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急減薬・一気断薬させる精神科医に注意!【ゆっくり減薬のトリセツ2023 vol.4 】


数年前から国は、向精神薬の多剤処方を抑制するために、多剤処方をすると病院の収入が減るように経済的な誘導を行ってきた。

精神科・心療内科では外来患者1人あたりに約4800円の報酬が入るのだ。しかし2018年からは、「多剤処方をすると4800円を2750円にしますよ!」というようなかなり厳しいルールが施行されている。

日本の精神科医療機関が向精神薬を出しすぎなのは世界からも指摘されていて、国もこれについて対策を行っているわけだ。このため、現在では以前ほどの多剤処方はできなくなっていてそれは確かに初診の患者さんにとってはよいことなんだけど・・・・。

でもこれまで多剤処方されていて、いわゆる薬漬けになってしまっている人たちは一体どうなるのだろうか?

向精神薬という脳に作用する薬は依存性があるので、減らすとかやめるとかいうことは相当難易度の高い治療なのだと取材を通して実感しているが、減薬を”治療”と考えて真剣に取り組んでいる医師は全国を見ても十指に満たないくらいしか私は知らない。

「具体的にどうやって減らしていくのか?」については全く研究もされていないし、国としての指導や医師の教育もしていない様子なのだ。

精神医療界には「メンタルの病気の多くは一生薬を服薬し続けなければならない慢性疾患」という思い込みがあり、医師も看護師も精神科ソーシャルワーカーも、薬をずっと飲み続けることだけを「服薬管理」と呼び、それこそが、正しい治療と考えているようだけど、私は減・断薬して回復した多くの当事者を取材して、それは違うと考えている。

また医療の中で大きな力を持つ製薬企業は「売上を伸ばすこと」のためならいかなる努力もするけれど、「売上を減らすことである減薬」について研究を行なったり、医師に減らし方の情報提供をする気はさらさらないというのが本音だろう。

多剤処方を経済的誘導で抑制しようとした結果、安易な急減薬や一気断薬が医療機関で起きている。

薬の減らし方のノウハウを実は全く知らないが「減薬ブーム」のイメージと経済的誘導に乗って、「減薬を応援します」「薬に頼らない治療」といった耳障りのよいことばで安易に計画も立てず長年飲んできた薬を急に減・断薬してしまう精神科医。被害者は増えている。専門家だけに本当にとっても危険な存在だ!(◎_◎;)


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