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減薬体験や方法を精神科医に教える(ゆっくり減薬のトリセツ2023 vol.5)

「向精神薬の副作用で悩んでいて減薬したいから医師を紹介してほしい」と言う相談が、私のところにはわりと頻繁にくる。私はジャーナリストなので、紹介というのを自分の仕事とは思ってないのだけれど、それでも困っていると聞くとなんとか知っていることは知らせたいと思う。

でも向精神薬の減薬や断薬を本気で支援してくれそうな医師となるとほとんど数人しか、しかも決まった比較的大都市にしかいない。(少なくとも私は知らない)

相談してくる方は、大抵の場合は具合が悪い方が多いし、ここ数年はコロナのこともあるからあまり遠距離は難しいのでどうにも情報がないことが多い。だから「いい先生を教えて!」という問いにはなかなか答えられない。

患者さんの多くは当たり前だけど「医師の指示なくして自分で勝手に薬の調整をしてはいけない」と信じている。それは正論。

だけどね、精神科医の多くがいかに向精神薬の影響をちゃんと考えないで処方を乱用したり、また急減薬させたり、一気断薬させたりしてるか、私は知っている。

その影響で、離脱症状として実は、自殺企図とか衝動的な暴力事件とかのトラブルがかなり起きていると思う。

そして一気断薬や無茶苦茶な変薬、薬の安易な置き換えなどによって、患者さんに離脱症状が出ても、それを医師が自分の治療のミスとは思わないで、症状が再発したとか、新たな病気が発症したとか、または心因性だとか言って全然責任を取ろうともしない。治療もできないという例をたくさん見てきた。ほんとゾッとするくらい。

どこにいるのかわからない「いい先生」を探してドクターショッピングするたびに、どんどん違う診断名がついたり、薬が変更になって、多剤処方になって、脳が痛めつけられちゃう人も悲しいほど多い。

向精神薬についてちゃんと考えたことのない精神科医を転々とすると本当に人生がめちゃくちゃになると思う。

誤解を恐れずに顰蹙を買うかもしれないことを覚悟で言うと、向精神薬の調整や減薬は、方法を知らない精神科医に委ねるより、自分で勉強して計画し慎重に体の声を確かめ、経験者や仲間のアドバイスを聞きながらやる方がずっとましな結果になると思う。

それから薬だけじゃなくて食べ物に気をつけることも精神科医の多くは関心がないけど大事なことだ。

「いい先生」を青い鳥を探すように転々とするより、多少頼りなくても、明らかなデタラメ診療とか、ハラスメントをしない医師ならば、そこにとどまって、減薬した人の体験談や、本、向精神薬について書かれた本などを読んで、もらった薬を本当に少しずつ自分で減らしていく方がずっと安全なんじゃないかと思う。

特に強い主張もなく精神科とか心療内科とかの看板を掲げている先生ならむしろ好都合。患者さんがまずよく勉強し自分を観察し、自分で作った数年単位の減薬計画書を見せて、「こういうふうになっていきたいから手伝ってください「と主導権を握って受診のたびに結果を事後報告する方法でうまくいっている人もいる。

精神科医にもっとOJT(オンジョブトレーニング)してほしい。だって教科書には現役のことは書いてないらしいしね。もちろん目の前の一人一人違う患者さんが本当の先生だよね。

拙著『ゆっくり減薬のトリセツ』(読書日和刊)も自分で減薬計画を立てる参考になりそう。https://qr.paps.jp/A23Bb
 
具体的な減薬の方法としては増田さやか医師の推奨するミニマム7週法

https://note.com/tokio_tsukizaki/n/n4fc8c1aa4d8e

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