、それを塗ること、水で滲むこと、時々はみ出したり水が跳ねて焦ること…。計画通りきっちり作れるデジタル作業に比べると、予想外の効果が多く入りますが、それがまた、作品と自分がおしゃべりしているような感じがして楽しい。
作業そのものはお仕事なんですが、絵具を塗っている時間は癒しにもなっていました。
あと余談ですが、ディスプレイじゃないというのは、目に優しくて良いですよ…。ブルーライトがないから…。

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「北斎!」は絵を描いている方が多く見て下さっているのですが「どうにもうまくいかないなあ」と感じている方、画材を変えるのは結構おすすめです。水彩絵の具と画用紙は簡単に手に入るので、導入のハードルがめちゃ低いぞ!

と言いつつipad

段取りとしては、ipadで線画を作って紙に印刷、その線画を画用紙にトレースして着彩…という流れで作っています。
が、この東京国立博物館のビジュアルは例外で、現地で撮った写真を拡大印刷し、鉛筆と定規でトレーシングペーパーに写し、それを画用紙にトレースして着彩…という完全アナログで制作しています。

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色んなこだわりがあってこの手法を選んだのですが、当然あまりの時間のかかりっぷりに戦慄。ipadを購入し、デジタルで作った線画をアナログで塗る…という段取りに移行しました。

余談ですが購入当時、「鉛筆と定規で紙に書き写す」という作業から逃れた私は、浮かれきってiPad導入を監督に自慢。
使い心地を聞かれ「ipadはすごいですよ!!ピッ、てやるだけで直線が描けるんですから!定規がいらない」と本気のドヤ顔で言い放ってしまい「…まあ、そりゃそうやろうね」と優しい目で返されました。
まあ、そりゃそうやろうね。

配信情報

Abemaでの1〜5話無料配信は本日まで。1話10分なので、今から見ても全然間に合いますよ!!!
明日からは6〜10話が1週間限定での無料配信となります。
もちろんAbemaプレミアムを含む各種配信サービスは今後も全話ご覧いただけますのでどうぞよろしくお願いします。

【おしえて北斎】ビジュアル

(ちなみにこの背景画像も、主にアナログ絵をコラージュしたものです)

ありがたくも、毎日本当に多くの感想を頂いています。
絵を描くこと、物を作ること、そこに夢を持つことの素敵さが伝わっているなら嬉しいです。
引き続き、ぜひ応援よろしくお願いします!

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