見出し画像

向精神薬の離脱症状の特徴を知っておこう

減・断薬体験者を多く取材してきたが、その体験はその人固有のものなので、ある人が「急にやめても大した離脱症状は出なかった」と言ったり、逆に「1剤を減らすのに2年もかかっている」という話があり、それはどちらも真実だ。

そしてこれから薬を減らしたいと思う人にとって、どんな方法やスピードで行うのかを決めることはとても重要だが、結局は自分の感覚を頼りに計画を決めてやっていくしかないようだ。

急減薬や一気断薬を推奨する断薬体験者の方の中には「やめられないのは根性がないからだ」といういわゆる根性論で迫り、「多少の離脱症状があってもそんな毒のような薬は早くやめたほうが勝ち!」みたいな発想をする人もいる。

実際にそれで回復してきた人にとっては体験からくる判断なのだが、薬に関する感受性は千差万別なので、相手によってはそう言ったプレッシャー的なアドバイスが非常に危険で悲惨な結果を引き起こす場合もあるので注意が必要だ。

また薬を減薬した場合の離脱症状の発現も数日中に起きるというものから、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、そして7〜8年経っても何らかの影響が続く後遺症的な場合もある。

おそらく断薬の1番の問題は薬を一気にやめてしまったりしたときに、しばらくしてから激しい離脱症状に襲われる場合だ。その時点でもう一度薬を戻してゆっくり減薬をやり直そうと思っても、その薬が元の量では効かなくなったりして、服薬再開できない場合もある。そうなると何をしても離脱症状が治らなくなってしまう。どこにも手立てが見つからないという悲惨な例を私は見てきた。

「減薬したいので医師を探している」という問い合わせが多方面からくるけれど、実際減薬して患者を回復させることに豊富な経験のある医師は残念ながら本当に少数だと思う。

確かに薬を処方できるのは医師だけだし、薬は医師の指示のもとというのが常識ではある。しかし向精神薬の場合、まず自分に合ったやり方を自分で勉強して主体的になることが大切なようだ。自分なりの計画や準備についてよく考えた上で医師を伴走者として味方につけるしかないというのが精神医療の現実だと思う。

向精神薬の減薬は特に最初はじっくり考え、体調を整え、ゆっくりと試しながら、大丈夫そうなら少しスピードを早めるという選択肢も視野に丁寧に自分をいたわり自分の体と対話しながら「ゆっくり計画的に」をデフォルトと考えた方がいいと思う。
具体的な減らし方としては計画増田さやか医師のミニマム7週法が参考になると思う。

https://note.com/tokio_tsukizaki/n/n4fc8c1aa4d8e

ここから先は

81字
この記事のみ ¥ 100

よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは取材、インタビュー、資料の入手などに大切に使わせていただきます